しめじご飯_基礎から_令和2年秋彼岸の精進料理お供え膳

しめじ炊き込みご飯

しめじ炊き込みご飯

精進料理の基礎調理を学ぶシリーズ

コロナ禍の中迎えた今年の秋彼岸、お墓参りに行くことができない方も多いことでしょう。そんなときはご自宅で精進料理を手作りし、仏壇にお供えして手を合わせて供養なさると良いと思います。
昨年の秋に続き、秋彼岸会のお供え膳シリーズは、精進料理調理の基礎を学べるよう、初心者向きのベーシック献立をセレクトしました。全く料理をしたことが無い方でも写真の通りに薦めていけばまず失敗しないと思います。是非挑戦して下さい。

第一回は主食のご飯もの、しめじたっぷりの秋らしい炊き込みご飯です。

昆布ダシのとり方

昆布10g、干し椎茸2枚を麦茶のボトルに入れて水1リットルをそそぎ、一晩おいて自然抽出させます。
ペットボトルの上側を切って代用しても良いでしょう。
昆布の種類は何でもよく、無理して高価なものを使う必要はありません。
今回の秋彼岸の精進料理膳で1リットルほどを使います。一日ごとに分けて一品ずつ料理する場合は、水の量を減らすと良いでしょう。
このダシは冷蔵庫に入れて2日くらい持ちます。

昆布ダシのとり方手順

昆布ダシのとり方手順

お米の研ぎ方

1 お米2合を計ります。
計量カップにもいろいろな種類があり、目盛をよく見て量を確認します。1合は180mlです。1カップは200mlのものが多いので、間違えないようにします。また炊飯器に付属する、1合用のカップはほとんどがすり切りで180mlなので写真のように目一杯フチまで入れて平らにすれば1合となります。ただし中には無洗米用などと称して1合ぴったりではないものもあるので、やはりしっかりと目盛を確認してください。
今回は2合炊くので下記のカップ2杯分を計量します。

お米の研ぎ方手順

2 同じ大きさのザルとボールを重ね合わせます。研ぐお米の量よりもかなり余裕のある大きさのものを使わないとお米がこぼれてしまいます。

お米の研ぎ方手順

3 まず第一回目の研ぎはかなり気を使う必要があります。大量の水を短時間で加え、さっとすすいですぐに研ぎ汁を取り替えます。

はじめてお米を浸水させる時には、米粒の表面に付着しているぬかの成分が水に一気に溶け出ます。そして同時にそのぬかの成分が、お米に急速に吸い込まれます。
つまり、この初回浸水状態で無用な時間がかかってしまうとぬかの成分がお米に染みこんでしまうのです。
そこで、この1回目~2回目くらいの浸水はなるべく手早く進めなければなりません。まず、集合住宅や浄水器などで水道の水があまり一度にたくさん吐出しない台所の場合は、水道から出る水を直接かけるとそれだけで貯まる時間がかかってしまいます。そのためまずボールや容器などに多めの水を貯めておき、それをザルに一気に流すようにして時間短縮を図ります。
業務用厨房などは水道管の径が太いため、水がたくさん出るので直接水を流しても問題ありませんが、それでも1升以上の大量のお米を研ぐ場合はそのようにします。

お米の研ぎ方手順

初回~2回目くらいまでは、研ぐというよりも軽くかき混ぜるだけですぐに水が白く濁ってきます。1回目は5秒くらい、2回目は10秒くらいでお米をざるごと持ち上げて水を取り替えます。

お米の研ぎ方手順

お米の研ぎ方手順

なおこの1回目の濃い研ぎ汁は無為に捨てることなく、あく抜きに使ったり、栄養価が高いため植物にあげたりして無駄にしないよう心がけます。

道元禅師は『典座教訓』にて、
「其の淘米の白水を取りても、亦虚しくは棄てざれ」(そのとうべいの はくすいを とりても またむなしくは すてざれ)と、命ある食材を無駄にせず使い切ることをお示しになっています。

お米の研ぎ方手順

4 多めの水による速やかな洗いを2~3度ほど繰り返して、軽く混ぜただけでは水がそれほど白くならなくなった後、本研ぎに入ります。
本研ぎでは、水の量はそれほど多くせず、お米よりも少し多いくらいの水で研ぎ、研ぎ汁が白くなってきたら取り替えて、三度くらい繰り返します。

