精進料理とおかゆ3 手軽でおいしいおかゆ三品

 このところご紹介しておりました、朝日新聞土曜版(本日刊行)御覧頂けましたでしょうか。

今日は昨日解説したおかゆの作り方の基本をもとに、お好みでいろいろな具をまぜたおかゆのレシピを紹介します。なお分量はどれも1人分です。○カボチャのおかゆカボチャの旬は夏ですが、収穫したあとこの時期まで保管したものは甘みが増しておいしくなります。おかゆに甘みなんて合うの?と思う方も多いでしょう。まあ、普通はごま塩や漬け物など、塩っぱい味で食べることが多いと思いますので、そう思っても仕方ありません。しかし、このカボチャのおかゆを一度食べてみてください。柔らかく煮込んだカボチャが、口の中でホクホクとほぐれる食感が、おかゆの柔らかさと見事にマッチします。ポイントはカボチャをなるべく柔らかく煮ることと、煮汁も少々加えることです。カボチャの大きさは一口サイズにしておくと良いと思います。

また、カボチャにはいわゆる西洋カボチャと日本カボチャがありますが、西洋カボチャはもともと身が甘いので、その分煮る際の砂糖を減らして下さい。日本カボチャはあまり甘くないので砂糖を増やすと良いでしょう。


精進料理とおかゆ3 手軽でおいしいおかゆ三品

1 お米1/4カップ(45cc)をとぎ、水2カップ(360cc)

とともに炊飯器の釜に入れる。

2 30分以上水に漬けてから、おかゆモードで

炊飯器のスイッチを入れる。

3 カボチャ100gを一口大の大きさに切り、皮をむいて面取りする。

4 水150cc、酒50cc、みりん30cc、砂糖5ccくらい、

しょうゆ5ccで3のカボチャを煮る。煮汁がほぼなくなるまで弱火で

じっくり煮る。

5 カボチャを煮汁とともに炊きあがったおかゆに混ぜる。
○ほうれんそうのおかゆ

ほうれんそうはビタミンやミネラルが豊富で、体力が落ちる寒い冬に最適です。特にビタミンA,鉄分が豊富で、体調を整え、風邪の防止に効果があります。ちなみに、ほうれんそうは消化吸収が良く、また食物繊維が豊富で便通を良くするため、ヨーロッパでは「胃腸のほうき」と呼ばれています。胃腸にやさしいおかゆと組み合わせるのに最適です。

なお、ほうれん草をゆでる時間がない多忙な方には、風味や栄養分は落ちますがゆでてカットしたものが冷凍でも売られています。


精進料理とおかゆ3 手軽でおいしいおかゆ三品

1 お米1/4カップ(45cc)をとぎ、水2カップ(360cc)

とともに炊飯器の釜に入れる。

2 30分以上水に漬けてから、おかゆモードで

炊飯器のスイッチを入れる。

3 ほうれんそう1本を塩ゆでし、水にさらして冷やしてから

水気を絞り、食べやすい幅に切る。

4 できあがったおかゆに切ったほうれん草をほぐしながら混ぜる。
○キビのおかゆ

きびというのは桃太郎の「きび団子」で有名な雑穀です。一昔前まではきびなんて家畜の飼料くだいにしか使われていませんでしたが、近年雑穀の素朴な栄養素が見直され、にわかに注目を浴びています。大きめのスーパーのお米売り場に行くと、小袋で300~500円くらいで売っています。白米と比べ、およそ食物繊維3倍、カルシウム2倍、マグネシウム4倍、鉄分3倍、カリウム2倍の豊富な栄養素を含み、善玉コレステロールの値を高める効果もあるといわれます。また最近の研究では、環境ホルモンなどの有害物質を吸着して対外へ排出する力もあるとされています。

そんなキビのおかゆ、お米よりもコクがあってなんとなく懐かしい風味がします。キビは約2500年まえの弥生時代にはわが国で栽培されていたといわれ、飢饉に強いため長い間日本人の食を支えてきた穀物ですから、きっと私たちの祖先もおかゆにして食べていたと思われます。もしかしたらDNAに刻まれたそのふるい舌の記憶が、きびのおかゆを一層なつかしく思わせるのかもしれません。古代のロマンに想いをはせながら、栄養豊かなきびのおかゆを味わってください。


精進料理とおかゆ3 手軽でおいしいおかゆ三品

1 お米1/4カップ(45cc)をとぎ、水2カップ(360cc)

とともに炊飯器の釜に入れる。

2 きびを大型スプーンに3~5杯ほど加える。

3 30分以上水に漬けてから、おかゆモードで

炊飯器のスイッチを入れる。

☆きび100パーセントのおかゆをつくるのは、水加減が難しく、

炊飯器ではあまり上手に炊けませんので、ここではお米に

1~2割程度まぜる方法をご紹介しました。

また、上記の水の分量だと、きびの分が増えただけ濃い

おかゆになりますので、薄めのおかゆがお好みの方は

水を1/4カップほど増量してください。

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