竹やぶ大掃除1~どうして竹やぶは荒れるのか

長年の懸案だった裏山の竹やぶ大掃除に着手しました。

十数年前までは地域にカゴ屋さんがいました。
あー、もう「カゴ屋さん」自体、おそらく都会の若者には言葉が通じないですね。竹を編んでザルや大小さまざまな大きさと形のカゴなどを作る職人さんです。お寺はもちろん、特に田舎ではつい最近まで竹製品は日常生活でよく使われていました。

カゴ屋さんはお寺の広い竹やぶに生える竹をよくもらいにきていました。おそらくお寺以外の竹やぶにも頼んでいたはずです。
竹やぶの持ち主は竹を定期的に間引き伐採してもらえるし、カゴ屋さんは無料で原材料を入手でき、さらにそのおかげで製品も手間賃分だけで安く販売できるわけですからみんな幸せだったのです。
体感的には100円ショップが登場した頃からでしょうか、竹製品が急激に姿を消したように思います。今ではカゴ屋さんも廃業してしまいました。

またお葬式の際は隣近所の方が竹で手作りの仏具や門牌の柵、旗竿などを作りましたし、他にも布団を干す物干し竿、田んぼの稲を乾す竿、畑の支柱、魚釣りの魚籠(びく)などなど、日常的に竹をたくさん使っていましたが、お葬式はホールで行うようになって竹の仏具は作られなくなり、物干し竿も安価な金属棒にとって代わられました。

要するに一言でいえばほとんど竹を使わない生活になったのです。
その結果竹やぶがほったらかしにされ、荒れ放題になってしまい各地で問題になっています。

まあそれも仕方ありません。
竹は一日でものすごい早さで伸びますから、数年放っておいただけでジャングル化し、手が付けられない状態になります。これが草だったら冬には寒さでほとんど枯れてしまうのでなんとかリカバリーできるのですが竹だけはいけません。ジャングル化した竹やぶは光を求めてものすごいスピードでどんどん周囲に拡大していくのです。

わが寺の竹やぶも例外ではありません。
永平寺東京別院の総料理長を退任した後、竹やぶをなんとかしなくては!と思い毎年少しづつ伐採したり整頓していたのですが、結局中途半端に対策したのではまたすぐに増殖してイタチごっことなり、根本的な解決には至りませんでした。
(続く)

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