お盆のお供え膳・カボチャのうま煮といんげんの田舎煮

今年のお盆お供え膳のラストはカボチャのうま煮とインゲンの田舎煮です。

インゲンの田舎煮
1 いんげん200gのヘタを取って実を食べやすい長さに切る。
2 昆布だし400ml、酒大さじ5、みりん大さじ2、砂糖小さじ1/2、しょうゆ大さじ2
を1とともに鍋に入れ、加熱する。
3 沸騰したらごく弱火に落とし、煮汁がポコポコ噴く程度にして落としぶたをのせ、
煮汁が半分程度に減るまで10~15分ほど煮る。
4 火を止めて半日ほど冷ます。
5 再度火をつけて加熱し、あたためてうつわに盛る。

この時期、15~20センチほどの大きないんげんが市場に出回ります。しかも200gで100~200円くらいの安価なお値段。大ぶりですが味はよく、煮物に向きます。
柔らかくなるまで加熱したら火を止めて完全に冷ますことで、しょうゆを吸って濃い茶色になります。一晩おくとよいのですが、気温が高いためあら熱が取れたら鍋ごと冷蔵庫に入れると良いでしょう。
冷ますとかなり汁気を吸うため、5で再加熱する際に煮汁がほとんどないようなら昆布だしを50ml程度加えて焦げないようにして暖めます。

最後はカボチャのうま煮です。
夏ならではの料理、お盆のお供えに最適だと思います。
ポイントは、煮崩れを恐れないこと。料理屋さんや仕出し弁当に入っているカボチャの煮物は、煮崩れないように早く火を止めるのですが、まあはっきり言って味が染みないし堅いしあまりおいしくありません。特に家庭用では、煮崩れても良いからホクホクに柔らかくなるまで煮るのがお薦めです。

なおこの料理、新刊書『はじめての精進料理』の一つめの料理として非常に詳しく料理手順とレシピを載せてあります。トップバッターですから、いわばこの本のコンセプトを表しているといっても過言ではありません。
ただ内部事情を言えば、レシピ本の冒頭に、少し煮崩れたカボチャの煮物を載せるってのはすごく勇気が必要です。まあ普通は見栄えを気にしてきれいに煮て写すわけですから。

しかしそこがこの本のメッセージなのです。つまらん見栄えよりも、よりおいしく素材を活かす調理法を全編にわたって紹介しています。
是非お手にとってご覧頂きたいと思います。

さて、今年のお盆の精進料理お供え膳について解説いたしました。どうぞ各家庭でよきお盆をお過ごしになることをお祈り申し上げます。

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