学校給食従事者研修会の講師をつとめて

先日、「群馬県高崎市学校給食従事者研修会」という研修会に、講師として招かれ、「精進料理のこころ」と題した講演をおこないました。

講演会1

主催は高崎市教育委員会で、高崎市が管轄する公立学校(幼稚園、小中学校など)に勤務する栄養士さんや給食技士さんなどを対象とした、よりよい給食調理を目指しておこなっている研修会です。

おりしも、まさに講演会のその朝、海外製の冷凍インゲンから高濃度の毒物が検出され、味見した方が入院したとのニュースが流れ、「食に対する不安」が高まる中、「安全な食」を求める期待感の中、修行僧の健康を長きにわたり支えてきた精進料理の話ということもあり、広い会場を埋め尽くす約320人もの方が集まり、私の拙い話を熱心に聞いてくださいました。

前半は、2時間弱の講演。大型スクリーンを使用して資料や写真を映しながら、精進料理の基本的な知識、修行道場での精進料理や地元群馬の精進料理などの紹介を通じて、精進料理のこころと、正しき食に関する教えをお話しいたしました。

精進料理講演会

聞けば、この研修会は今回が第2回目だということです。
世の中の情勢が激変する中、今までは考えもしなかったようなさまざまな問題が発生しています。そんな状況に速やかに対応し、より充実した給食を実現しようという主旨で始められたとお聞きしました。

精進料理講演会

後半第2部には、代表者数名に壇上に上がっていただき、感想や質問、そして給食に対する想いなど、現場の生の声をお聞きすることができました。

ある方が「冬は寒く、夏は暑い厨房で、時間に追われながら調理するのは正直言ってつらく感じるときもあります。でも、私が作った給食を食べたこどもたちが、おいしかったよ!明日の給食はなあに?っていってくれるその笑顔が支えです」とおっしゃいました。

また、「原材料の高騰などにより、予算面から、思うように理想的な栄養価の献立が作れないときもありもどかしい」といった現場の悩みもリアルに伝わりました。

どの方も、給食に対して非常に真摯に取り組んでいるんだなあ、と率直に感じました。まさに、私が講演するまでもなく、精進料理のまごころを日々実践されておられる、と感じ、講師の私が逆にみなさんの姿勢に学ばせていただき、力をもらった気がしました。

こうした内容の濃い研修をおこなっている自治体は、まだまだ少ないのではないでしょうか。こどもの健康を支える大切な役目を負っている給食実務従事者に、安全面でも、倫理面でも、保護者はいま大きな期待を抱いていると思います。
きらきらした向上心を持った素晴らしい給食技士さん・栄養士さんがたくさんいる高崎市のこどもたちは幸せだなあ、と感じました。

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