2012年01月25日(水)
昨年後半の活動報告 [典座和尚のひとりごと]
長らくご無沙汰しておりました。
以前お知らせしたとおり、一昨年の暮れから、師匠が曹洞宗のとある公職に就いたため寺が忙しい毎日が続いております。その上、昨年4月から私が地元消防団の責任者を引き受けることになったため、特に秋以降は自由な時間がほとんど無いほど多忙でした。
そんななか、昨年の8月お盆前の一番お寺が忙しい時期に、ブログやホームページのデータをアップロードするために契約していた有料インターネットサーバーがなんと突然サービス終了してしまうことになってしまいました。当面は自動的に他のサービスに間借りする形で自動移転したため、とりあえずは表示や書き込みは可能な状態になっていたのですが、そのままブログを続けるには色々と都合が悪く、早く移転先と新規契約し直してデータを移さなくては、とずっと気にかけながらもまとまった時間がとれず、悶々としておりました。
年明けの忙しい時期が過ぎ、1月後半は比較的お寺が落ち着く時期なので、ここ3日ほどかけてようやくなんとか無事にサーバー移転作業を終えることができました。
簡単にデータが移転できるならもっと早く着手したのですが、出来あいのブログサービスではない独自プログラムで、それを作動させる旧サーバーと新サーバーでは細かい仕様が違ったりして、予想以上に移転作業に手間取りました。
しかしなんとか無事にネット環境の移転も済んだため、またぼちぼちブログ更新も再開したいと思います。
さて、忙しかったからとはいえ、昨年後半精進料理活動を何もしていなかったわけではありません。忙しすぎてブログで紹介しなかっただけで、例年にもまして多様な活動を行いました。
代表的なものをまとめて紹介しておきます。
まずは講演や精進料理教室。


8月、群馬県桐生市内、曹洞宗某寺院の精進料理教室。暑い中での開催で、料理が傷まないかちょっと心配でしたが、冷房設備がある会場だったためトラブルなく成功することができました。
なぜわざわざ暑い時期に開催したかというと、お盆にお供えする精進料理をお檀家さんに教えて欲しいという住職のリクエストによります。皆さん、今日教わったレシピをお盆で戻ってくる御先祖様にお供えしたいとおっしゃっていました。




10月、同じく群馬県桐生市内、8月とは別の曹洞宗寺院での精進料理教室。
今回の対象者は梅花講の講員さん。そのため、料理を作った後本堂に移動し、手作りの精進料理を御本尊様にお供えする儀式を行い、続いて心のこもった梅花流詠讃歌をお唱えして供養いたしました。
もちろんその後参加者一同で料理をいただきました。
参加者のお一人が、「梅花も精進料理も、自分が心を込めたものをお供えするという意味では同じですね」とおっしゃっていました。



11月、群馬県渋川市内、曹洞宗寺院での精進料理教室。
台所が狭いので・・と住職が申し訳なさそうにしていましたが、専用の調理台がなくても、空き部屋に会議机をならべれば作業台になります。座って野菜を切ったり盛り付けたりするのは現代人には違和感があるかもしれませんが、昔はこれが主流でした。みな新鮮な経験ができたと口々におっしゃってました。大変好評だったようで、早くも翌春頃もう一度行いたいと予約が入りました。



11月、群馬県沼田市内、「ソバを作る会」での精進料理教室。
これは手打ちソバの愛好家の集まりで、みなさん手打ちソバについてはプロ顔負けの腕前の持ち主ばかりで、ほとんどの方が有段者の全国検定に合格した看板所持者です。ですから料理の腕もセミプロばかり。ふだんは一汁三菜、つまり6品を作る場合が多いのですが、今回はそれだと早く終わってしまうだろうと言うことで一汁五菜、8品の料理に挑戦しました。
なお市内のそば屋さんを借り切って行い、群馬県ローカル紙「上毛新聞」などに記事が掲載されました。







