菜の花のおから炒め

平成28年春彼岸のお供え膳、まずご紹介する精進料理は旬を迎える菜の花を使ったおから炒めです。

菜の花のおから炒め

菜の花はお正月くらいから店頭に並び、春の香りを感じさせてくれますが、あまり早く出回るものは暖房を効かせて促成栽培したハウスものが多く、値段が高いわりに今ひとつ元気がないものが多いのですが、この時期になると自然に育ったみずみずしく勢いがある菜の花が流通し、お値段も手頃になってくる上に栄養価も充実してくるので、春のお彼岸お供え膳にぜひ加えたい食材です。

おから炒めは別名「卯の花炒め」ともいいます。

豆腐を作る際に出る大豆の絞りかす、つまり「から」なのでおからというわけですが、からっぽだと縁起が悪いので昔の人がいろいろ言い換えたため別名が多いのです。たとえばすり鉢なども、お金をすってしまうことにつながるからと逆の意味の「あたり鉢」に言い換えるのと同じですね。

主に関東方面ではおからが白いことにちなんで「卯の花」、関西では包丁で切らなくても良い食材なので「きらず」(感じで書くと雪花菜)と呼びます。

明確な使い分けではありませんが、料理人の間では食材の状態では「おから」と呼び、炒めたあとのできあがりを「卯の花」と呼ぶことが多いような気がします。(調理前の食材状態を卯の花とはあまり呼ばないですね)

昔は地域に1軒は豆腐屋さんがあり、豆腐を作る際に出るおからは安価で貴重な栄養源として重宝され、どの家でも定番料理でしたが昭和末期から平成にかけて食卓が欧米化し、また豆腐も工場で大量生産するパック品が主流になったこともあっておから料理はあまり作られなくなってきました。しかし最近は健康ブームにのってヘルシーなおからが再注目され、特に若い世代や健康に気を使う方の間でおから料理が人気です。ただ、一時期遠ざかっていた間に昔から伝えられてきたおから料理のノウハウが途絶えてしまい、現代風アレンジのものはよく見るのですが昔懐かしい素朴なおから料理をあまりみかけなくなってきたように思います。ご先祖様にお供えするお膳なので、ぜひ昔風に作ってみてください。もちろん自分で食べても体に良い上においしいですよ。

 

では作り方です。

1 干し椎茸2枚を水1カップ(200ml)に1時間以上浸けてダシをとります。

ダシを取った椎茸は細切りまたは小さいさいの目に切ります。

続いて、こんにゃく50g、にんじん15gをさいの目切り、または小さい乱切りにします。その他、季節によっては粒とうもろこし、ごぼう、レンコン、カボチャなどをお好みで加えても良いでしょう。

菜の花のおから炒め_調理手順

2 次に主役の菜の花70gを下処理します。

菜の花のおから炒め_調理手順

まず穂先の部分を切り、次に葉の部分を3センチくらいに刻みます。

菜の花のおから炒め_調理手順

茎の部分は斜めハス切り、あるいは輪切りでも良いです。

穂先、葉、茎と食感と火の通り具合が違うため、面倒でも3ブロックにわけて切り分けるのがポイントです。

菜の花のおから炒め_調理手順

3 1で用意した椎茸ダシ200ml、酒大さじ2、みりん大さじ1、さとう小さじ2、しょうゆ大さじ2、好みで甘辛にしたい方は一味唐辛子少々を小鍋に入れてひと煮立ちさせ、椎茸のアクをあらかたすくい、2分ほどで火をとめます。

菜の花のおから炒め_調理手順

用意した具材は3段階に分けて加熱するため、3つのボールにわけておくとよいでしょう。おからが固まっている場合は、手である程度ほぐしておきます。

菜の花のおから炒め_調理手順

4 フライパン、または鍋に油を敷き、まずコンニャク、人参、干し椎茸を中火で炒めます。特に人参に火が通るように気をつけないと食べた時堅い人参がまばらに口中に残ってイマイチの仕上がりになってしまいます。人参の他にも、堅い食材や火が通りにくい食材があればまずそれだけを先に炒め始めると良いでしょう。

菜の花のおから炒め_調理手順

5 続いて菜の花を加えます。できれば堅い茎を先にした方が良いのですが、まあこの時期の菜の花は柔らかいので一緒でも問題ないでしょう。

卯の花炒め_手順

6 菜の花に火が通り、しんなりしたらいよいよおから100gを加えます。

ここから先は、あまりこがさない方が良いので慣れない人は火を少し弱くして良いと思います。

卯の花炒め_手順

おからを加えたら、全体をよく混ぜるようにして炒めます。おからの余分な水分を飛ばすようなイメージで、焦げないように気をつけて加熱します。おからの水分を減らしてから味を加えることで、味をしみやすくすることができます。

卯の花炒め_手順

7 3のつゆを加えます。しっとりした仕上がりが嫌な方は、つゆを減らすとカリカリになります。ただし味も減ってしまいますが。

卯の花炒め_手順

あまり加熱しすぎると菜の花の色が悪くなってしまいますので、ころあいをみて火を止めます。

卯の花炒め_手順

おいしい卯の花炒めができました。口中でぱらっとほぐれるような食感と、おからの甘み、そして菜の花のほのかな苦みのバランスが絶妙です。

おからは足が速いので、冷蔵庫で2~3日以内に食べきるようにします。多めにつくって常備菜にする場合は、小分けにして冷凍するとよいでしょう。夏のお盆、または秋のお彼岸のお供え膳には、暑さでいたみやすいので、お下げしていただくにはあまりむかないため、まだそれほど気温が高くないこの時期のお供え膳にちょうど良い献立です。是非この春のお彼岸、亡き方の御仏膳にお供えして下さい。

卯の花炒め_春彼岸のお供え精進料理膳

 

卯の花炒め_春彼岸のお供え精進料理膳

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