やぶ大掃除2~竹やぶ掃除に適した時期

竹の需要が無くなり、ほとんど伐採しないまま数年経つとあっという間に竹やぶは荒れてしまいます。荒れるだけならまだしも、どんどん竹やぶが拡大していってしまいには宅地や他人の土地にまで広がってしまう恐れもあります。

最も手っ取り早い対策は、除草剤(農薬)で全て枯らしてしまうことです。
竹の根元近くにドリルで小穴を開け、そこに液体の除草剤を注入してガムテープで穴をふさぎます。八~九割の竹にこの処理を施し、一年待てば全て枯れますので切って倒し、万一枯れずに残った竹があれば除草剤を濃くして再度注入すれば地下茎も含めて竹は全滅します。
例えば実家の両親が亡くなって土地建物を都会に住む子供が相続して管理する場合など、あまり頻繁に現地に来ることができないようなケースには、手間もそれほどかからず大変有効な方法でしょう。

ただこの方法だと竹が地下茎でつながっていれば隣接する他人の土地に生えている竹も枯れるため、土地の境界を越えて竹やぶが続いている場合は使えません。
また当然ですがタケノコが出なくなります。

お寺の場合、昔ほどではないにせよお盆の飾りなどで竹を使う必要があることと、初夏のタケノコの妙味は失い難いので除草剤方式は即却下。

となると手間はかなりかかりますが端から順に伐採し、管理可能な分だけ竹を残す方法しかありません。

切った竹を利用する場合、冬に切るのがならわしです。というのも竹の樹液は甘く、暖かい時期に切ると虫がついてしまうため、水分が減る寒い冬に切るのです。

今回の場合は竹やぶの大掃除が主目的で竹は利用しないため、作業する時期は別にいつでも良いのですが、そうはいっても夏は竹やぶとはいえ地面に草やツタなどが茂って作業しにくくなり、また蚊が多く、暑くて体力的にも厳しいため向きません。

最も大きな理由として、うちの場合は一年を通じてお寺の用事が比較的少ないのが一月後半です。
春~秋は忙しくて続けて作業する時間は取れません。
例年だと一月後半は雪が積もって竹やぶでの作業はできませんが、今年は例年にないほど雪が降らず、竹やぶにも根雪がないため作業には最適です。
しかも例年はビッシリ埋まっている精進料理関係の依頼がなぜか一月後半に一つもなく(それはそれで困ってますが笑)よしこれは今年やるしかない!と一念発起して竹やぶ大掃除大作戦に取りかかりました。


↑今回搬出した枯れ竹の一部。これで2トントラック2台分くらいです。
100メートルほどの斜面をかついで竹やぶから手作業で裏庭に運び出すだけでクタクタになりました。

着手当初は一週間でなんとかなるだろうと見込んでいましたが予想以上に大変で、結局十五日間かかってしまい、法事や葬儀以外は一月後半の全てをこの作業に費やすことになりました。
まあはっきりいってこれほど大変な作業は住職がやる仕事ではないですね、素直に造園業者や土木業者さんに依頼した方が良いと思います。それくらいの重労働でしたがこれもまた田舎和尚にとってありがたい修行だと思ってやりぬきました。
竹やぶ整理の参考になるかもしれませんので次回以降記録と要点を紹介します。

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