最後は12月、東京都内駒沢学園保護者会の精進料理教室です。
駒沢学園は曹洞宗の教えを建学精神とする、幼稚園、中高、短大、大学を設けた一大学園です。教育方針の一つに「行学一如」(ぎょうがくいちにょ・知識での学習と、現実社会での実践の両立を重視する教え)を掲げていますが、まさに文字通り、曹洞宗の教えを机で学ぶだけではなく、実際にやってみることを大切にした教育が行われています。
ちょうど臘八接心期間中だったため、生徒たちは少し早く登校し、始業前に坐禪堂で坐禅を修めてから授業を受けるとのこと。
学園内の素晴らしい調理実習室を借りて、保護者会の皆さんを対象に行われました。
今まで私が経験した会場の中でも最高クラスの充実した設備の中で、またほとんどの方がお若い参加者ばかりで、楽しく和やかな雰囲気の中、丁寧で細やかな調理ができました。

そして出版関係ですが、『大法輪』誌連載、「こころと身体を養う精進料理」 、9月に第11回「里芋」、11月に第12回「白菜」、1月に第13回「麩」を題材とした料理レシピが刊行されました。現在「喜心老心大心」の三心について説いています。

12月には朝日新聞土曜版be 「やさい流」の連載が掲載されました。

年開けて1月には株式会社カザン刊『月刊食生活』第106号の「食材塾」もやしに取材記事が掲載されました。

最後に講演ですが、12月に群馬県内前橋市にて、群馬県税理士協同組合前橋支部・大和ハウス工業合同研修会にて、「日常に活かす永平寺精進料理の心」と題して講演を行いました。
税理士の方と精進料理がどうつながるのか、と不思議に思うかも知れませんが、永平寺の修行時代に学んだ多くのことは、精進料理を題材としてはいますが、分野が違っても、どんな仕事にも応用できる教えです。そのあたりをお話ししたところ、みなさん熱心に聞いて下さいました。
ということで、このほかにもまだまだたくさんの活動を行いましたが、公開してもさしつかえないものを中心に、主なものをピックアップしてご紹介いたしました。
今年も多くの皆さんとご縁を結び、精進料理教室、講演、法話、原稿執筆、取材等、自分でできる範囲で精一杯がんばりたいと思っております。今年もなにとぞよろしくお願いいたします。
Posted by 典座和尚(管理者) at 23時59分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2012年01月01日(日)
謹賀新年 本年もよろしくお願い申し上げます [季節の精進料理]

本年もよろしくお願い申し上げます。
翁の海老芋
エビのように腰が曲がるまで、翁のような長いひげになるまでの長寿と健康を祈るお正月の精進料理。もちもちほっくりの海老芋にとろろ昆布を添えて。
Posted by 典座和尚(管理者) at 00時00分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 1 )
2011年09月03日(土)
朝日新聞be 秋の精進料理レシピ1ヶ月掲載されます [お知らせ]
大型台風通過の影響で、当地でも昨夜から強風と大雨が続いています。
昨晩はあまりにも強い風で眠れませんでした。
朝起きて境内を確認してみると、側溝の水があふれ地面が池のようになり、強風で折れた竹や枝などが倒れたり吹き飛んだり。大規模被害が出ないことを祈ります。
さて、ながらく連載している朝日新聞土曜版be、9月も毎週私の料理が連載されます。
既に本日第一回分、「冷やしトマト茶漬け」が掲載されました。
トマトは意外にもうまみ成分が豊富で、お茶漬けによく合います。
時間がないときにさっと食べることもでき、上にのせる具の部分は多めに作っておけば常備菜になります。ぜひお試し下さい。
残りは10日、17日、24日に掲載予定です。
お楽しみにどうぞ。
Posted by 典座和尚(管理者) at 22時26分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2011年08月13日(土)
アクセス集中による表示不具合発生のお詫び [お知らせ]
【重要】お盆期を迎え、当ブログの記事「お盆のお供え精進料理」「お盆の準備」などにアクセスが集中しているようで、接続環境によってはブログの記事が正常に表示されなかったり、画像だけ表示されなかったり、あるいは表示がいちじるしく遅くなる現象が発生しているようです。
多くの方に閲覧していただき嬉しい限りですが、御不便をおかけして申し訳ありません。
インターネットの仕組み上やむを得ないことなのですが、特定のサーバーに想定を越える多くの接続が集中した場合には、そうした現象が起こります。
対策は特にできないのがつらいところです。混雑しない時間帯を見計らって接続するしかありません。
御迷惑をおかけしますが、何卒御了承くださいませ。
Posted by 典座和尚(管理者) at 18時17分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2011年08月12日(金)
平成23年版 お盆のお供え精進料理膳〜一汁五菜〜 [典座への道(精進料理基礎指南)]
今年もお盆がやってきました。
先日「ももた」さんからお盆のお供え膳についてコメントをいただき、ご要望に応えるべく、本年版のお盆のお供え精進料理を公開すべく、早くから料理写真を撮影し、準備を進めていましたが、お盆前に連日豪雨が襲い境内掃除が思うようにはかどらず、パソコン前に座る時間が取れず遅くなってしまいました。
残念ながらお盆時期ギリギリの公開になってしまいましたが、どうぞご参考になさってください。
なおお供えの基本やお盆ならではの解説は一昨年の記事をご参照ください。
今年のお膳見本は「一汁五菜」形式の精進料理です。
つまりご飯、汁、漬物、おかず五品です。
昨年の記事では一汁三菜でしたので、それよりさらに二品増やした形式です。
この品数だとかなり上級のもてなし膳ということになりますので、そんなにたくさん食べきれないという方や、調理時間が長く取れない方は適宜品数を減らし、一汁二菜〜三菜程度で良いと思います。なお、市販の仏膳セットを使う場合は一汁二菜分しかお椀がないため、うつわのフタを裏返して皿として使います。

