事前準備_節分の豆を使った精進料理レシピ六品

節分の豆

間もなく2月3日、節分がやってきます。

各地の曹洞宗のお寺でも、福を招き魔や悪、煩悩を追い払う儀式として節分の法要が行われます。特に、箱根駅伝の鶴見中継所のすぐ近くにある、曹洞宗大本山總持寺では、石原裕次郎さんの墓所があるご縁から、大門軍団をはじめとする石原プロの皆さんが羽織姿で禅師様と豆まきをしている様子が毎年テレビで報道されています。私が典座(総料理長)を務めていた大本山永平寺東京別院でも、節分には麻布大観音の御前で壮大な御祈祷法要が行われていました。

曹洞宗では節分の法要は、願いごとを祈る「大般若祈祷(だいはんにゃきとう)」の形式を取る場合が多いです。大般若経六百巻を転読し、16大善神を始めとする諸仏諸菩薩に祈願します。法要にあたりみほとけさまに精進料理のお膳がお供えされますが、今回は節分の豆に因んだ、「節分豆ずくしのお供え精進料理」をご紹介してみようと思います。

「節分の豆を自分の年齢分だけ食べる」という俗習は今でもよく守られていますよね。しかしそうなると1袋買ってきてもだいぶ余るでしょう。また最近は投げた豆を拾うのは危険な場合もあり床に落ちた豆は衛生的な問題もあるとして、豆を小袋に詰めて配る寺社も増えているようです。頂いた豆をただそのまま食べるのも良いですが、せっかくなので飽きないようにいろいろな精進料理にアレンジして食べるのも良いと思います。豆はすぐには傷みませんから、節分の時期だけでなく一年を通じて活用できる献立案だと思います。

まず大豆について基礎知識を学びましょう。大豆は縄文遺跡からも出土するほど古いたべものです。栄養価が高く、植物性のタンパク質として良質で、肉や魚を使わない精進料理には欠かせない食材の一つです。最近は「ミラクルフード」などとも呼ばれます。

なお意外と知らない方も多いのですが、大豆をまだ熟していない状態で早く収穫したのが「枝豆」です。

収穫した大豆は乾燥状態ではまん丸です。通常は、そのままでは固くて食べることはできないため、水に一晩漬けてふやかして(戻して)から料理に利用します。すぐに使えるよう、戻した状態のレトルトパックや缶詰も販売されています。

節分では、そのままポリポリ食べることができるように蒸したり、から煎りしたりして加熱した大豆を使う場合がほとんどです。そのため、まん丸ではなく楕円型になっており、煎った豆の場合は少し焦げていたりもします。

今回紹介する一連の大豆料理は、基本的に大豆を水で戻した柔らかい状態のものを使います。ただし、節分の豆まきで入手した、そのままポリポリ食べることができる状態の大豆なら、水で戻さず固いまま使っても大丈夫です。その場合は固めのポリポリした食感の仕上がりになります。お好みに応じて使い分けて下さい。

なお、水で戻す場合のレシピ上の分量について、戻した状態の重さで表記します。

節分の豆まき大豆(写真は、から煎りされた大豆)乾燥状態20gをたっぷりの水に一晩ひたすと、

節分の豆を水で戻す

45gになります。一人分の料理一品分の場合はこの量で良いでしょう。

節分の豆を水で戻す

次に乾燥状態50gを水に漬けると

節分の豆を水で戻す

110gになります。2~3品作る場合はこの分量ですね。

節分の豆を水で戻す

最後に乾燥状態で100gの大豆を戻します。今回紹介する料理六品全てを作る場合や、大人数分作る場合向きです。

節分の豆を水で戻す

220gになりました。これは今回の実測なので、大豆の状況や大きさによって変わりますのであくまでも参考値として下さい。

節分の豆を水で戻す

乾いたままの状態とは全く違う感触と風味になります。ついつい、料理する前にパクパク食べてしまいがちですがぐっとこらえてガマンガマン。次回からこの水で戻した大豆を使って精進料理を作っていきます。

記事が気に入ったら是非SNSでアクションをお願いします☆