大雪被害お見舞いと当地の状況報告

先日の大雪、被害に遭われた方々に謹んでお見舞い申し上げます。


関東の中ではかなり多く雪が降るため雪には慣れている当地でも、今回の雪の量は久方ぶりでした。
子供の頃は毎年このくらい降っていた記憶がありますが、近年では最大の量だと思います。

先週末にまとまって降った雪を除雪して積んだ山の上にさらに積もり、境内は雪山だらけになりました。


駐車場部分は前回もしっかり除雪して地面が見えていたにもかかわらず、今回は写真奥に見える緑色の高さ1mくらいのフェンスの上端を隠すくらい積もりました。


今回の大雪は一夜にしてたくさん積もったことと、夜のうちに一度雨になったらしく、屋根に積もった雪が雨でゆるんで夜のうちに落ちていたのが特徴でした。通常の雪だと、朝の時点ではまだ屋根の雪間では落ちていません。
建物裏側には夜のうちに屋根から落ちた雪が重なり、灯油貯蔵タンクや暖房の室外機がうずまっているありさまでした。暖房が動かないと生死にかかわるためとりあえず雪山にお腹まで埋まりながら突き進んで室外機を発掘しました。


古い小屋の上には70センチ以上降り積もり、つぶれてしまうと困るので竹の棒で雪を落とします。


裏口の扉は雪のため内部からは開かない状態でした。写真では扉の1/4くらいが埋まって見えますが基礎の分が高くなっているので実際には地上から1m近い部分まで積もっています。


これは先日のブログに載せた、調理場のお地蔵様の写真。前回の雪ではまだかろうじて頭が出ている程度の降雪でした。


今回はこんな感じ。もう全て埋まってしまい真っ白です。もちろん前回きれいに除雪していたので、今回だけの雪で埋まってしまいました。ここは吹きさらしの斜面なので特に深く積もったようです。


スコップの柄がお腹くらいまであるのでだいたい1m20くらいでしょうか。なんとか掘りおこして救出いたしました。


寺への参道は手作業で除雪して腰上まである雪の壁の通路を苦労して作りました。


当日はとりあえず急いで済ませなくてはならない境内の除雪にかかりきりでしたが、翌日檀家さんの法事があり徒歩で道路に出てみるときれいに除雪されており、一時的に道脇に積んで退避してありました。後日この雪はトラックに積んで河原に移動させます。

この辺の対応は、雪国ならではの迅速さですね。
都会ではかなり混乱したようですが、当地では毎年それなりの雪が降るため、事前に自治体が除雪のための予算を組んであり、あらかじめどの地区はどの業者さんが担当、というような割り振りがなされています。今回のように事前に大雪の情報が出ると、夜中のうちに業者さんが大型の除雪車で作業を開始し、24時間体制で除雪してくれるのです。

特に公道では、自動車が何台か走ってしまうとタイヤで圧雪されてその部分はなかなかきれいに除雪ができなくなってしまいます。そのため降り始めからすぐに対応することで、こうして大雪でもきれいに除雪されるのです。もちろん業者さんも慣れたベテランオペレーターが高度なテクニックで重機を運転しますから、道路を傷つけずにきれいに除雪してくださります。
その昼夜を問わないご苦労に本当に感謝しています。

今回の大雪では、むしろ山を越えた市内の方がその後の道路状況は混乱し、この写真のようにアスファルトが見えているどころか、はじめの3日間程度は車どころか歩くのも埋まりながらやっと、という状況で、4日目くらいになんとか一車線分だけ除雪され、ようやく昨日くらいから通常通行できるようになり、高速道路はもちろん幹線道路が分断されて物流が滞り、お店からは品が消え、出勤することもできず、各種の被害が発生してしまいました。

市街地のお寺の住職に聞くと、ちょうど土日だったので法事もたくさん予定されていたそうですが、葬儀や法事がすべて延期や中止になってしまったそうです。
当寺でも日曜日にお檀家さんの法事が予定されており、延期もありうるだろうと心配しましたが、施主のご家族が大変な配慮とご苦労をなさり、一日かかって会場となるご自宅の庭や駐車場をきれいに除雪なさったおかげで、予定通り法事が行うことができました。
かなり離れた奥地のお墓にも行けるように必死で努力したようですが、さすがにお墓まではたどりつけなかったと悔しがっておられました。まあお墓はさすがにこの雪では無理ですが、それでもなんとかしようとなさるまごころは、故人へのとても良いご供養になったことと思います。

この状況で法事をしたからって偉ぶるな、と誤解なさらぬよう。
たとえば雪国では、除雪車を稼働させれば雪を仮置きする空地が必要ですし、どんなに注意して除雪してもどうしてもガードレールや道路や周囲の建造物が傷んだりすることもあります。住民皆がうちの土地には置くな、とか道路が削れた、とかささいなクレームを言いだしたらスムーズな除雪はできません。また雪国では大雪の際は自分の車が走れるかどうか、自己責任で判断をすることが大事です。無理して車で出て路上で動けなくなる放置車両がたくさんあると除雪が大幅に遅れてしまうからです。隣近所同士阿吽の呼吸で協力し合い、情報を交換して、もちろん応分の負担を分け合っているからこそ大きな混乱がなく過ごすことができるのだと思います。
法事を予定どおり行うことができたのはそうした心がけの一つの表れだと思うのです。

何を言いたいかといえば、結局毎年積雪している地域では住民一同が雪が降った際を想定して建物や用具などの備えがなされており、また個人の除雪スキルや経験値も高いため、こうした大雪にもなんとか対処できたのだと思うのです。自分ではどうしようもない面はやむを得ないにせよ、自分でできる範囲で協力して対処することで、結果的には地域をあげて混乱を抑えることができたと思います。

大震災の後、研修や講演などで何度もそうした提起を耳にしていましたが、やはり災害には平常時の備えが本当に大切だなあ、とあらためて実感しました。

ということで、また何年か後に同じ大雪が来た場合に備えて、次回はたくさん雪が降った場合の自分なりの対処法やコツを少し紹介したいと思います。

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