まずは「古代米のご飯」
黒米を加えることで赤飯のようなきれいな赤紫色に炊きあがります。
黒米はスーパーのお米コーナーなどで、小袋で売っています。
旬の枝豆を加えて風味を出すのがポイント。
1 白米170mlに対し黒米大さじ1杯程度を混ぜ、通常同様に研ぎ、
15分ほどザルにあげる。
2 ゆでた枝豆50gの皮をむく。
3 炊飯器の釜に1と2を入れ、酒大さじ1、塩小さじ1/4を加えて、
通常の水加減をして炊く。

汁物は「じゃがいもとなめこの味噌汁」
旬のじゃがいもを少し煮崩れるくらいに柔らかく加熱するのがコツです。
なめこを加えると汁にとろみが出て味がまろやかになります。
加える具は適宜変えてかまいません。
1 鍋に水400mlと昆布3gを入れて一晩おく。
2 じゃがいも2個の皮をむき、乱切りにして1の鍋に入れる。
3 鍋を中火で加熱し、じゃがいもに火が通ったら弱火に落とし、
なめこ50gともやし30g、オクラの輪切り1本分を加えて3分ほど煮る。
4 昆布を取り出し、弱火に落とし、味噌大さじ1程度を溶いて火を止める。

平椀は「とうがんのくず煮」
冬瓜(とうがん)は扁平形のすいかのような形をした野菜です。冬瓜と書きますが旬は夏で、保存が利き冬まで持つからこう呼ぶと言われます。そのまま煮ても、冬瓜自体にはあまり味がないので、ダシを利かせた煮汁などにとろみを加えてからめて味をつけます。本来は本葛粉でとろみをつけるため「くず煮」と言いますが、片栗粉で代用可能です。暑い日は冷やしてもおいしくいただけます。
1 とうがん350gの皮をむき、種を取って面取りする。
2 鍋に水300ml、昆布5g、1、酒大さじ2、みりん大さじ1を入れて中火で加熱する。
3 とうがんが柔らかくなってきたら昆布を取り除き、弱火に落とし、
薄口しょうゆ小さじ2,おろししょうが小さじ1〜2を加え、
味をみながら塩を足す。
4 とうがんに火が通ったら水大さじ1に片栗粉小さじ1をよく溶き、
強火にして沸騰させ、煮汁をよく混ぜながら水溶き片栗粉を少しづつ加え、
とろみを付ける。
※ダシに使った昆布を細く刻んで加えても良い。

