大雪行政対応へのネット上の悪口

 

昨日のブログで紹介した道具ですが、別に私だけが雪かきマニアで各種揃えているわけではなく、雪国の当地ではどの家にも似たようなアイテムが揃っています。私は持っていませんが、エンジン式の除雪機を所有する家もたくさんあります。

先日の記事を見た都会の方は、「へー、雪国は大変だね」「用途によって道具を使い分けるってのは理解できたけど、まあうちではそこまで毎年降らないから全部揃える必要はないな」という感想を持った方がほとんどではないでしょうか。

その感想はごく当たり前の受け止め方だと思います。用具を買うには当然お金がかかりますし、それを夏の間保管しておくための物置小屋も必要ですし、壊れればまた買わなければいけません。
特にマンションやアパートでは雪かきスコップ一本でさえシーズンオフになれば置いておく場所に困りますから、滅多に雪がふらない地域に住む方ならそこまで備えておいても無駄が多すぎるだろう、と判断するのがごく当然だと思います。

ですよね。
何を言いたいのかといいますと、私は行政の雪対策も、各家庭の判断と基本的には同じ面があることを理解しなければいけないのではないか、と思うのです。

今回の大雪の直後、父が県内の都市部に出かけなくてはならず、私がネット上で都市部の道路状況を調べた際に、個人ブログやツイッターなどでよく見かけたのが、行政への不満や悪口でした。
中には、隔絶されてしまい命に関わるような事態に陥った地域もありますし、実際行政の初期対応が悪くて被害が拡大した面もあるでしょうから、不満を言いたくなる気持ちはよくわかりますし、被害に遭われた方や今もなお苦労している地域の方は本当に大変だろうと思います。

ただ正当な要望や意見と、単なるわがままな悪口や心ない誹謗は分けて考えないといけないと思います。

大震災の後もずっと言われてきたことですが、こうした予期せぬ大災害の場合に、たとえば通行止めなどの道路状況をわかりやすくまとめて表示する県のサイトを充実させるとか、孤立したお年寄りの家庭にどう対応するかとか、道路事情が悪い際に緊急車両の通行や児童の通学路をどうするかなど、行政が対策していくべき改善点はたくさんあると思います。
そうした要望を理知的に議論していくことは否定しませんし、ネット上でもどんどん声を上げたら良いと思います。

私が今回言っているのは、「朝起きたら家の前の道路が雪の山で、除雪されていない。なにやってんだ、行政!出勤できねーじゃねえか!」「役所にクレーム電話したけど誰も出ねー、この税金泥棒」みたいな声です。

そんなこと言われてもそりゃあいくらなんでも無理でしょ、と感じるツイートやブログをたくさん見かけました。対策バッチリの雪国でさえ、降った翌朝に自宅の目の前まで完全に除雪されていることなんてあり得ませんし、役場の職員さんだって自分の家から出られないのだから出勤できず、当然電話も出ることができないでしょう、土日でしたし。

除雪に関して言えば、業界人でないので他にもいろいろ事情があると思いますが、お檀家さんから聞いた話をざっと言えばこういうことです。
当地では、毎シーズン必ず雪が降るので、あらかじめ役所が土建業者などに依頼して、雪が降ったら各地区ごとに除雪するような約束ができています。当然お金の面での合意もできています。そうでなければ、除雪のための重機や人員を常に確保しておくことはできません。
ですから業者さんは雪が降らない時は通常の仕事を行いつつ、今日の夜から降りそうだ、となればすぐに対応できる体制をあらかじめ取っているのです。

もし「雪が降ったら電話するから、すぐに除雪車出動してね。ただし雪が一回も降らなかったらお金は払わないよ。あくまでも降った時だけの支払い対応でよろしく」みたいな依頼方法だとしたら、業者さんとしてもあるかないかわからない依頼のために、一台数百万円~一千万円もかかる高額な重機を購入したり、専門のオペレーター(運転手)を雇っておくわけないでしょう。そんなんじゃ重機の元が取れないのは誰でもわかります。

今回、群馬の県庁所在地である前橋では、記録が残る約120年の中で最高の積雪となり、これまでの観測最多記録は1945年の37センチで、今回倍近い72センチでした。今回は完全に想定外の積雪だったと言って良いでしょう。
同じ群馬でも、当地とは全く違い、北部以外は年に数回10センチ程度降るくらいで、南部はほとんど降りません。

例年ほとんど雪がふらない自治体で、常に充分な雪対策をとっておくというのは、先日のブログで紹介した各種の除雪道具を、各家庭がすべて揃えておこうとは思わないのと同じレベルの判断だと思うのです。
そりゃあ、対策してある方がして無いより良いに決まっていますが、他にも優先させるべき予算配分があるでしょうから、滅多に雪が降らない自治体で高額な除雪車を何十台も確保しておくことはできないでしょうし、かといって業者さんにシーズン委託するのは先述したとおり頻度や経費の面から難しいのだと思います。

もちろん、実際これだけ降ったのですから、今後は多少は大雪のために各自治体で対策を練っておく必要はあると思います。しかし今回より前にそれを想定しておけというのはさすがに無理があるように感じます。

今回、当地のような山間部の道路がしっかり除雪されていて、街中の除雪が不充分だったことに対して過度な悪口がネット上で見受けられました。まあ街中の方が人口が圧倒的に多いですし、交通の重要度も高いのはわかります。しかし説明したように、いくら文句や悪口をネットで書いても、すぐに除雪できる体制にないのですからどうにもならないのです。

こうした特殊な状況下で、自分の家の前の道路(幹線道路ならまだしも、枝道)がすぐに除雪されないからといって行政への文句や悪口をネットにアップするのはあまりにも悲しいことだと思いました。

当地からも重機を積んで街中へ応援に出た業者さんもいるようですし、PTAや育成会のボランティアで通学路や歩道の除雪も進み、各方面の努力により道路状況はだいぶ良くなってきたようです。
今後の改善に役立つ意見や要望はどんどん出し、見ていて不快になるような単なるわがままや的外れの批判は慎むべきだと今回感じました。

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Posted by 管理主宰者・典座和尚