栗おこわ_実りの秋に

栗おこわ

○栗おこわの魅力と特徴

「おこわ」は、漢字では「お強」と書きます。硬いご飯の意味の「強飯(こわめし)」のくだけた呼び方がおこわで、いわゆる普通のお米、うるち米に比べて硬いかわりに甘みが強く、冷めてもおいしく、ある程度常温でも傷みにくく、屋外に持っていくことも多く炊いた後でも扱いやすい特徴を持っています。
赤飯もおこわの一種で、おめでたい日に頂く特別なご飯もの、という印象が強いと思います。もち米を何も具を加えずに食べることはあまりなくて、山菜や実などを加える場合が多いです。腹持ちがよいため精進料理でもよく使われ、お寺でも特別な日にいただくことが多いのがおこわです。

もち米はあまり強くとぐと割れやすいので気を付けて丁寧に研ぎます。

また炊飯器でも作れますが、やはりおこわは蒸すことでつやが出てとても美味しく仕上がります。蒸し器とふきんさえあれば、それほど難しいことはありません。今回は2合の量ですが、これが6合に増えても手順や分量は変わりません。ただしお米をある程度広げることができる大きさの蒸し器を使う必要があり、小さい蒸し器に多くのもち米を入れるとお米が深く厚くなってしまい、火が通りにくくなります、できるだけお米を広げる方が確実に仕上がりますが、どうしても多くの量を蒸す際は途中のほぐしと打ち水の回数を増やすことで対応できます。

栗の甘さを引き立てるために、もち米を浸ける際に塩を加えます。長い時間浸けておく間、水を吸ってしまうので多めの水に浸けておくのが通例ですが、あまり水が多いと塩が薄まってしまう(無駄に多くの塩を使うことになる)ため、お米から2センチくらい上のラインの水で良いでしょう。

また栗に黄色い鮮やかな色を付けるために、和食ではクチナシの実を使います。
大きめのスーパーの調味料コーナーで売っていますが、もし手に入らなければ色を付けなくても仕上がりは同じです。クチナシを煮出す水の量は今回栗を煮るだけなら200ml出たりますが、打ち水にもクチナシの煮汁を使うなら400mlにします。なおクチナシの実はあまり煮出しすぎると苦みが出るので、200mlの場合はクチナシの実1/2個または1/4個でも良いでしょう。苦みを消すために、栗自体は甘いので本来砂糖は不要ですが煮る際に砂糖を用います。クチナシを使わないなら砂糖を加えなくてもかまいません。

○栗おこわのレシピと調理手順

1 もち米2合を研ぎ、3センチくらい多い水にひたし、塩小さじ1強程度を加えて軽く混ぜ、5時間ほど浸けておきます。

栗おこわ調理手順

2 くちなしの実を1粒砕いて、木綿の布の切れ端に包みます。

栗おこわ調理手順

栗おこわ調理手順

風呂敷で包むような感じで包みます。

栗おこわ調理手順

2 2カップほどの水に1のくちなしを入れて鍋で加熱し、沸騰したら弱火に落として5分ほど煮だします。火を止めて包みを取りだして冷ましておきます。

栗おこわ調理手順

昨日紹介した、栗の下処理を終えた栗10個ほどを使います。浸けていた水を切っておきます。

栗おこわ調理手順

3 2のクチナシを煮出した黄色い汁を栗と一緒に鍋に入れ、酒大さじ2、砂糖小さじ1~2を加えて加熱し、沸騰したら弱火にして20分ほど煮て火を止め、そのままおいて色をなじませます。

栗おこわ調理手順

栗おこわ調理手順

栗おこわ調理手順

栗おこわ調理手順

4 大きめの木綿布を濡らして軽く絞り、沸騰した蒸し器に広げてセットします。

栗おこわ調理手順

1のもち米をさらしの上に広げます。この時、なるべくお米の厚みが薄い方が良く火が通るので、あまり小さい蒸し器でたくさんのもち米を蒸す際は火が通りにくいので2段に分けるなど注意が必要です。真ん中のあたりはお米を減らして蒸気が通るようにします。

栗おこわ調理手順

ふきんをかぶせて蒸し器のフタをしめ、強火で加熱します。

栗おこわ調理手順

5 だいたい10分ほどしたら一度フタをあけて3で色を付けた栗を加えます。
その際、まずはもち米に火が均一に通りやすいように、ふきんの上でもち米をひっくり返し(混ぜ)ます。

栗おこわ調理手順

ふきんはとても熱いので箸やトングなどで広げます。

栗おこわ調理手順

もち米を軽く混ぜてほぐします。

栗おこわ調理手順

6 栗を散りばめたら、追い水(打ち水)100mlほどをまぶします。しょっぱい仕上げが好きな方はこの水にも塩を小さじ1/2ほど混ぜてから注いでも良いのですが、はじめの5時間浸水の時点で塩を加えてありますのでここでは水だけで良いと思います。
なおお米まで黄色く仕上げたい場合はクチナシの煮汁をまぶします。
かけた水は蒸し器なので下に染みて落ちていきます。全体的にさっとかけ、あまり冷めないようになるべく早くフタをして加熱を続けます。

栗おこわ調理手順

栗おこわ調理手順

7 さらに10分蒸したら火をとめ、余熱で5分ほどおきます。
(時計はご飯を混ぜて栗を加える時間3分かかったので23分になっています)

栗おこわ調理手順

8 ふきんを広げて、うちわで仰ぎながら栗を割れないように混ぜかえしてできあがりです。好みで黒胡麻を振ります。
栗おこわ調理手順

栗おこわ

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