ひな祭りに精進菜の花ちらし寿司

菜の花ちらし寿司_精進料理レシピ

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◇精進菜の花ちらし寿司の概要

3月3日はひな祭りですね。ひな祭りの行事食といえば菱餅、ひなあられ、白酒、はまぐりのお吸い物などがよく知られていますが、中でもちらし寿司は定番中の定番ですね。

なぜひな祭りにちらし寿司なのかについてはこれといった明確な理由はないのですが、古くからおすしは寿しと呼んでおめでたいハレの食とされ、普段あまり口にできない豪華な食材を盛り込んで美しく見た目も良い料理をこしらえて皆でひな祭りを祝う風習ができあがりました。

ひな祭りといえば女児の健やかな成長と幸せな良縁を願う行事です。そのためお寺にはひな祭りは直接関係なく、修行道場でも3月3日だからといって特別な献立を用意することはありません。しかし地方の一般寺院であればまた話は違ってきます。

たとえば幼くしてこの世を去った女の子のみたまに、手作りの散らし寿司をお供えしてあげようという優しい心をかたちに表すなら、エビや錦糸卵を使わない精進散らし寿司が最適です。ちらし寿司はお手他でもお彼岸やお祝いの席などでの精進料理としても良く用いられるハレの献立です。

今回はひな祭りに合わせて春の旬、菜の花をメイン食材としてみました。干し湯葉を使うことで彩りも華やかになるよう心がけると良いでしょう。手巻き寿司仕立てにしてもまた楽しめると思います。

海産物などの動物性食材を使わない分、炊飯の際に昆布を加えてコクを出し、また寿司酢を濃い目にして補うのがコツです。その際、あわせ酢を増やして味を濃くすると水気が多くなってしまい、水っぽくなってしまいがちなので粉末酢を使います。粉末酢ならば簡単に濃い味に仕上げることができます。また炊飯の際は少々水加減を少なめにし、具も汁気をしっかり切ってから混ぜるなど、全体的に水っぽくならないように気をつけて作るとよいでしょう。

◇精進菜の花ちらし寿司のレシピ手順と調理のポイント 

1 お米2合を研ぎ、ザルにあげて20分ほど吸水させ、炊飯器の釜に移します。目盛より少し少ないくらい(2~3ミリくらい)に水加減し、酒大さじ2を加え、昆布3gほどを載せて炊飯します。

菜の花ちらし寿司_精進料理レシピ

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2 干し湯葉をぬるま湯に10分ほど浸けて戻します。

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3 戻した乾燥板湯葉1枚(5g)を丸めて細切りにします。広げたまま切るよりもこうしてくるんと丸めて切る方がやりやすいです。生湯葉が入手できるならなお良いでしょう。

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切った湯葉は80度ほどのお湯に5分ほど浸けて柔らかくします。(乾し湯葉によっては、はじめに戻した時点で充分柔らかくなるものもあります。または生湯葉を使う場合はこの行程を略します)

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4 人参30gを厚さ1~2センチほどに切り、型抜きで抜いてから薄く切ります。今回はひな祭りということで見栄えも春らしくしようと桜の花型にしましたが、型抜きが無い場合や無駄を出したくない場合はいちょう切りや細切りなどで良いでしょう。

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5 菜の花150gを切ります。先端の方は3~5センチに切り、根元の堅い方は斜めに薄く切ります。

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6 4の人参と5の菜の花をゆでます。菜の花はゆですぎないように注意します。慣れた人なら同じ鍋で一緒にゆでても問題ないでしょう。

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7 別の鍋に水200ml、1で炊飯に使った昆布(炊きあがり後、ご飯粒をよく取り除いて)酒大さじ2、みりん大さじ1、しょうゆ小さじ1、塩小さじ1/2をひと煮立ちさせます。

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8 ある程度冷めた7を水気を切った3の湯葉と6の菜の花と人参に注ぎ、5~10分ほどなじませて下味をつけます。

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9 炊きあがった1のご飯、トレーや飯器などに広げ、粉末寿司酢大さじ2と1/2ほどをまぶします。粉末寿司酢のメーカーによって適量は変わりますが、お米2合に対して大さじ2程度が指定されている場合が多いです。魚介類を使わない精進ちらし寿司のため、大さじ半分ほど多めに調整して加えると良いでしょう。好みによっては大さじ3杯まで増やしても良いくらいです。味を見ながら加減して下さい。

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しゃもじを縦にしてご飯粒を切るようにしながら、うちわで扇いで余分な水分を飛ばします。この作業に手間取ると水っぽくなってしまうのでなるべく手早く粉末酢をかきまぜます。

あわせ酢を作って混ぜる方法も悪くありませんが、慣れないとどうしても寿司飯が水っぽくなってしまいがちなので初心者でも失敗しにくい粉末酢をオススメします。

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10 8の具の水気を良く切り、9に混ぜ合わせます。盛り付ける際に好みによって白胡麻適量をまぶします。

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11 8で下味をつけた汁を無駄にせずすまし汁として流用します。そのままでは少し濃いので、水100ml程度を加えて味を薄めます。味見しながら、必要ならしょうゆ少々を加えて調えます。

1で炊飯のダシとして使った昆布を細切りに、豆腐50gをさいの目切りに、庄内麩少々を加えました。具は一例で、手近にある物ならなんでもかまいません。とにかく下味で使った浸け汁を無駄にしないことが第一です。散らし寿司にはすまし汁が合いますが、味噌汁にしても良いでしょう。

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