典座ネット式・大雪対処法

今回の大雪対策を紹介していきます。
予報では1月20日夜から関東平野の広い範囲でも降雪する見込みだとか。雪の量や地形が異なればまた対処法も変わりますが、参考になる部分もあろうかと思います。
なお数年前にもまた別の角度でその時の対処を紹介していますのでお時間があれば参考にして下さい。

典座和尚的・除雪用具と使い分けのコツ

平成29年1月の大雪と対策法

まずはじめに除雪道具は主にこの3種類を使います。何日も経ってから除雪する場合は、この他に完全に凍結した雪山を崩すために金属製のスコップやツルハシなども必要になりますが、まずこの3種の使い分けが基本です。ほとんど降らない地域で、敷地も少ないなら3種とも揃える必要はありません。価格は安いお店なら左端が1000円ほど、真ん中が1500円ほど、右端が2500円ほどです。

平成29年1月の大雪と対策法

はじめに、まずは広い範囲をこのスノーダンプで除雪します。地表がでないように、雪の一番下の部分はうまく残す感じで押しだし、邪魔にならない場所に寄せたりまけたりしてどかします。
除雪初心者が勘違いしやすい点ですが、除雪といっても雪を消してしまうことはできないのです。要するに積もった雪をどこか別の場所に移動する作業なのです。ほんの少しの雪ならば、どかす際に溶けてしまうこともありますが、ある程度の量が積もると地表の気温が低いため、動かしたくらいでは消えません。ですからたとえば通路や家の前、玄関、駐車場など、使いたい場所の雪をどこか邪魔にならない場所に寄せ集めるのです。集めた雪は、暖かい日に広げて溶かすとよいでしょう。日の当たる場所で使わない場所があれば、そこに寄せておけばやがて自然に溶けますね。なおプロが除雪する場合は、どかした雪はダンプに積んでどこか別の空き地や河川、海などに廃棄します。

平成29年1月の大雪と対策法

このスノーダンプでまずは隣家との道をつなげます。写真が暗いのは、撮ってそのままだと真っ白で除雪した道がわからないので彩度やコントラストを調整してわかりやすく加工しています。真ん中に向こうに続く道がわかるでしょうか。田舎ではまず隣家へのアクセスを確保しないと話がはじまりません。約20m、1時間かかります。

平成29年1月の大雪と対策法

続いて車道の脇道です。車道は市が依頼した業者さんが除雪してくれますが、その際にどうしても道ばたに雪の残りが寄ってしまいます。このままほっておくと固まってしまい、歩行者が困るので歩道を確保します。

平成29年1月の大雪と対策法

ここには水路があるためフタをあけて雪を流し込みます。これが違法なのかどうか?把握していませんが道ばたの住民全てがそうしています。なお下水路ではなく融雪用の水路みたいなものですが、こうした水路がない地域は、雪をどこか空き地など邪魔にならない場所にどかすしかありません。最も最悪なのは、車道に雪をまけることです。これが結構そうしている人、いるんですよ、車に踏んでもらえば溶けると思っているのか・・・スリップの原因になり危ないのでやめて欲しいですね。
さて、大量の雪をスノーダンプで運び水路に入れます。スノーダンプは、ソリのように下部を滑らせて押せばいいので疲れないのが良い点です。

平成29年1月の大雪と対策法

ただどんどん続けていくと用水路の口が詰まってきます。普通型の除雪スコップでほぐしながら口を適宜広げます。この普通型スコップは取り回しが良いためこうした細かい作業に最適で、雪を高く持ち上げてすくい放ったりする際に使います。まあ雪の量が少ないならこの1本だけでも良いかもしれません。

平成29年1月の大雪と対策法

地面のすぐ上の雪は、かなり堅く締められています。これをスノーダンプや普通型スコップでガリガリやると、そのように作られていないため、すぐに壊れてしまいます。先の部分に金属の金具がついていてもダメですね。やめておいた方がいいでしょう。
しかしこのラッセルタイプの除雪具は、先がスクレーパーのようになっていて、雪をきれいに削るために鋭く加工されており、ガリガリやっても大丈夫です。非常にうまく雪が削れる作りになっています。ご覧の通り、こすると地表が出てきます。この器具は幅が広くてある程度の量を押すことができるので、敷地が狭いならこれ1本でもいいですね。ただし、スノーダンプほどうまく滑らせて運べないことと、一度にたくさん積むと幅が広いため重くて何度も持ち上げると腰を痛めたりと、やはり主要用途以外に使うと不便です。道具は、用途によって使い分けるのが労力を減らし、うまく仕上げる基本です。用途外の作業に使うと、作業効率が悪いし、不要に疲れたり、道具が壊れたりもします。まあわずかな除雪ならどれか1本で良いと思いますが、本格的に1日中作業するならば道具も大事ですよ。

