包丁を研ぐ際のポイント

研ぐ際の動作については前回解説した通りです。
はじめのうちはあまり細かいことは気にせず、とにかく包丁研ぎの動作を何度も繰り返して身につけ、安定して研げるように練習することが大事です。はじめはうまく研げなくてもあきらめずに何日も繰り返すうちに必ずできるようになります。

さて、中級者以上には必須の知識ですが、初心者でも理屈の上で理解しておくべきことがあります。


今回ご紹介しているのは、菜切り包丁、牛刀、万能包丁、ペティナイフなどの「両刃包丁」の研ぎ方です。両刃包丁というのはすでに解説したとおり、刃の左右両側を均等に研ぐのが基本です。
上の図でいえば1になりますが、まだ自分で自由に研ぎ具合を調整できないのですから、左右均等に研ぐというのは以外と初心者にとって難しいのです。

なお上級者は、両刃包丁なのにあえて2のように片刃包丁のように片側だけ(右ききの場合、包丁を構えた時に右側になる方)だけを研ぐことがあります。
これにより、両刃包丁の構造ですが刃先をきわめて鋭く研ぎ上げることができるのです。
ただし片刃仕上げにすると、たとえば大根など厚みのある野菜を上から下に切る時、包丁が斜めに進んでしまって大根が斜めに切れてしまいます。まあ刃先がそういう形になっていれば当然のことです。
厚い幅のものを切らず、大根の千切りなど薄いものだけを切るなら良いのですが、実際は厚いものも切るのでいくら刃先が鋭くなり、切れ味が良くなっても、それでは困ります。

そこで初心者は3のように、両面均等ではなく、7対3、または8対2など少しだけ片側を多めに研いで、片刃ぎみに仕上げるのが良いと思います。厚いものを多く切るなら6対4でも良いです。
どちらかを多めに研ぐつもりで仕上げるのは、両方均等に研ぐのに比べて簡単で、初心者にとっても
やりやすいはずです。

次第に研ぐことに慣れてきたら、両側の研ぎ具合が均等になるように練習してみましょう。

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