エンジンからオイル漏れ(+_+) 自分で直せるか?!

精進料理の話題ばっかりで、料理に興味ないワシは読んでもつまらん。今回はそう感じておられる?!あなたのための記事、今回のお題は愛車トラブルです。

マンガでもアニメでも長い冒険や闘いに入る前は気分転換的なショートストーリーが入って息抜き回がありますね。この後春彼岸には当ブログも連日お供え精進料理の紹介に入りますので、その前のクッション記事ということで。そしてまたトラブルを書くと閲覧者数が増える、というのはブログ界の定説ですが、たまには主題と全く違うジャンルの記事を書いて、閲覧者数がどう変化するのか管理者としてはちょっとだけ興味があります。

◇同じ日本でこんなに違う交通インフラ

都会の方にとっての常識が、田舎では全く通じないというものは少なくありません。公共交通機関もその一つです。東京でバスに乗ると、だいたい先払い式ですよね。何区間乗っても定額という。しかし田舎では乗った分だけを降りる時に支払う方式で、バスの前の方に料金メーターみたいなのがあって、それが一区間ごとに更新されて上がっていくのです!一度の上げ幅が、タクシーのようにガンガン上がるのです!
しかも東京のバス停一区間はホントにそこから見えるくらいの間隔でバス停がありますが、田舎では数㎞先が当たり前。バス停を乗り越したら大変なのです。なおうちの寺に最寄りの新幹線駅からバスで来るとしたら片道およそ1500円!!くらいかかります。往復で3000円ですよ?。しかも一時間に1本あるかないか、路線によっては数時間に1本なので田舎では乗り遅れは即遅刻です。それに慣れた高校時代の私は、山手線が次から次へとホームに入ってくるのを見たときは夢の世界かと思いました。

ということで、田舎では車は贅沢品ではなく日常必需品です。車がないと仕事にもいけませんし病院にも買いものにも行けません。最寄りのコンビニまで徒歩で片道30分とか当たり前の世界ですので、都会の方の感覚ではちょっと理解してもらえないような現実があるのです。

高齢者の運転が問題になっていますが、代替交通手段がない、あってもとても頻繁に使える額ではないという状況下では簡単には結論が出せない、大変難しい大きな社会問題です。

◇大事な道具だからこそ日常のチェックを

車とどう向き合うかは人それぞれですが、私は車は実用的な道具だと思っています。多少の汚れや痛みは田舎では避けられません。山べりの墓地に行くときなどは舗装していない荒れ道もありますし、ガケ道や山道を通るお檀家さん宅もあります。精進料理デリバリーや料理教室を依頼されれば、鍋やうつわを山ほど荷台に積み込んで遠くの県まで移動します。ガンガン使い倒し、廃車までつきあいます。
少しくらいの無理がかかっても気にせず乗る分、ある程度の整備は自分でやります。特に冬タイヤに交換する作業は秋と春の定例行事で、家族分の数台のタイヤを半日かけて自分で取り替えます。

車は機械である以上、必ず傷みますし故障や劣化は避けることはできません。高価な買いものですが、一度買えば永遠、というものではないのです。道路は皆が共同で使うものですから、もし整備せずほったらかしの車で走っていたら、万が一の場合は自分だけでなく他の人の命まで危険が及ぶこともあります。最近の車は電子化が進んで、素人があまりいじらない方が良い場合もあるので、完全に修理業者さんにお任せしている方も増えていますが、やはり日常のチェックや簡単な整備は自分である程度の知識を持ち、日頃から気にすることが大事です。人間の身体と同じですね。正常な状態はどうで、どうなると病気になるのか意識的に気をつけていれば早めの発見・そして治療につながるわけです。

参考・国土交通省 日常点検

タイヤの空気圧やランプ類の球切れはこまめにチェックし、時にはボンネットを開けて各種液類が規定量に納まっているか・漏れていないか確認することが大事です。そして運転前にボンネットを確認することは、ネコが暖かいボンネット内に入って寝てしまったことを知らずにエンジンをかけ、駆動ベルトに挟まるなどの悲劇を避ける意味もあります。まあ当地の野良猫は野生的で人間を警戒していますからそんなのんびりしたことはまずないのですが、ペットのネコや人間に慣れたネコちゃんの多い地域では乗車時にボンネットをノックし、タイヤ下を覗いてあげるようにしましょう。

◇なぜ今回早期発見できたか

当地ではこの雪解けの時期、未舗装の道路がぐちゃぐちゃになります。わだちに大きな水たまりもできて、フロントガラスがすぐに汚れます。そのため補充用のウオッシャー液を大ボトルで買っておき、頻繁にボンネットを開けて自分で補充するのですが、今回10日ぶりくらいにボンネットを開けたところ、エンジンからオイルが漏れていることに気が付きました。驚くほど大量のオイルがだだ漏れしており、これはちょっとまずいレベルの大きな故障だ、と直感的にわかりました。

