ドラマ花嵐の剣~感想

昨晩放映されたドラマ「花嵐の剣」中で、主役を演じた黒木メイサさんが墓地にお花を供えるシーンがありました。

昨年末に私がその墓石開眼法要を務めた際のことです。
中澤家一門のお若い女性が、私の精進料理書籍が欲しいとのことで持参すると、近々国際結婚なさって主に海外で暮らすため、和食の勉強をなさるのだとか。
ほほー、国際結婚ですかあ、と驚いていると、そのお相手の外国人男性も法要に参列しており、聞けばその方はなんとヨーロッパでフェイスブック社に勤務なさっているエンジニアさんだと!
いやーまさかこんな片田舎でフェイスブック社の重要人物と知り合えるなんてまったくの想定外です。
数日前に書いた通り、ちょうどフェイスブックをはじめたいと思っていたタイミングでのご縁に、これはもう単なる偶然ではないなあと思い、さっそく第一号のお友達申請をしていただき、私がフェイスブックをはじめる一つのきっかけとなったのでした・・・。なんというか、ものごとにはタイミングってものがありますからね・・・。今はイギリスにおられるそうで、遠い地での御健勝を祈っております。

中澤家墓石開眼法要

中澤家墓石開眼法要

さて、ドラマの方ですが、NHKの時代劇では珍しく、ワイヤーアクションを多用した動きの激しい殺陣も見どころでしたが、劇中終盤で法神流師範 中澤孫右衛門を演じた西村雅彦さんのセリフが、このドラマに隠された主意ではないかと感じました。

『法神流とは山と森で生まれ、里へと継がれて術となった。武士が競いあうためのものではなく、戦で利を得るためのものでもない。
ただ山を開き、田を耕し、そうして生きる者たちのための剣だ。
その極意とはただ一つ。人を知り、世間を知り、いのちを知ることだ。』

なんと味わい深いセリフでしょうか、また西村さんの人柄がにじみ出る語り方に感じ入りました。

このセリフを活かすために、わざわざ自然豊かな現地にて献花シーンを撮ったのだろうと思いますがいかがでしょうか。相手に勝つ負ける、強い弱いという目的で剣術を稽古するのではないという姿勢は禅の修行にも通じると思います。この自然豊かな地でこそできる修行や生き方があるのだと、あらためて再認識できました。

ちなみに女流剣士中澤琴女史の墓石には88歳と刻まれています。法神流の極意を得て、郷里でいのちとは何か、人とは何かを知ったからこそ、当時としてはかなりの長寿をまっとうできたのではないでしょうか。結果的には歴史の前面に出ることはありませんでしたが、おそらく郷里で幸せに過ごされたのでしょう。
ドラマで登場した坂本龍馬のように歴史の中心で活躍しながらも短命に終わるのも人生、表舞台から身を退いておだやかに充足した日々を送り子孫一族に敬われ語り継がれるのもまた人生、そこに優劣の差はありません。いかに自分が満足できるかが大事なのではないでしょうか。

中澤家墓石開眼法要

開眼法要後に、中澤家一門の女性たちが、琴さんのように強くたくましく生きたい、と墓石をなでなでしている様子を見て、きっと琴さんも一門の子孫の方々が各方面で活躍なさっている姿を見守っておられるのではないかと思いました。

ちなみに中澤家の地域では長寿な方が多く、みなさん軽く80歳越えで、100歳クラスも少なくありません。何か剣術の極意と関係があるのかも・・・

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