群馬県宗務所布教部により毎年企画運営されている、「禅をきく会」が本年も開かれました。これまでながらく高崎市のホテルに会場を固定して実施されていましたが、なるべく多くの方に脚を運んでいただきたいという思いから、数年前から群馬県内の各地域に会場を移すこととなり、今年は太田市での開催でした。
講師は駒澤大学の前学長、石井清純老師。大学1年生の時に教わりましたが・・・あれから何十年も経っているのに、容貌がほとんど変わらない?お若さに驚きました。駒澤大学の前学長のお話しを聞ける機会など滅多にありませんから、会場には多くの僧俗が詰めかけました。
演題は「欧米の禅(ZEN)に想う」
曹洞宗の教えは、いまや世界中に広まっています。その歴史的な過程と、現在どんな国でどのような状況で、曹洞宗の教えが実践されているのかを、ご本人が現地の修行道場に訪れた際の貴重な写真をスクリーンに映しながら、具体的にお話し下さいました。
フランスで曹洞宗の布教が始まって、今年で50年になるそうです。最近流行しているマインドフルネスやメディテーションと禅、ZENはどう受け止められているか、何が違うのか、なぜ海外で禅の教えが求められているのかという大元の話から始まり、日本での禅の教えと、国によってその内容が微妙に異なっている例もあり、それはなぜそうなっているのか、文化や国民性、時代背景なども含めて解説してくださりました。
一般の方にもわかりやすく語られていましたが、内容は我々僧侶にとっても非常にためになりました。海外の布教情勢もある程度は知識として知っていますが、実際に行ったことのない私にとって貴重な講義でした。
講演の終わりには、聴講者から「海外のお寺にも檀家制度があるのか?ないとしたら、金銭面ではどのように寺を運営しているのか」「食べ物は精進料理なのか」「日本の曹洞宗としての宗派組織とはどういうしくみで連携しているのか」などの非常に的を得た質問がたくさん出ていたことから、本講演が大変有益だったことがわかると思います。
布教部員は早朝より会場入りし、入念な準備を行いました。
私は今年は受付担当でした。遅れて会場入りする方等もおられるため、講演中も受付場所に待機する必要があり、講義が聴けない・・・と諦めていましたが、受付前に会場内の様子を映し出すモニターが設置されており、会場内と変わらずに拝聴することができました。
石井教授はじめ、ご来場下さった聴講者の皆様、そしてお世話になりました会場のスタッフ各位に部員一同感謝しております。
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