こごみの胡麻あえ

そろそろこごみが市場に出回ります。

先端がくるくるっと丸まっているため、山菜初心者は、ゼンマイやワラビとよく間違えがちですが、よく見るとまったく違うのですぐに見分けがつきます。
茎の部分に注目。こごみの茎は、円形でなくU字型というかかまぼこ形というか、ともかく特徴的な断面をしており、少し硬くてしっかりした茎です。

永平寺修行時代、台所係の時に典座老師(料理責任者の高僧)に命じられ、近くの山にこごみを採りに行ったことが懐かしく想い出されます。
ふだん朝から晩まで日があまり当たらない厨房にこもり、黙々と芋の皮をむいたり鍋をみがいたりする中で、陽が燦々と降り注ぐ山の中で山菜を採るのはものすごく開放的な気分を味わうことができ、正直いって良い気分転換になりました。
一株に数本のこごみが生えるのですが、一株まるごと採ってしまわず、まだ小さかったり、伸びすぎて食用に適さない物は無理に採ってしまわず、後のために残して採るように、と自然の恵みを貪りすぎないという山菜取りの基本もこのとき学びました。
半日山をウロウロすると大きなビニールが一杯になります。サンタクロースのように、ふくらんだビニール袋を背中にかついで台所に運んだのも良い想い出です。

自分で苦労して採ったからこそ、丁寧に、大切に、感謝して調理し、いただくことができました。

こごみはクセやアクが少なく、比較的どんな味付けにも適しています。
お薦めなのは胡麻あえか胡麻酢あえです。こごみ自体があっさりしているため、少し濃いめでコクを利かせたあえしろがよく合います。また、あえしろを少し多めにからめるとよいでしょう。

1 こごみ100gを食べやすい長さに切り、塩ゆでする。
2 小鍋で酒大さじ2,みりん大さじ1,砂糖小さじ1,薄口しょうゆ小さじ2,
昆布ダシ100mlを沸騰させ、くるみ20g、胡麻50mlとともにフードプロセッサー
にかける。味をみて、薄いようなら塩少々で調整する。
3 2で1をあえる。

※くるみがなければ胡麻だけでもかまいません。また、米酢を少し加えて胡麻酢
あえにしてもよいでしょう。

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