精進料理とおかゆ2 失敗しないおかゆの炊き方

 昨日は話が脱線して失礼致しました。まだ現在もうまく更新情報が反映されないようです。しかしなぜかgooだけにはうまく送信できているようで、昨日の閲覧者数がいつもの3倍もあったことに関係しているのかも?またはRSSリーダーを利用している人が一度に閲覧したのか、理由は不明ですがなんにせよ大御所のブログピープルとヤフーにうまく反映されるまで試行錯誤してみます。

 さてお待たせしました。本題のおかゆの作り方に移ります。

まずここでは自分でおかゆを作ったことがない超初心者を対象にした失敗しない作り方をご説明します。

はじめに申し上げておきますが、こういう簡単な作り方を紹介すると、必ず「そんな手抜きでは精進料理とはいえない、本式の手間がかかる作り方でなければいけない」と言い出す方が出てきます。まあそのへんは個人の方針しだいなのでどちらが正しいのか決着をつけるつもりはありませんが、私の持論は、「まずは何でも良いから自分で作ってみること、そしてだんだんに慣れたら本格的な作り方にステップアップすればよい」という考え方です。

精進料理に限らず、たとえば坐禅にしても、はじめてお寺に来た一般の人にいきなり本式の坐禅を長々とさせたら・・・。普通はそういうことはせず、初心者には短い時間からはじめる方が良いでしょう。それと同じことです。

はじめから小難しいことをいうと、正直言って作る前から「あ、こりゃ無理だ」とあきらめてしまう方がほとんどです。もちろん、禅の道を志す修行者に対しては、甘やかさずに最初から本格的な指導を行うのですが、当ブログは精進料理の良さを一般の方に体験してもらうのが主旨です。時間があまりない方もおられるだろうし、料理が不得意だ、という方もいるでしょう。むしろ、日頃料理から遠ざかっているそうした方たちにこそ、今回ご紹介するおかゆを毎日の食生活に取り入れて欲しいと思っているのです。

さて、まずはお米を用意します。

小型の炊飯器を買うとだいたいおまけで付いてくる小さなプラスチックの計量カップを用意して下さい。ない場合は100円ショップで買っても良いし、あるいはペットボトルの上の方を切って作っても良いです。通常、お米用の1カップは満タンで180ml(180cc)入るようになっています。これを「一合」(いちごう)と言います。

お米一合でおよそ4人分のおかゆが作れます。ここではわかりやすく一人分を作ることにします。一人分であればカップ1/4の線のところまでお米を入れます。つまり180cc÷4=45cc分です。

次にそのお米を研ぎます。研ぐ場合に、炊飯器の中釜に直接入れて研ぐ人が多いようですが、そうすると長い間には釜の内側のコーティングがはげてしまいます。炊飯器は長い間使うものなので、できれば内釜ではなくボールなどを使って研ぐとよいでしょう。似た大きさのボールとざるがあれば、ボールの中にざるを重ねてとぐとお米をこぼさずに水切りができてなお良いでしょう。

お米のとぎかたは、はじめの2~3回くらいは水を一気にたくさん入れてササッと手で回すようにとぎ、すぐに濃いとぎ汁が出るので20秒ほどといだら一度とぎ汁を捨てます。(何か他の献立などに使う場合はとぎ汁をとっておきます)それを3回くらい繰り返すと、水を入れただけでは濃いとぎ汁が出なくなるので、そうしたら今度はゆっくり丁寧にとぐのです。

なぜかというと、乾燥した状態のお米は水を吸いやすいわけですが、最初に出る白くて濃いとぎ汁の中でノロノロとお米を研いでいると、ぬか臭さがお米に吸われてしまうのです。

それを防ぐために、最初の数回はササッととぎ水を取り替えるというわけです。

なお、お米を研ぐ場合、一升以上の大量のお米の場合は別ですが、一人分のおかゆ用の少しのお米をいつまでもガシガシといでいると、お米のかどが割れてこなごなになってしまいます。といだ水を捨てる時に、お米のかけらが多く出るようならそれは力の入れすぎです。

そんなに長くとがなくても大丈夫です。

ちなみに、ここまでの過程を略するのであれば「無洗米」を使うと良いでしょう。

無洗米ならとがないで炊けます。普通のお米よりも少々お値段が高いのですが、味はほとんど変わりません。むしろ、ヘタにといで栄養分を洗い流してしまうことがないので、栄養価は無洗米の方が良いといわれます。初心者は無難な無洗米からはじめると良いでしょう。

次にといだお米を炊飯器の内釜に移します。なお、よりおいしくおかゆを作るには土鍋などで炊く方が良いのですが、火力調整が難しく、ずっと見ていないと吹きこぼれたりするので、初心者の場合はとりあえず炊飯器をご利用ください。炊飯器ならばまず失敗なく炊くことができます。

