手作り梅の保存


バッチリ干し終えて太陽のパワーをたっぷり取り入れた魅惑の小粒となりました。


土用干しが終わった梅は、そのままでも食べることができます。
干したことにより外皮はほぼよい硬さで中は柔らか、コントラストがはっきりした逸品です。
すぐに食べる分はタッパに入れて保存します。

なお、少しだけしっとりさせたい場合は干した梅を梅酢に軽くくぐらせてから容器に移す人もいます。


私の場合は干した梅のほとんどを、ふたたび梅酢の瓶に戻して保存します。
これにより、せっかく干した梅にまた梅酢の水分が染みこむため、好みが分かれるところですが、何年も大量に常温保存するにはやはりこの方法が最も良いと思います。
乾いた梅が好みなら、食べる年に再び干せば良いのですから。

梅酢に漬けて保存することで、さらに味が深まります。1年ほど経つと塩がなじんでまろやかになり、また紫蘇を一緒に漬け込むことで赤い色も濃く仕上げることができます。
一年以上経つと梅酢がサラサラではなくトローっと濃くなってきます。


老師からいただいた梅は、壺に紫蘇を追加して赤色を濃くします。


今年漬けた梅です。フタには年度と梅の品種、分量、塩分の濃さなどを書いたラベルを貼っておきます。瓶に戻して一ヶ月くらいは、こまめにチェックしてカビが生えたり異常がないか点検します。
一ヶ月無事なら、その後は気温や湿気も下がるし、熟成されていくのでその後はいちいち目視する必要もなく、毛布を瓶の上にかぶせてほっておくだけで大丈夫です。


梅蔵の棚で保存します。上の段が梅干し、下の段が梅酒などの果実酒です。
1年経ったものから食べ始め、1~2瓶くらいは食べきらずに残しておきます。ワインと同じように、古くなった梅は独特の味が出てくるので料理の用途に応じて古い梅も必要になるからです。

震災の時に棚にあった梅はほとんど被災地の炊き出し用に送ったのでその時にいったん棚がほぼ空になり、その後また少しづつ余分に漬けてまた棚が一杯になってきました。
知人に譲ったり、講演などに招かれた際に参加者へのプレゼントに使ったりします。

売るほどあるな!と普通の方は思うでしょうが、たとえば100人分の精進料理を頼まれた場合はまとめてゴソッと減りますからこれくらいないと足りません。

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コメント

  1. 西脇 より:

    昨年、こちらのブログの梅作りを拝見して、来年は私も梅を手作りしてみたい!と丸一年熱望し、とうとう今年は梅を漬けることができました。
     ご住職のようにうまくはいきませんが、なんとか梅らしき形になってきて嬉しい限りです。

     一つ質問なのですが、梅を土用ぼしする際、梅酢は乾さないのでしょうか。ブログを信頼していないわけではないのですが、一応書店でまるごと一冊梅干し作りの事が書いてある書籍を購入して参考にしているのですが、その本には梅酢もビンごと乾すようにと書いてあるのです。ブログでは乾していないような写真うつりでした。

     うちは昨日から天気が良く、今日1回目の土用干しをしました。
    午後から曇ってしまい、早めにしまいました。
     今日は梅酢は乾しませんでしたが、ご指示いただけるとありがたいです。
     お忙しい中御無礼しました。

  2. 典座和尚(管理者) より:

    西脇様コメントありがとうございます。
    当ブログが、手作り梅干しをはじめるきっかけになったとのこと、嬉しく思います。

    ご質問の件ですが、私は梅酢は乾しません。
    以前私も他の人のやり方を参考にして半日ほど乾してみました。
    梅と紫蘇を取り出し、梅酢だけをビンに入れ、ラップでフタをして虫などが入らないようにして5時間ほど乾しました。

    すると梅酢が煮えてしまったというか、お湯状態になり、梅の良い香りが失われて、むしろ何か嫌な臭いが出るようになってしまったのです。それ以来、梅酢を乾すのはやめました。
    乾す事のメリットというのは殺菌効果だと思いますが、梅酢を乾さなくても、適宜殺菌しながら梅を漬けていけばカビることはほとんどないので、無理して乾さない方が良いと私は思っています。

    昔は今ほど暑くなかったので、梅酢を乾してもトラブルが起きにくかったのかもしれませんね。

    しかし私のやり方だけが唯一正しいわけではありません。西脇さまのお住まいの地域の気候はまた違うでしょうから、ご自分でいろいろ工夫してみるのも梅干し作りの楽しみのうちだと思います。

    今後ともよろしくお願い申し上げます。