たまたま今回マメにボンネットを開けていたおかげで重症化する前に気が付くことができました。

日頃から異常がないかどうか気をつけて見るクセを持っていないと、せっかくボンネットを開けてもスルーしてしまうこともあるでしょう。しかしオイル漏れは早期に対処しないと大変なことになりかねません。たくさん漏れてエンジン内のオイルが必要量より少なくなってしまうと、エンジンの焼き付きもあり得ますし、漏れたオイルがエンジン内に付着し、夏期などで高温となりもし発火したら車両火災にもなりかねません。今回は早く気がついて良かった例です。

◇やむを得ず自分で修理することに

オイル漏れの修理となるとやはりプロにお願いするのが一番です。すぐに修理業者さんに相談しましたが、運悪く年度末で1週間以上待たないと空きがないという返答でした。まあお寺でもお盆の時期に飛び入りの法事を頼まれてもなかなか希望通りにはいかないので無理を言ってもどうにもならない事情は察することができます。

とりあえずネットで状況を調べてみると、やはり長年乗った車にはありがちな定番トラブルのようで、なぜ漏れているのか把握することができました。そして自分で修理した方による詳細な手順写真等がいくつかあり、これならまあなんとか私もできるかな、と判断して今回はやむをえず自分で対処することに致しました。まあ当地で車に1週間以上乗れないというのは死活問題ですから。ただしエンジンなどの修理はできればプロに依頼するのが良いと思います。当方の記事は自己修理を薦めるものではありません。

エンジン上部には、普通はあまり開けることがない「上ブタ」があります。エンジンの中にはオイルが循環しているので、できるなら完全密閉の構造の方が良いわけですが、メンテナンス等の都合でフタがある以上、どうしても本体とフタに継ぎ目が存在することとなります。その継ぎ目からオイルが染み出てこないように、特殊ゴムでできたパッキンがぐるっと継ぎ目に回っているのですが、エンジンは走行時には非常に高温になりますからゴムに負担がかかり、経年劣化でゴムが硬化し、弾性を失って場合によっては切れてしまうのだそうです。そうなるとそこからオイルが溢れてくるわけです。また天麩羅油などでわかるとおり油は冷えているときはドロッとしていますが温度が上がるとサラサラになり粘度が下がるため、余計漏れやすい状態になってしまいます。

運転の仕方が悪かったとか管理不足ということではなく、要するに製造してから何年も経った古い車なら発生する可能性があるトラブルです。この車の前に乗っていたのは10年以上、15万キロほど乗りましたが漏れなかったので、まあ運次第の面もあるようです。また新車のうちはあまり起きないはずですが、10年を目安に、マメに気にするようにした方が良いようです。

◇作業備忘録

自分の車を自分で整備することは、違法ではないことは確認済です。ただし完全自己責任となります。当方はプロでは無いため、当記事を参考にして分解する人が出てもいけないのでかいつまんで紹介します。

必要な部品は、ネットで注文すると翌日には届きました。ゴムパッキン自体は1000円ほどでした。

注1 戻せるように記録して作業を進める

いきなりエンジンのフタを開けるわけにもいかないので、まずは作業の邪魔になる大きなパーツを取り外します。元通りにできないとまずいのでしっかり記録しながら一つずつ取り外すことがポイントです。

注2 同車種でも年式などによって構造が違うこともある

上フタを開けると、まさにエンジンの内部が露出します。人間で言えば心臓を切って中に手を突っ込む手術のようなものです。他の方の記事とは、ボルトの位置やダクト等の配管など、細かい部分が違っていました。同じ車種でも年式によってマイナーチェンジしているようです。事前調査と違う部分に少しとまどいましたが、それでもフタを開けるところまではそう難しくなく、なんとかなりました。

しかし今まで数々の機械モノを分解した経験上、バラすまでは比較的簡単なのですがその先が問題です。もしここでお手上げになったら、「自分で読経しようと思って親族や取引先の関係者、近所の方を招いて法事を開式したものの、途中でやっぱりこのお経難しくて読めない!今から和尚さん呼んで交替するしかない!・・・」という状況だなこれは、などとくだらないことを考えながらヒヤヒヤしながら作業を進めました。

注3 エンジン内部に異物等入らないよう注意

オイルが垂れますので汚れても良い服装で、また下部に新聞紙を敷かないとコンクリートの床の場合浸みになってしまいます。そして開けているエンジン内部にもし万一異物やゴミ、虫などが入ったら重大トラブルにつながりますので注意が必要です。