そして水加減をします。この水加減によって、おかゆのできあがりが違ってきます。

米に対する水の割合によって、できあがった時の濃度が変わるわけですが、その分量と呼び方に厳密な定義があるわけではなく、人や本によってまちまちです。

私の場合は、

お米1に対し5倍の水で炊くおかゆを「全がゆ」(ぜんがゆ)といいます。

お米1に対し8倍の水で炊くおかゆを「七分粥」(しちぶがゆ)といいます。

お米1に対し10倍の水で炊くおかゆを「五分粥」(ごぶがゆ)」といいます。

なお参考までに、調理人が多く愛用する女子栄養大学出版部刊の『食品成分表』には七倍の水で炊くのが「全がゆ」12倍で炊くのが「五分がゆ」となっています。また、お米の何倍の水を使うか、という定義の仕方と、水加減をした時にお米と水との割合が何対何かという定義の仕方があるのですが、実際にはお米の何倍の水を使うか、で調理した方がわかりやすいのでここではその方法をお薦めします。


精進料理とおかゆ2 失敗しないおかゆの炊き方 

↑水5倍の「全粥」


精進料理とおかゆ2 失敗しないおかゆの炊き方 

↑水8倍の「七分粥」

お米の密度の違いがわかるでしょうか?

おかゆの濃さ=水加減はそれぞれの好みに応じて作れば良いのですが、ここでお薦めするのは七分粥です。 全がゆだとちょっと濃厚すぎて敬遠される場合があるので、サラッとしていて食べやすい七分粥をまずは作って見て下さい。

すなわち、さきほどの計量カップで1/4のお米を用意しましたので、カップ満タン2杯分の水を内釜に入れるわけです。

そして、ここがポイントなのですが、失敗しないためにはここまでを前の晩に行い、翌朝までお米を水に漬けておくことです。お米に水が浸みると、まず失敗せずにしかも早めに炊くことができます。これは炊飯器ではなく鍋で炊く時も同様です。

あるいは前晩ではなく、三〇分くらい漬けておくのでもかまいません。

そして炊飯器のスイッチを押すだけです。最近の炊飯器はおかゆモードがだいたいあるので、操作しておかゆモードで炊いて下さい。おかゆモードがない炊飯器の場合、すでにおかゆが炊けているのに、ご飯と同じ堅さになるまでいつまでも加熱を続ける場合がありますので、その場合は炊飯器から湯気がたくさん出たらふたを開けてみて、できあがっていれば手動でスイッチを切ってください。

なお、タイマーでおかゆを作る場合は、食べる時間をよく考えて、なるべく食べる時間に合わせて炊飯することが大事です。とくに一人分といった少量のおかゆの場合、炊きあがったら早く食べないと、炊飯器の保温熱が強すぎて、一時間くらいでおじやのような水を吸った状態になってしまいます。「人を待たせてもおかゆを待たせるな」という語があるとおり、できあがってから時間が経ってしまい、水を吸ったおかゆはおいしくありません。できたてのおいしいおかゆを食べるためには、炊きあがりから二〇分以内に茶碗によそるべきです。

さて、ここまで作り方を細かく解説しましたが、手順を要約して書くと以下の通りです。

1 お米を45cc(一合のカップ1/4)用意する。(一人分の場合)

2 お米を研ぐ。または無洗米を使うならばとぐ必要なし。

3 お米を内釜に入れ、8倍の水(一合のカップ2杯分)を入れる。

4 そのまま30分~一晩ひたしておく。

5 炊飯スイッチをおかゆモードにて入れる。

なお、私は毎朝おかゆを食べていますが、ここのところ愛用しているのはおかゆ専用炊飯器のこれです。↓

ふつうのおかゆならば通常の炊飯器と兼用で問題ありませんが、これはカラダによい玄米粥が簡単に炊けるため重宝しています。炊飯器のように直接内釜を熱する方式ではなく、内釜の外側に水を注ぎ、その水を加熱して間接的に炊くため、やさしい味のおかゆができあがるのが特徴です。

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たったこれだけの手順でおいしいおかゆができあがります。七草かゆも近いことですし、健康のため、毎日の朝食をおかゆにしてみませんか。おそらく年末から年始にかけて豪華な食事が続いた皆さんの胃腸にはかなり無理がかかっていると思われます。

しばらくカラダを休めるためにも、数日でも良いですから今日ご紹介したおかゆを実際に作ってみてください。きっとそのやさしい味にホッとされることでしょう。

明日から色々なおかゆのバリエーションを紹介します。

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