◇揚げライスボールの魅力と特徴
お釈迦様の時代、すでにおかゆやご飯が食されていたことは仏典からも明かです。先行研究によれば精米技術もある程度進み、玄米でなく白米も食されていたとされます。王子として生を受けたお釈迦様は精米された白米を食べていたと推測されます。
ただしお米といってもインドで採れるお米はインディカ米、日本ではタイ米とも呼ばれる細長く、粘り気が少ないお米だったと推測できます。インディカ米は品種にも寄りますが日本のお米と違って独特の臭いが感じられるものもあり、インドや東南アジアではスープと合わせたりチャーハンのようにスパイスで炒めるなどして味を加える調理法が多く用いられます。
またさじは使われていましたが日本のようにご飯によそって箸で食べるような文化は当時はなかったと思われます。手でつかんで食べる文化があり、高貴な方へは食べやすいようにライスボールの形にしてお出ししていたのではないかと思います。そこで今回は団子状にして油で揚げることで、手で摘まんで食べる文化と、スパイスを使わずにインディカ米の臭いを消す工夫をしました。
お米の他にきびや胡麻などの雑穀類も栽培されていました。そこで今回は炊飯時にきびを炊き込み、また半分は胡麻をまぶして揚げることで2種類のバリエーションを試してみました。
油で揚げることで香ばしい香りが出る上にパリッとした食感で中は柔らかいという非常に美味しい仕上がりとなりました。お釈迦様のお誕生を祝う主食としてふさわしいレシピ、是非お試し下さい。
◇揚げライスボールのレシピと調理手順
1 タイ米1合を研ぎ、ザルにあげて15分ほど吸水させます。炊飯器の釜に移し、きび大さじ3を加え、1合の水の目盛よりも気持ち多いくらいに水加減し、10分ほどおいてから炊飯します。
2 炊きあがったら少し長めに蒸らし、きびが沈んだ状態で炊きあがっているので良くほぐし混ぜます。
3 うつわに合った大きさの団子状に握ってまるめます。今回は8個に分けましたが大きさは自由に変えてかまいません。
4 団子の半分を、180度の油で素揚げします。芯まで火が通らなくても、周りだけパリッと揚がれば引き上げます。
5 小麦粉大さじ2を水大さじ2で溶き、濃い目のころもを作ります。
6 残りの半分の団子をからめ、そのまま別のボールにいれた胡麻大さじ2を全体にまぶします。
7 180度の油で揚げます。多少胡麻がはがれてしまうのはやむを得ません。