パクチー生産農家を訪ねました

パクチー精進料理

パクチー!

最近とても注目されている食材です。

英語では「コリアンダー」、チャイニーズパセリと呼ばれることもあります。また中国で「香菜」と言うとおり、もう何よりもその個性的な香りが特徴な野菜です。

タイ料理のトムヤムクンなどに使われていますが、人によっては絶対無理!というくらい強烈なインパクトがありますよね。しかし、この独特の香りが逆にやみつきになる不思議な食材で、一度ハマったらもうパクチー無しではいられなくなる人も少なくありません。

古くは古代ギリシャやローマで、薬として用いられていたほど歴史の古い食材で、東南アジアや中南米などのエスニック料理で多用され、またインドではカレーのスパイスとしても用いられてきました。日本では平安時代には伝来したようです。

エスニック料理がわが国で流行したため、食材自体はずいぶん前から認知され、一般にも入手しやすくなりました。

しかしそのクセの強さから、和食ではあまり用いられることはありませんでした。確かに日本の食材と調和させるのは難しい面があり、精進料理でも伝統的献立にはほとんど登場しません。

ところが最近の研究で、パクチーには優れた「抗酸化作用」そして体内の不要物、特に重金属などの有害物質を排出させる「デトックス効果」があることが判明しました。

体内で酸化が進むと老化や疲労、アレルギーなどのマイナス作用がありますが、パクチーに含まれる成分が酸化を抑えてくれるのだそうです。

また現代人は意図せずに重金属などの有害物質を口にしています。それが体内に蓄積してさまざまな悪さをするわけですが、パクチーがそれを効果的に排出する手助けをしてくれるのだそうで、それらの効果は食品の中でダントツに高いとされる結果が発表されています。

そのため急激にパクチーが注目され、専門のお店ができるくらい流行しています。

そうなれば精進料理研究家の私としてはぜひ工夫してとりいれたく、もろもろ試してみました。

法事で古くからの農家のお施主さんにパクチーのことを話すと、なんと数年前から栽培しているというではないですか!おお、これはナイスタイミングとばかりに、無理を言って、食材をよく知るために生産現場にお邪魔して見学させていただきました。

諸事情を鑑みて現場のようすはあまり詳しく書けませんが、パクチーのことが大変よくわかりました。やはり現地で実際に見せてもらうのが、良い料理を作るためには一番の基本です。

パクチー生産農家取材

栽培はものすごく繊細で、収穫して数時間後にはひなびてしまうのでスピードと丁寧な扱いが一番で、汚れがつかないよう、また無用に触れないようにしていました。プロの手際の良さに脱帽です。やっかいなことに雑草がどんどん生えてくるのでそれを取り除く作業もまた大変で、ずっとしゃがんでいるので腰がつらいそうです。こうして苦労して生産されているのを目の当たりにすると、あらためて無駄にしてはいけないなあ、と食材のいのちの重みを感じました。

しばらくパクチー精進料理試作品シリーズを続けますのでお楽しみに!

パクチー

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