◇エンジン内部に対面して感動

エンジンカバーパッキンの交換

これがエンジン内部です。水色のラインで囲んだ部分が、フタと本体との継ぎ目です。ここからオイルが染み出て漏れた跡がわかるでしょうか。

エンジン内部はとてもきれいでした。まさしく精密な工業製品の美、開けて自分の眼で見ることができて本当に良かったです。

ネットで事例を見た中には、オイル交換を怠った車はここにスラッジと呼ばれるオイルのカスが塊になって付着してしまうようで、そうなると自分ではもう対処できず車の寿命も長くは望めません。料理業界でも、業務用厨房にはグリストラップと呼ばれる油を溜めるドブがあり、その掃除でよく見かける油の塊が出てきたらどうしようと思っていましたが、この車は10万キロ以上走っていますが、きちんとオイル交換していたためまだまだエンジン自体は問題ないようです。今回自分でふたを開け、この内部の状態を見てみたかったという動機もありましたが大変満足しました。

◇タペットカバーパッキンゴムの交換

この継ぎ目のゴム、新品は柔らかくて弾性がありますが、古い方はまったく柔らかさがなく、溝に固着していました。外すのも一苦労です。外す段階で切れたのか、もともと切れていたのかわかりませんが右下の部分はちぎれていました。

台所で、あまり使わない食材の袋を輪ゴムで縛って保管しておくと、輪ゴムが劣化してちぎれてること、ありますよね。まさにそんな状態でした。継ぎ目にゴムを使っている以上、これは逃れることができないトラブルですね。

なお、予想通り、分解よりも取り付けて元に戻す作業が大変でした。他の方の記事だと「あとは元通りに組んで完了!」程度の説明が多かったのですが、現実は、フタが構造上ぶつかる部品があってなかなかかぶさらず、ゴムがずれないようになんとか戻すのに大変苦労しました。それから、ボルトをどのくらい締めるかの加減も大事です。あまり強く締めるとボルトがねじ切れてしまうので、やはり本当はプロにたのんだ方が良いと思います。

オイル交換して100kmくらい走行しましたが、今のところ漏れていないので修理大成功だと思います。

エンジンカバーパッキンの交換

なんとか元通りに組むことができ、最後に漏れたオイルの掃除です。漏れたオイルはエンジンルーム内に垂れているわけで、これをほっておくと夏期に高温となったエンジンの熱で発火したり、余計なゴミが付着したりしてよくありません。それに次回もし別の部分から漏れたとき、今回のオイル垂れを放置していたらどこから漏れたか判別しにくくなってしまいます。

エンジンルーム内の掃除は、水をかけてはいけない部分があるので注意が必要です。バッテリーやオルタネーター、ヒューズなどの電装部分はビニールをかけて防水します。エンジンそのものは、揮発性の高いブレーキクリーナーという強力スプレーで、油汚れごと噴射の力で吹き飛ばします。

そしてその他の部分にも専用クリーナーがあります。若かりし頃はそれらを買ってましたが、正直言ってお高いのです。コツさえつかめば、専用クリーナーでなくてもなんとかなるので、私は泡状のガラスクリーナー(建物の窓ガラスを掃除するときのスプレー!)と、台所用の油洗剤を使っています。(自己責任でどうぞ)

当地では冬の間、融雪のために塩素カルシウム剤が大量に道路にまかれます。ほっておくと下部がすぐに錆びだらけになるためこまめに水をかけて洗うのですが、下部を掃除するときは挟まれたりしないよう充分お気をつけ下さい。

↓写真はエンジンルーム内を地面に寝そべって車の下部から見上げた様子です。泡がついているのはオイルが貯まっているタンク部分の下側です。

オイル漏れの洗浄

◇スパークプラグの交換

エンジンのフタに至るまでには、色々な部品を外します。せっかく外したついでに、これまた奥の方にあって普段はやりにくいスパークプラグも交換することにしました。今まで装着していたのはイリジウムプラグという長寿命の高性能プラグでしたが、今回はノーマルのものにしました。値段は1/10です。体感的にはあまり変わらないような気がしますが、寿命がまったく違います。今回分解の手順を憶えたので次回は自分でも交換できますから、短寿命タイプでも良いのです。見てわかるとおり、左のプラグはもう焦げ焦げで交換間近でした。新しいプラグさんにも頑張ってもらおうと思います。

イリジウムプラグと通常プラグ

ということで、今回はたまたま諸事情により自分で修理することになりましたが、結果的にはエンジンの構造をよく知ることができ、修理スキルが一つUPしました。良い経験になりました。当地では車がないと本当に不便なのでその面でも助かりました。自分でやってみるとよりよく理解できるというのは料理でも車の整備でも同じですね。もちろん、近々車検の時期なので、プロによくチェックしてもらおうと思います。

皆様の無事故・交通安全を祈っております。

さて次回からは毎年恒例、とても注目度が高く、お彼岸・お盆の時期には典座ネットのサーバーにつながりにくくなるという?!春のお彼岸の精進料理お供え膳シリーズをご紹介しますのでお楽しみにどうぞ!

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