薗原ダム点検放流_ダムイベント第1回堰堤祭開催

薗原湖

最近は世間でダムが注目を集めているのだとか。ダム好きの方を「ダムラー」と呼び、各ダム独自のダムカードが人気高騰中なのだそうです。そんな世相をいちはやくキャッチしたのか?、沼田市利根町が誇る名ダム、「薗原ダム」にて第1回堰堤祭が開催されました。

国土交通省関東地方整備局、利根川ダム統合管理事務所の事前発表は以下の通りです。

「利根川で最大の流域を抱える薗原ダムでは、洪水期を迎える前にダムの放流設備が安全に作動するか確認するため「点検放流」を行います。
薗原ダム水源地域ビジョン実行委員会(沼田市・沼田市東部商工会・利根町観光協会・老神観光協会・利根川ダム統合管理事務所等)では、滅多に見られないクレストゲート(非常用放流設備)からの豪快な『水のスキージャンプ』をより多くの皆さんに見て感じていただけるよう、天端(ダム上)の市道を解放し「地域の皆さんによるおもてなし」も行われる予定です。

平成30年5月20日(日)
13時00分~放流開始 地元おもてなしは午前から
※天候等によっては延期又は中止する場合があります。」

下の写真をご覧になれば一目瞭然、当日は最高の天候の中で見事な放流を楽しむことができました。

薗原ダム点検放流

薗原ダム点検放流

このイベントは2日連続で行われました。

まず前晩には夜間の堤体ライトアップが行われるとのことなので駆け付けてみました。夜間に通ることもありますが、こうしてダム全体がライトアップされている光景は初めて見ました。しかも発表資料を見る限りでは前晩はライトアップだけで放流の予定はなかったようですが、嬉しいことに最下部からテスト放流を実施してくれました。明日本番の放流とは異なる場所からの放流でしたが、これはこれで大変価値ある貴重な様子を拝むことができました。

別会場で井上よしひさ講師によるダムトークライブが行われた後、近くの温泉街からバスでピストン輸送されたダムファンがざっと見た感じでは数百人ほどいました。翌日どこで見学すれば見晴らしが良いかなどをチェックし、1時間ほどで引き上げました。

昼間とは全く違ったダムの質感が陰影に照らされ、静かな夜の闇の中に轟轟と鳴り響く水音が耳に残りました。

薗原ダム点検放流 前夜 

薗原ダム点検放流 前夜

薗原ダム点検放流 前夜

当日は最高の天候に恵まれ、マイナスイオンたっぷりの放水のしぶきをたっぷり浴び、ふだん見ることができない薗原ダムの畏様を存分に楽しむことができました。

薗原ダム点検放流

ダムの左岸法面には階段状のテラスが設けられています。通常時は立ち入ることができませんが、この日は完全開放され、下段までビッシリとダムファンが立錐の余地も無いほど集まっていました。

薗原ダム点検放流 堰堤祭

今回放流される流路は、ダムの最も上のクレストゲートと呼ばれる部分です。ここは非常用放流水路で、めったに開かれることはない貴重な光景を楽しむことができます。

放流時間になると、この4本の水路が順番に1本ずつ開かれました。はじめに1本目の水が出てきた時は観客から大きな歓声が沸きました。その後3本の水路が開かれ、4本の流路が並びましたが、しかしどうも皆が予想していたような勢いがありません。近くにいた職員さんに、「こんなにおとなしい感じですか?」と聞いてみると、「一度に最大水量を開放してしまうと、下流の生物環境に大きな影響が出るおそれがあります。そこで環境に配慮する必要から、まずは少量流し、様子をみて制御しながら最大量を開放するのです」ということでした。

ただこの状態は結構長く続いたため、待ちきれずに帰ってしまった方もかなりいました。充分な時間を確保して、ゆっくり見ていくことがポイントのようです。

薗原ダム点検放流 開始

やがて最大量になった後は先ほどとは比べられないほどの激しい水量を楽しむことができました。あふれるしぶきに、虹もできて本当に美しい光景が広がりました。なお最大量になってから感覚的には1時間以上あったように思います。右岸と左岸、正面を徒歩で移動する時間は充分にありました。各場所で楽しむことができ大満足でした。

薗原ダム点検放流

薗原ダム点検放流

完全開放のころには、左岸のテラスに残る人もだいぶ少なくなっていました。放流開始時間には階段も人でビッシリで、階段は狭くて交互通行が難しいため一度一番下まで下がってしまうと上に上がることは難しいほどの混雑ぶりでした。テラスのフェンス部分も大混雑で、カメラの三脚を広げることはマナー違反となるほどの密集ぶりでした。放流がおわる頃に、このテラスを降りてみるのが一番効率的かもしれません。

薗原ダム

ダムの真上の道路は自動車通行止めの歩行者天国となっており、協賛団体による出店が行われていました。しかしこれは午前中から行われていたようで、放流に合わせて到着した私がついた時点で残念ながらすでにほとんどの品が売り切れていました。食事やグッズが欲しい人は、朝10時の売店開始時から並ばないとダメなようです。ダム手ぬぐい・・・欲しかった。

薗原ダム堰堤祭

ダムグッズ販売

薗原ダム堰堤祭

放流だけでなく、ダムの美しい大自然の景色を眺めているだけでも癒されます。

薗原湖

薗原ダム堰堤祭パンフレット 薗原ダム堰堤祭パンフレット

ダムに至る右岸手前のトンネルも車両通行止め、徒歩にてひんやりしたトンネルを歩く非日常体験も楽しめました。

薗原ダムのトンネル  薗原ダム点検放流

一つだけ残念だったことがあり、参考までに書いておきます。

当日、私は午前中に公的な会議がありました。11時に会議が終わり、昼12時ごろには現地につくはずだったのですが、ダム周辺の道路は、この辺では見たことがないような異常な混乱ぶりで、予定通りには到着しませんでした。あらかじめ、ダムに隣接する駐車場は一般の方は駐車できないことが案内されていたため、かなり離れた駐車場を目指して走ったのですが、もうダムに近づいた時点で道路が予想外の大渋滞、全く進まない状態でした。原因は、ダム周辺の道路の路肩に違法駐車した不届き者がものすごくたくさんいたためです。もともとこの付近の道路はカーブも多く狭いのですが、狭い路肩に車を停める無法者が続出していました。そのため、残された道路の余白に両側から車が進んでくるので、すれ違えずに大渋滞となるわけです。パトカーも駆け付けて急遽交通整理をしていましたが・・・それではとても間に合わないほどの違法車両だらけで、善良な一般車両がまったく進まない状況でした。臨時駐車場からのピストン送迎バスでさえ動かず、結局降りて歩く人もたくさんいました。予想外のマナーの悪さに驚きました。

できればもし次回以降の開催があるとすれば、ダム付近は一切通行禁止にして、片品側は薗原集会所近くのダム野球場を駐車場に、南郷側は南郷温泉、沼田側は砕石前の駐車場をストップラインとしてそこから先はすべて徒歩かバス輸送にした方が良いと思いました。全面通行止めが法的に無理なら、その区間内にびっしり警備員を配置するしかないでしょうが・・・それは予算的に難しいでしょう。いくら地元に交通マナーについてお願いの告知をしても、結局違法駐車をして道をふさぐのは余所から来た方なので・・・それだけが残念な点でした。もしこの記事を見た方が第2回以降にお越しになる際は、皆が気分良くダムを楽しめるよう、違法駐車だけは決してしないようにお願い致します。

薗原湖

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