第二の注意点として、お米をあまり力をかけすぎて研がないことです。
昔のお米は精米技術や乾燥などの状況が現在と異なったため、強くフチに押し付けるようにしてギュッゴシゴシと研ぎました。しかし今のお米は非常に精度の高い精米技術と機械乾燥が普及したことなどで、昔のように力を入れて研ぐとお米がすぐに割れて粉々になってしまいます。
そこでそれほど力をかけすぎず、手のひら全体でサラサラと混ぜながらお米どうしをこすり混ぜるようなイメージで、あまりざるのフチに押し付けないようにして研ぎます。
ザルを上げた時、底にお米のかけらがたくさん出るようでは力が強すぎます。

お米の研ぎ方手順

三度くらい繰り返し、研いでも水が白くならなくなったら研ぎ終えます。

お米の研ぎ方手順

5 水を切って、ザルのまま15~20分放置させます。この間にお米に水が吸い込まれます。この吸水時間が、ふっくら炊くための基礎条件です。急いでいてもこの時間は略してはいけません。吸水させないですぐ炊くと、最悪の場合生炊きになってしまうこともあります。
なお水を切らずに水に浸けたまま吸水させる方法もあります。

お米の研ぎ方手順

6 しめじ1株(150g)の根元を切り落とします。
たっぷり入れたい場合は200gくらいまでは増やせます。

しめじ炊き込みご飯手順

なるべく無駄が出ないように、ギリギリを切り落とします。

しめじ炊き込みご飯手順

さらにその周囲の細かい部分も切り落として使えるところは全て使います。

しめじ炊き込みご飯手順

繋がっている部分をざっとほぐしてバラバラにします。

しめじ炊き込みご飯手順

7 薄揚1枚を縦半分に切ります。

しめじ炊き込みご飯手順

幅3~5ミリくらいに切ります。

しめじ炊き込みご飯手順

8 人参の切れ端15gほどをみじん切りにします。
ご飯の色付け目的なので、無理して用意する必要はありません。またよほど古いものは皮をむきますが、新しければきれいに洗う程度で皮のままでかまいません。また形はみじん切りでなく、細切りでもいちょう切りでも問題ありません。

しめじ炊き込みご飯手順

まず薄切りにします。

しめじ炊き込みご飯手順

何枚かを重ねて、縦に細く切ります。

しめじ炊き込みご飯手順

しめじ炊き込みご飯手順

細長く切ったら横向きにして、細かく刻んでいきます。

しめじ炊き込みご飯手順

9 ザルにあげておいたお米を炊飯器の釜に移し、最初に用意した昆布と椎茸のダシを注ぎます。今回2合炊きますが、2合の水加減の目盛よりも1~2ミリほど少ないくらいまで注ぎます。それほど厳密でなくても大丈夫です。

10 酒大さじ2杯を加えます。
大さじ1杯は15mlなので、30mlです。
飲み残した日本酒でもかまいません。ただし塩が加えてある料理酒には注意して下さい。

11 しょうゆ大さじ1杯強を加えます。
濃い味が好きな方はさらに大さじ半分ほど加えても良いでしょう。

さきほど目盛から1~2ミリ減らしていましたが、酒としょうゆを加えたことで、水加減2合の目盛とほぼ同水位になったと思います。
気になる方はダシを加えてピッタリにしても良いですが少しくらいの誤差は、炊飯器が調整してくれるのでピッタリでなくても心配無用です。
今回の場合しめじからもだいぶ水分が出ますのでそれほどの誤差は気にする必要はありません。

12 6~8のしめじ、薄揚げ、人参を加えます。
具を入れる前に水加減を決めてから具を載せるという手順を間違えないようにします。具を入れてしまうと、水加減の基準がまったくわからなくなってしまうからです。
なお炊飯器の性能や釜の形状にもよりますが、一般的には炊き込みご飯を作る場合は写真のような3合釜の場合は2合までに留めないとうまく炊けません。
3合釜に3合のお米を入れて、さらに具も載せると釜の中でお米が対流するすきまが無くなってしまうからです。具の入れすぎにも注意が必要です。

しめじ炊き込みご飯手順

13 普通に炊飯スイッチを押して炊きます。炊き上がったらいつもより5分以上長く蒸らしてからフタを開け、釜の底の方からお米をひっくり返して具をまんべんなく混ぜ、またお米をほぐします。
あまり料理に慣れていない方は、釜の中でせずバットなどに全て出してから混ぜると良いでしょう。

しめじ炊き込みご飯手順

しめじ炊き込みご飯手順

しめじ炊き込みご飯

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