秋なすがおいしい時期、まんまるの茄子が店頭に並びます。時期外れだと高額ですが、旬を迎える今は味も濃い上に栄養価も高く、その上お値段もお手頃となれば使わない手はありません。無理にぜいたくな食材を使うより、その方がご先祖様も子孫のしっかり者ぶりをみて安心するに違いないでしょう。
まずは丸茄子を切って、メインの筒状部分と上下に分けます。茄子の大きさにもよりますが、思い切ってお椀の深さくらい厚く切ると迫力満点です。
油の通りを良くするためと、見栄えを考えて皮をしましま状に削ぎます。包丁が苦手な人はピーラーでもできます。あまりまっすぐでなく、ちょっとまばらに削ぐ方が良い雰囲気が出ます。
こんなかんじです。
油を通りやすくするため、茄子の中心部分にペティナイフなど細い包丁を刺して十字の切れ込みを入れます。
160~170度くらいのあまり高温でない油でゆっくり素揚げします。ときおりひっくり返して両面素揚げします。もちろんヘタの部分もおいしいので、一緒に揚げて、お供えには使わず自分でいただきます。
このくらいこんがりと両面が色付いて串がスッと通るようになったら油から上げます。余熱でも少し火が通るので、あまり揚げすぎてもよくありません。
余分な油をクッキングペーパーで吸い、味噌汁を張ります。
汁はいわゆる味噌汁風にどっぷり注ぐのではなく、茄子の上部がある程度出るくらいの量に抑えると懐石風になります。
なお油で揚げた茄子には、コクがある八丁味噌や赤味噌がよく合います。
隠し味としてみりんを少々加えると良いでしょう。
今回はセロリの千切りと辛子を添えました。