永平寺三世徹通義介禅師七百回御遠忌

本年は、永平寺の第三代住職、義介禅師の七百回忌にあたります。
義介禅師は、道元禅師のもとで修行を積み、永平寺二世である懐弉禅師から法を受け継いで永平寺の第三代住職になられたお方です。
のちに加賀の大乗寺という名刹を開きました。

道元禅師が永平寺に入る前、福井の吉峰寺という道場で修行を積みましたが、その際道元禅師に命じられて典座をつとめ、毎日山頂にある寺から、ふもとの川まで水をくむために急な坂を往復して料理をされた逸話で有名です。
永平寺の住職になるほどの方が、懸命に典座の修行をなさったということはいろいろな意味でとても意義深く思います。いずれ時間のあるときに、義介禅師の逸話を紹介したいと思います。

義介禅師御遠忌

さて、ということで平成二十年は義介禅師の七百回御遠忌の年で、永平寺ではその恩に報いるため、一年間に渡って様々な法要や企画が行われます。
特に、四月十六日から二十一日までは正当法要期間として、全国各地から大勢の僧侶・信者が上山し、集中的に大法要が営まれました。
私も台所のお手伝いをするため、永平寺に行って参りました。

御遠忌角塔婆

中雀門と仏殿を挟んだ中庭には、永平寺の天野後堂老師の揮毫による立派な角塔婆が建てられておりました。また山門の額や聯、四天王像、浴司の額、唐門など多くの伽藍なども補修整備され、面目が一新された中で御遠忌法要が始まりました。

こうした特別な法要期間中は、永平寺の中も各部署ともに大忙しで、通常時のように食事を全員一斉に食べることができません。そこで、台所では特製弁当を用意します。
数百人分の弁当を用意するのには、いつもの料理とはひと味違う技術が必要です。
しかし永平寺の典座老師の綿密な指導により、滞りなく全ての食事が調えられました。

弁当

そして最終日である二十一日には、鶴見總持寺の大道禅師をはじめとして多くの来賓が臨席する中、御正当の大法要が行われました。
永平寺七十八世、故宮崎禅師が導師をおつとめになる予定でしたが、御遠忌正当法要を前に、惜しまれながらも今年一月にお亡くなりになったため、新貫首にお就きになられたばかりの福山禅師が御導師をおつとめになられました。

法要の様子はさておき、当ブログをごらんの皆さんが関心を持つのは、法要のあとに出される食事のことだと思います。下の写真が正当法要のあとに供された上膳弁当。色とりどりの野菜が見事に用いられております。

上膳弁当

正当法要期間は終わりましたが、今年一年は御遠忌の年として、さまざまな企画などが行われます。ぜひ、この機会に永平寺にお参り下さい。新しいご縁が皆さんを待っていると思います。

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