日経誌記事掲載のお知らせと近況報告

今日はお彼岸の中日でしたが、当地ではあいにく朝から雨でした。お墓参りに難儀した方も多かったのではないでしょうか。

ご覧になった方も多いと思いますが、本日、『日本経済新聞』の朝刊週末別刷、「日経プラス1」の「家庭常識・折々の知恵」面に当方が登場しました。お彼岸ということで、おはぎの作り方・お墓参りの作法を中心に、お彼岸に是非作りたい精進料理の心とレシピを紹介しております。
そもそも取材の内容は、日経の記者さんが概要を考案し、当方にコンタクトを取ってくださったのですが、当初、私は「お墓参り」についてはあまり乗り気ではありませんでした。というのは、お墓参りの作法と一口に言っても、地域によっても宗派によっても、あるいはそのお寺の住職によっても、細かい点がまちまちで、統一的な作法というのは正直言って紹介しづらいのが現実です。また最近は、お墓の形も多種多様で、また墓地や霊園独自の規則も厳しくなっており、ますます「標準的なお参りの仕方」というのは語りにくい状況です。したがって、もし「お墓参りの手順は・・・コレコレこうである」と断定的に書いてしまうと、たちまち「えー、うちの方ではそんな風にしませんけど!!」というようなクレームが予想されるわけです。
そのため、「そういった誤解を受けるような??難しいジャンルは敬遠した方がいいのでは・・・」とちょっと弱気な私でした。

おはぎ

しかし、そこはやはり天下に名だたる日経さん、掲載するのが難しいからこそ、逆に読者のニーズもあるということで、難しいジャンルから逃げることなく、挑戦することになりました。その攻めの姿勢は非常に勉強になりました。
実は取材依頼を受けた時、当方のスケジュールがかなりきつく詰まっており、取材日程が取れそうもなかったため、はじめは電話取材でどうですか、と申し上げましたが、やはり直接会って生の声を聞かないと良い記事は書けない、という記者さんの強いプロ意識に感銘し、なんとかお互いに時間を調整して直接取材が実現しました。
せっかく遠方から来ていただく以上、精進料理のエッセンスを感じていただこうと思い、記者さんには秋の精進懐石フルコースを召し上がっていただきました。
口で色々と解説するよりも、まずは黙って食べていただくことが、精進料理を理解するのに一番良いと思いましたので。
短い取材時間でしたが、読者にわかりやすく、非常に上手に記事をまとめてくださった担当記者のFさんにあらためて謝意を表します。ありがとうございました。
日経新聞を購読されていない方は、機会ありましたら図書館や食堂などで?是非ご覧下さい。

さて、9月前半の当方の活動を簡単にご紹介します。

まず前半の1週間は北海道、函館のとあるお寺で大法要があり、料理係のお手伝いに行って参りました。お寺のすぐ前は函館の海。海のない群馬県人の私としてはその美しさに心が惹かれます。かなり大規模の法要だったため、忙しくてゆっくり海を見ている暇はありませんでした。いつも疲れるんですけど、最近のお手伝いの中では特別トップクラスの疲労でした。もちろんそれに比例して充実感で胸がいっぱいになりました。
飛行機が苦手な当方は新幹線+特急で北海道まで往復しました。群馬からだと時間的には飛行機とそれほど変わりません。

函館の海

そのまま福井県のお寺にとある法要のために移動。来年NHKの連続ドラマで舞台となる小浜市に2泊しました。

中旬は、秋田県秋田市、ノースアジア大学(前秋田経済法科大学)で開催された「日本体力医学会」にシンポジストとして招かれ、「日本の伝統的生活習慣と健康」という演題で講演を行って参りました。要するに、750年の伝統に基づく精進料理は、実は現代の科学の目で見ても非常に合理的で、健康に良い要素をたくさん含んでいる、という内容です。調理法にしても、精神的な面にしても、長い間修行僧の健康を支えてきた精進料理の智慧の中に、現代社会に生きる私たちが学ぶべき多くの点があるのです。
以前にも行ったことがある、パソコンのパワーポイントを使い、プロジェクターを利用してスクリーンに資料を投影しながら進める講演形式で、言葉だけではなかなか伝えにくい精進料理の世界を、視覚面からわかりやすく解説できたと思います。

学会看板

ただ、いつもはお檀家さんとか、いわゆるお寺に集まった方を対象として法話や講演を行っている私としては、学会という、いわば異世界の聴衆を相手にして話をするのははじめてで、ちょっと勝手が違ってなかなか話しにくい面もありました。(雰囲気を和ませようとして冗談を言っても会場の反応が寒く・・・「研究には笑いはいらんですよ!」というムードを感じました。せめて愛想笑いでも欲しかった・・。)
また、当日急に持ち時間が短くなり、最後は急ぎ脚になってしまったのも反省点です。
どんな相手を前にしても臨機応変に話ができるよう、話術の修行にもまだまだ精進が必要だなあ、と実感しました。

シンポジウムの様子
出演者討論

他にも古武術の先生が実演を行い、無駄がなく合理的な動きについての考察があったり、「歩く」ということはどういうことなのか、という研究発表があったりと、私としても非常に勉強になる内容でした。

余談ですが、学会というのはその会場の中で教室や講堂が細かく時間割され、同時にたくさんの研究発表が行われます。開催要項を見ると、やはり目を引いたのがメタボリックシンドロームに関する発表です。当方出演のシンポジウムの前に、同じ場所で行われていたのもメタボリック撲滅の研究でした。そんな中、メタボリックの悪い見本のような私が登壇するのは誠にお恥ずかしい限りでした。

そんなこんなで、9月は日本各地をあっちこっちと忙しく移動してあわただしく過ぎました。10月も研修や取材など予定が詰まっております。あまりブログ更新できそうにありませんが、健康第一でがんばりたいと思います。

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コメント

  1. おはぎおいしそうですねえ。80歳超える義祖母からおはぎの秘伝を教わる予定でしたが、体調不良とかでおじゃんに。

    日本の伝統に興味と和尚さん・・・一回話し聞きたいなあじっくりと。