手間がかかって激しく面倒なので今では一般家庭ではあまり作られなくなった栗の渋皮煮ですが、自分で作ると市販の出来合い品とは格段の違いです。同じ手間がかかる品でも、たとえばたくあん漬けや梅干しなどのように都会のワンルームキッチンでは少々難しい料理とは異なり、少量でも作れますし特別な臭いもせず、広いスペースも不要です。
スーパーや八百屋さんで、ネットに入って30粒くらいまとめて売っている栗を入手し、10粒は栗ご飯に、20粒はこの渋皮煮にしてみてはいかがでしょうか。
上手に仕上がれば、お正月まで冷蔵庫で持ちます。
まずは栗の外側をむきます。栗の皮むきのための刃付ヘラも売られていますが、以外と昔の蝶型の缶切りが使いやすいです。缶切りの刃で栗に切れ込みを入れてむきます。もちろん小型ナイフや包丁でもオーケーです。
外皮の中には、面倒な「渋皮」が付いています。これをきっちりむくのは難しいのですが、渋皮煮の場合はあえてこれを残すことで独特の風味を出します。
まずは渋皮状態の栗に重曹をふります。
ボウルの中でよく混ぜ、栗に重曹をなじませるようにもみこみます。
するとこのように栗の皮から渋みとアクが抜け出てお湯が茶色く染まります。
このひと手間で、渋皮の渋みが独特の風味に変わり、完全にむかずに食べることができるようになるのです。
(続く)