押し豆腐の利点と手順

◇なぜ押し豆腐にするか_その利点

豆腐に重しをかけて水気を抜くことを「豆腐の水抜き」または「押し豆腐」と呼びます。

精進料理では、豆腐の水を抜く手順がときどき用いられます。

豆腐は水気をたっぷり吸っているからこそ柔らかいわけです。お店で買った豆腐が水の入ったパックやビニールに入れてあるのは、移動の際に崩れにくくするためと、柔らかさを保つためです。水をどれくらい含んでいるかが豆腐の柔らかさや食感に影響する大きな要素なのです。

それを逆に考えて、豆腐の水気を上手に抜けば堅くすることができるというのがこの技術です。堅さを調整するのと同時に、味が圧縮されることで豆腐の風味を濃くする効果もあります。

また堅さだけでなく、たとえば豆腐をつぶして白あえにする際、豆腐をそのまま使ったのでは水っぽいあえしろになってしまいます。そこで水を抜いた豆腐を使うことで、味を濃くし、水気を抑えたあえしろに仕上げることができるのです。

またはけんちん汁のように、豆腐をから煎りして粒状に仕上げたい場合も、水っぽい豆腐を無理して炒めるよりもあらかじめ水気を抜いてから炒った方が効率よく調理できます。

ほとんどの場合、水抜きする場合は絹豆腐ではなく木綿豆腐を使います。

◇押し豆腐の方法と手順(レシピ)

一言で言えば豆腐に重しをかけて水気を押し出すだけなので、特別難しいことはありません。

一般的には、ふきんやクッキングペーパーで豆腐を包んで重しをかけるのですが、この方法は少量ならばまあ良いとしても、豆腐1丁くらいになると、豆腐から出る水の量も馬鹿にならないほど多くなります。するとふきんやクッキングペーパーでは吸収しきれず、水が周囲にダラーッと流れ出てきます。それに、2~3時間ほど豆腐を置いておくため、狭い調理台の上に水がしみ出てくると非常に邪魔になってしまい他の料理の効率が落ちてしまいます。

1 トレーを使って水分が流れ出ないように工夫する

そこでオススメしたいのは、まず一番下に、フチのあるトレー、あるいはお皿や鍋でも良いのでとにかく開口が広くてフチのある容器に豆腐を置く方法です。

これならば染み出た水が流れ出ることなくトレーの中に留まるし、トレーごと動かせるので調理台の上に載せておく必要はなく、ちゃぶ台なり、食卓なりに避難させておくこともできます。あるいは料理の前日におもしをかけたまま冷蔵庫に入れておくことも可能になります。びしょびしょのフキンをかたづけるよりはよほどスマートに押し豆腐を仕上げることができます。

2 豆腐の上にさらに一枚トレーか平らな板などを載せる

次に、上に載せる重しですが、豆腐の上に直接載せると不安定なので高確率で重しがひっくり返ってしまいます。そうなると豆腐もつぶれてしまいます。けんちん汁や煎り豆腐、白あえのようにつぶして使うなら別に困りませんが、形を残したい料理の場合もあります。

そこで、豆腐の上に、下部のトレーとは別のトレーをもう一枚載せて挟み込み、その上に重しを置くのです。こうすることで、重しの力の加わり方が広くなって安定し、重しがひっくり返ることなく、またきれいに力がかかって崩れずに水を抜くことができます。

できれば、下に使ったトレーよりも一回り小さいサイズのトレーを載せると、豆腐が薄くつぶれて上のトレーが沈んでも重なることがありません。

押し豆腐の下処理方法

あるいはまな板の予備があればまな板を使っても良いですが、豆腐1丁の上にまな板を載せると、かえってそれが不安定になってバランスを崩す原因になりかねません。豆腐2丁以上ならばまな板でも良いでしょう。

3 載せる重さに注意

載せる重しは、豆腐の重さの5~10倍ほどが必要です。5倍より少ないと載せる時間が長く必要になります。重くするほど早く水が抜けますが、そのかわり急激に重みがかかることで豆腐の形が壊れてしまう場合もあります。

なおこの方法の場合、トレーに貯まった水が気になると思いますが、一度抜けた水気が豆腐に戻ってしまうことも多少ありますが、よほど水分を減らしたい料理以外ならばそれはほとんど考慮しなくても大丈夫です。

押し豆腐の下処理方法

染み出した水気は、豆腐の味がします。もし豆腐の味噌汁など豆腐を用いて加熱する料理を作る際は、無駄にせず汁に加えてしまうと良いでしょう。

重しは台所にあるものならなんでもかまいません。少々横に長いのが難点ですが、2リットルのペットボトルに水をいっぱい入れてキャップを閉めて重しにするのが一例です。私は漬物に使う重しを利用しています。

4 重しを載せる時間

できれば3時間以上かけて水気をゆっくり滲み出させた方が良いです。特に、なるべく水気を減らしたい料理の場合は5~6時間ほど載せておくことをおすすめします。しかし調理時間にも制限がありますし、常温に豆腐を放置することは季節によっては衛生的に問題があります。

そのため重しをかける時間は、調理にとれる時間等とのかねあいになりますが、できれば最低でも1時間はかけたいところです。

5 通常の水抜き方法と、念入りに行う場合の方法

以上の点をまとめると、通常の料理に使うのであれば重しをセットして3時間以上で水抜きを終えることができます。

さらに、もう少し丁寧に2段階に分けて水抜きを行う方法もあります。豆腐の形を崩さず、できる限りの水をしっかり抜きたい場合は、はじめに比較的軽めの重しを載せて2時間以上おき、

押し豆腐の下処理方法

すると以下のようにある程度多めの水が抜けてきます。重しが軽いため、豆腐の形が特別くずれることもありません。

押し豆腐の下処理方法

押し豆腐の下処理方法

次に、一回目の水気をトレーから取り除き、2回目は重い重しを載せます。1回目である程度つぶれて形が安定しているため、重い重しを載せても崩れることがありません。1回目から重い重しを載せると豆腐が崩れてしまうこともあります。そして1回目の重しでは出し切れなかった水分もしっかり出すことができます。すでに書いたように、もし豆腐の形が崩れてもさしつかえない料理に使う場合は、1回目から重い重しを載せてもかまいません。

押し豆腐の下処理方法

するとこのように、残っていた水分が完全に出切ります。

押し豆腐の下処理方法

こうして2段階に分けて水抜きをした押し豆腐は、さまざまな料理に使うことができます。

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