平成28年春彼岸のお供え膳シリーズ紹介開始

女性医師が医療報酬を不正請求し、得たお金でホストクラブで豪遊していた詐欺事件が報道されています。これに対してテレビのワイドショー番組で、顔の知られた有名なコメンテーターがこんな発言をしました。

コメンテーターいわく、「お医者さんってこんなに遊んでいて仕事できんのか?」「テレビの演出家でもなんでも、普通は休みの時間でも努力してる。お医者さんって明日のために自分でも努力してるんですかね?」「お医者さんって年をとっても試験がないじゃない。そうすると努力してんのかね?」「俺はね、医者は努力してないと思う!」「たくさん薬出されて、それで診察が終わっちゃうことってあるじゃないですか。こんな楽な仕事ないと思う」

これに対して現役医師たちから反論が多く寄せられているようで、ネット上ではちょっとした話題になっています。

まあこのコメンテーターさんは普段から過激で突拍子もない発言が多いことで知られていますし、テレビですから注目を集めて話題性を高めるために、今回もわざとおかしなことを言った可能性もあります。

ホストクラブで高い酒を飲んで札束を出して支払いするシーンを流せば、「お医者さんってお金が儲かるし、自由な時間が多いし、楽だ」みたいな安直なイメージを持ちやすいでしょう。

しかし、(私を含めて)そんなに視聴者人のレベルって低いですかねえ?それはちょっと国民を馬鹿にしすぎではないでしょうか。

誰だって病院にお世話になる機会があると思います。大きな病院では、待合室でものすごく待たされて半日かかることはザラです。そんなときは、体調が悪いのに長時間待つ自分も確かに大変なのですが、お医者さんはもっと大変だろうなあ、といつも思います。朝9時の診察開始から午後1時過ぎまで、お茶休憩も無しでぶっ続けで診察し、対処間違いが無いように気を張り、もしかすると患者のウイルスから自分が感染する危険もあるわけですから、これは相当肉体的にも精神的にもつらいお仕事だということはちょっと考えればわかります。それに医学の進歩は早いため、治療方法や薬などの最新の知識を常に勉強しなければ追いつかないでしょうし。

今回の事件のように診療報酬詐欺に手を染め、ホストクラブに通うようなお医者さんも中にはいるでしょう。しかしそれで全てのお医者さんがそうだと思う方が(思わせる方が)おかしいのです。そしてそうしたステレオタイプの固定概念やイメージをテレビで流そうとする輩にはいつものことながら呆れてものもいえません。

たとえば教師、警察官、消防士、弁護士などなど、堅い職業と世間で認識されている人が事件を起こすと、同様のコメントが出ることがあります。もちろん、そうした職業では普通よりも高い倫理観や自制心が求められるため、他の職業よりも強い批判を受ける面もあるでしょう。ただ私が言いたいポイントはそこではありません。一部の人が起こした事件で、その業界全体がそうだと誤解したり、誤解させたりするようなことはいかがなものかということです。

僧侶やお寺業界もそうなのですよ。ときおり、法を犯したり、おかしなことをしてニュースに出る方もおられるのですが、それは何万人もいる僧侶の中でごく一部なのです。その他の、たくさんいる真面目にコツコツ頑張っている僧侶が大多数であることを見間違えないよう、正しく認識して欲しいものです。

もうすぐ春のお彼岸がはじまります。記事タイトルとだいぶ違う内容を長々と書いたのは、多くの僧侶、多くのお寺ではいつも通り、お彼岸には永年先師たちやご先祖様がたは続けてきた伝統を守り、真面目におつとめをいたします。当ブログでも、この春お薦めしたいお彼岸のお供え膳を紹介していきます。

閲覧者の皆様がおだやかで信心深く、この春のお彼岸を過ごしていただけることを祈っております。

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