膳皿は「夏野菜の田舎風白あえ」
塩ゆでした夏野菜を豆腐のあえしろで味付けします。
ポイントは、あまり細かくすりあげず、豆腐の粒が残る程度にすり混ぜる点。
これにより、田舎風のざっくりした仕上がりになります。
逆にフードプロセッサーで細かくすりつぶせば、トロトロでなめらかな上品な仕上がりになりますのでお好みで変えてください。
1 カボチャ150g、人参30g、しめじ50g、アスパラガス50gをそれぞれ
食べやすい形に切り、塩ゆでする。
2 木綿豆腐150gをふきんでくるんで重しをかけ、
水気を切ってすりばちの中でつぶす。
3 小鍋で酒大さじ2,みりん大さじ1,砂糖小さじ1,しょうゆ小さじ2、
塩少々を加熱してアルコール分が飛んだら2に加え、さらに白ごま大さじ1
を加えよくすり混ぜる。
4 1の野菜を3であえる。

小皿は「ナスの甘味噌炒め」
炒め物を一品加えると献立にボリュームが出ます。
夏が旬の野菜を炒め、甘く練り上げた八丁味噌で味を付けます。
特にナスは油と相性が良いのでお薦めです。
1 八丁味噌(赤味噌)大さじ2,酒大さじ1,みりん大さじ3,ザラメ砂糖大さじ1,
白砂糖大さじ2、しょうゆ小さじ2を小鍋で加熱し、
よく練りあげてトロトロにする。
2 ナス150g、ズッキーニ50gを輪切りにする。
赤、黄パプリカそれぞれ30gを種を取り細切りにする。
3 2を170℃の油で素揚げし、1であえる。
※またはフライパンに油をしいて2を炒め、その中に1を入れてからめても良い。

坪は「めかぶの酢の物」
市販のめかぶはほとんど味付きのため、そのまま盛り付け可能です。
好みでもずくでも代用できます。
味付きでない場合は、米酢を昆布ダシで薄めて味をつけてください。
1 胡瓜30gを輪切りにし、塩少々をふって塩もみし、しばらく置いておく。
塩がなじんで胡瓜がしなしなになったら軽く水ですすぎ塩気をとる。
2 梅干しの種を取り除く。
3 めかぶ100gをうつわに盛り、1と2をのせる。

椿皿は「果物のおろしあえ」
果物を使ったデザート風のさっぱりした料理です。
加える果物は好みで自由に変えてかまいません。
大根おろしに少し酢を加えるのがコツです。
1 大根150gをすりおろし、30分くらい置いて辛みを飛ばす。
2 米酢小さじ2,塩少々を加えて味を付ける。
3 オレンジ200g、キウイ120g、レタス30gをそれぞれ食べやすい大きさに切る。
4 2で3をあえてもりつける。

「ももた」さんのコメントで、「坪」に盛り付けるのは胡麻豆腐以外にどんなものがありますか、というご質問がありました。
今回は坪に「めかぶの酢の物」を盛り付けましたが、他に例えば煮豆なども良いでしょう。
(写真は花豆の煮物)坪と似た形で猪口(ちょく)という器もあるのですが、どちらも、胡麻豆腐のように崩れやすいもの、あるいはめかぶのような流動物、また煮豆やひじきなど、主たる煮物とは別の、二つ目の煮物を盛り付けるのが原則です。今回の献立の中では、果物のおろしあえなどを坪に盛り付けても良いですね。
たまにお檀家さんの家にお経をあげに行くと、坪にご飯が盛り付けてあったり??よく見かけますが、やはり日本人ですからどのうつわに何を盛り付けるかという基本は守りたいですね。
なるべく簡単な手順で作ることができる料理を集めたのですが、それでもレシピに書くと長いな〜。しかし手間をかけた精進料理は亡き人への最高のお供えになります。
ぜひ心をこめた料理を作り、御先祖様にお供えしてあげてください。
Posted by 典座和尚(管理者) at 23時30分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 1 )
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