今日から春のお彼岸、「彼岸の入り」です。
昨年の3月はまだ平成だったので、令和元号に入ってから初の春彼岸になります。当ブログでは毎年春と秋のお彼岸、夏のお盆にはお供えの精進料理膳レシピを紹介しておりますが、今年は令和初の春彼岸ということでいつも以上に大がかりな料理を紹介しようと考えておりました。しかしながら新型コロナウイルスの世界的な流行拡大と国内感染者の増加に伴い、世の中の雰囲気は未だかつて経験したことがないような先行きが見えない状況となっております。各種学校が臨時休校となり、大人数が集まる集会や行事は自粛、地域によっては外出も思い通りにできません。お寺でも予定されていた多くの法要や行事が中止や延期、規模縮小となり、当方もここ数ヶ月依頼されていた精進料理教室や法話、講演等はことごとく中止となってしまいました。人生の最後を締めくくる大切な儀式であるご葬儀でさえも、通常通りには行いにくい地域もございます。
そんな中迎えました、この春のお彼岸。外出できずに自宅で過ごすことが多い状況下、こうした時こそ手の込んだ精進料理お供え膳を心を込めて作り、みほとけさまやご先祖様、亡き親しき方々にお供え頂く機会になるのではないかと思います。ちょうど今回の春彼岸は20日金曜日がお彼岸中日となる春分の日で、20日、21日、22日が金、土、日となり、行楽に出かけることができず在宅なさる方も多く、じっくり料理に取り組むにはふさわしい曜日配列ではないかと思います。
ただマスクやアルコール消毒薬等がほぼ手に入らない今、遠方のスーパーに大々的に買い出しに出かけることも難しい方も多い状況だと思います。そこで多くのの食材を用いる料理の紹介は取りやめて、少ない食材で調理できるシンプルな精進料理を今回ご紹介することに致しました。
それは「ぼたもち」です。
お彼岸といえばぼたもち、いうまでもなく日本の伝統ですね。お店に行けばお彼岸期間には一番目立つ場所にぼたもちが並べられています。お彼岸になるといつも購入したぼたもちをお仏壇にお供えしている、という方も多いことでしょう。しかし、実はまだ数十年前くらい前までは、都市部は別として、全国的に見ればぼたもちといえば買うものではなく手作りするのが当たり前の料理でした。ぼた餅作り名人がどこにでもおられたものです。
そこで今回はぼた餅を手作りするレシピと手順を紹介致します。ちょうどお子さんが休校でご在宅の方も多いと思いますが、親子でコネコネしてぼた餅を作り、お墓やお仏壇にお供えするというのもまた尊い貴重な供物になるでしょう。