ちなみに20日以降に予報通り雪がふると除雪用具が店頭から売り切れてしまうでしょうから、いまのうちに確保しておくことをお薦めします。

平成29年1月の大雪と対策法

歩道が確保できました。ここまでやっておけば歩行者も安心です。なお作業を終えても水路のフタを開けっ放しの場所を見かけますが、良くないと思いますね-。フタはものすごく重いため、もし倒れて足にでも挟まったら大けがのもとです。そしてフタが空いたまま、気づかずに歩道を歩くと突然水路に落ちてしまうのでこれまた危険です。歩行者は充分気を付けて歩行してください。

平成29年1月の大雪と対策法

さて次に屋根に積もった雪の処理です。屋根の形状や敷地の事情によってはほっておけば良いのですが、これがまとまって玄関や通路に落ちたとき、下に人がいたら大変です。お寺の場合はたくさんの方が来るのでほっておけません。
<<ただし屋根の雪下ろしは大変危険です。当方では一切の責任を持つことができませんので御了承下さい。完全な自己責任で、また難しい様なら業者さんに依頼して下さい。>>

平成29年1月の大雪と対策法

屋根の上ではヘルメット着用、命綱を腰に巻き、勢いで自分が落ちないように注意して作業します。いうまでもなく、下に人がいないことを確認しておろします。屋根の上にこれだけの厚さの雪が積もれば、そりゃあ建物にも影響がでてしまいますね。

なお、落とした後には当然その雪をまたどかさなければいけません。なるべく同じ場所に落ちるようにできればその分後の処理が楽になります。

最も最悪なのが、昼間暖められた屋根の雪が、夕方暗くなったころにまとめて落下した場合です。そうすると夜のうちに凍って固まってしまい、どかすのが非常に難しくなってしまいます。ですから午前中のうちに落としはじめ、昼の暖かい時間帯に落とした雪をどかしてしまうのがベストです。

こうした物置や車庫の屋根は、60cmを越えると破損する危険があります。半端に溶けて水分で重くなる前に落とさなければいけません。

平成29年1月の大雪と対策法

2階の屋根はとても高いので足がすくみます。高いところ苦手なのです。まあ斜度がゆるいのでなんとかなりますが、急斜度の屋根の場合は素人には無理なのでやめておきましょう。

平成29年1月の大雪と対策法

道具倉庫の屋根は腰近くまで積もったため、屋根の上にスノーダンプを持ち上げてこれで落とします。この建物は日当たりが悪い位置にあり、北側にそのまま落とすと日陰でいつになっても溶けずに残ってしまうため、北側の雪をぐるっと逆側の南側に移して落とすためにはスノーダンプが便利です。まあ屋根の上にがさばるスノーダンプを持ち上げるのが大変ですが、その後の効率は格段によくなります。なおこの物置の屋根は雪下ろしの能率を考えて斜度がゆるくなるようにDIYで建てたので一度あがってしまえば滑り落ちる危険は少ないのです。

平成29年1月の大雪と対策法

平成29年1月の大雪と対策法

きれいになりました。ただ、完全に屋根の素材がでるほど落としてはいけません。屋根の表面が表れると滑りやすく、危険です。少し雪を残して、滑らない足場を確保して作業します。このくらいまで落とせば、あとは晴れた日にきれいに溶けます。

平成29年1月の大雪と対策法

除雪作業中に欠かせないのは飲み物です。夏の草刈り作業の際は、熱中症を防ぐために水分補給が必須ですが、実は除雪作業も同様です。冬に熱中症??と思うでしょうが、はっきりいって厚着での重労働を長時間行うため、夏よりも汗が出ます。今回は一日4回以上着替えましたので熱中症を防ぐために水分補給にはくれぐれも気を付けてください。

なお、この3日間で3キロも痩せました。まあこれだけ一日中有酸素運動を続ければ当然ですね。禅の教えでは、「○○のために□□をしない」といいまして、痩せるために除雪をしようとかそういう雑念をもっては良い修行にならない、と説きます。よけいな目的意識をもたず、ただ無心でその作業に没頭せよ、というのですが、まあそうはわかっていても除雪を無心でするのはあまりにもキツイです。こんなもん溶けたらなかったことになってしまう生産性ゼロの作業です。せめてダイエットになると思ってがんばれるならそれでいいじゃないですか。除雪ダイエット、最高です。とはいえこうして大量に汗をかいて急に減った体重は、水分と肝臓のグリコーゲンが減っただけなのでまたすぐ戻ってしまいやすいのですけどね。年末年始で増えた体重がリセットできて良かった~。

さらに次回、雪道のチェーン装着について紹介致します。

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