丸太階段のDIY修理

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調理スタジオのすぐそばに、一段高くなった敷地に登るための階段があります。

これは10年ほど前、近くの杉の木を職人さんに切り倒してもらった時、その杉の丸太を利用して設置してもらったものです。当初は天然杉の高級な階段でしたが、10年経って風化が進み、修復が必要になってきました。
今の時期は雑草が枯れて階段の周囲に余計な根や草葉類がない上に、この後雪が降ると数ヶ月は作業不能になるため、何とか作業を秋の内に済ませたいと思っていました。

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杉の皮が付いていたはじめのころは良かったのですが、3年ほどで皮が剥げてくると今度は中の木自体が水を吸って徐々に腐ったり割れたりしてきます。そして冬期には地面が凍って霜柱が立ち、緩んできた丸太が持ち上がってきてぐらつくようになってしまいました。

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取り外してみると、表側からはわからなかった地面に接している側は腐ってひどい状態です。
やはり杉の丸太のままだと10年程度が限度のようです。

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どこかで別の杉の丸太を手に入れなければなあ、と考えていたところ、たまたまお檀家さんから不要な廃材があるけど使う?と言われていただいたのでありがたく使うことにしました。
廃材といっても、住宅の柱を寸法に切った際に出る切れ端の1m程度の新品角材と、太さがバラバラで角がきっちり四角になっていない2mの柱で、木としては良い状態です。どれも太さがまちまちなので、建築には使い道がないということで倉庫整理で出たものです。屋外で薪や何かを積んでおく際に下に土台として敷くのにどう?といただいたのですがちょうど良いタイミングでした。

前回は杉の丸太を生のまま使ったため腐りが早かったように思うので、今回は充分な防腐対策をします。
まずは防腐剤を二度塗りします。これは主に油のような成分で、水気をはじくようになります。

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さらにその上に塗料を二度塗りします。これで当面は水を完全にはじきます。

もちろん、このような処理をしたからといって木がいつまでも腐らないわけではありません。どれだけ持つのか全く予想がつきませんが、とりあえず丸太の10年とどちらが長く持つか実験する意味はあると思います。
境内のすみっこで、この階段を上がるのはほぼ私くらいです。もしお寺の主要な場所にある階段なら、もっとしっかりしたものをプロに作ってもらうべきですが、私用目的なので材料費ほぼゼロの自作で充分です。

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一番早く腐るのが、この横木を留めるためのクイです。杉の丸太の時も、クイだけは腐って折れてしまい、2回ほど交換したのですが、結構このクイが価格が高い割に数年しか持たないのです。
そこで今回は同じくいただいた短い廃材の先を自分で尖らせる加工をし、同じように防腐剤と塗料を重ね塗りしました。これで市販の防腐剤だけのクイと比べてどのくらい持つのか数年にわたり様子をみることにします。

作業時間にして4時間ほどで階段の交換が仕上がりました。
野性味あふれる丸太の時にくらべてスマートな見栄えになりましたが、あとはどのくらい耐久性があるのかどうか。丸太と比べると土留め部分の横木の上部が平らなので、雨の日に滑らないか少し心配でしたが、特に問題はありません。まああまり滑るようなら平らなので防滑資材を取り付けることもできます。

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