飛竜頭

飛竜頭

先日の蓮根挟み揚げで使ったつぶし豆腐つながりの献立紹介です。

飛竜頭(ひりゅうず)は、関東でいうところのがんもどきで、主に関西での呼びかたです。がんもどきといってもコロッケ型・小判型など形はいろいろですが、精進料理ではこのまん丸型のがんもどきは飛竜頭と呼ぶことが多いです。

もともとは、小麦粉と卵をあわせて油で揚げた食べ物を示すポルトガル語のfilhos(フィリョース)がわが国に伝わった際に、漢字をあてたのが飛竜頭です。直接漢字の意味と料理の内容に関連は薄いのですが、飛ぶ龍の頭にたとえるあたりがセンスの良さを感じます。そのため小麦粉や米粉を原料として油で揚げた食品を指す場合もありますが、のちに精進料理で豆腐をつぶして油で揚げたものを飛竜頭と呼ぶようになると、やがてそちらが主流となり、今ではすっかり定着してつぶした豆腐を揚げたもの=がんもどきを飛竜頭と呼ぶようになりました。

がんもどきは出来上がったものをお店で買うのが当たり前、と思っている方が多いでしょうが、自分でつくった出来たての味は格別です。サクサク感にあんのまろやかなとろみがベストマッチし、絶妙な食感を生み出します。

わざわざ材料を揃えるのでは無く、生では風味が落ちてしまった少し古めの豆腐や、崩れてしまった豆腐、また豆腐に加える具も残り物をうまく混ぜ込んで、食材を無駄にせず活用するのが本来の主旨です。是非一度試して欲しいと思います。

1 木綿豆腐200gをふきんで包み、1kgほどの重しをかけて2時間以上おいて水気を抜きます。途中、ふきんを絞るなどして水をしっかり切るようにします。

2 人参、ひじき、野菜の切れ端、ダシがらの椎茸、昆布など適量を細かく刻みます。

レンコン挟み揚げと同じ具と手順でもかまいませんが、できあがり後に煮汁で煮て味をつける場合は具を下煮して味をつけておく必要はありません。できあがりをそのまま食べる場合は、できれば下煮して味をつけた方が美味しく仕上がります

3 長芋30gの皮をむき、すりおろします。

4 3 1の豆腐をつぶし、2の具、3の長芋、片栗粉大さじ2、塩少々を加えて混ぜます。豆腐の水気がしっかりきれていないとベトっとしてうまくまとまりません。水気をしっかり切ることが成功のコツです。

片栗粉を減らし、長芋を増やすと柔らかい食感になりますが、その分油の中でほぐれて失敗しやすくなります。豆腐の水がしっかり切れておらず水っぽくなってしまった場合は、長芋を減らして片栗粉を増やすしかありませんがそうすると食感は堅くなってしまいます。

片栗粉の代わりに米粉を使うとサクッとした食感に仕上がります。

5 ピンポン球~卵くらいの大きさに丸め、170度の油で少し長めに揚げて中まで火を通します。

飛竜頭

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6 揚げたら2分ほどおいて余熱が中まで通るまで待ちます。待てない方はこの状態で食べても最高の風味です。

飛竜頭

7 小鍋に昆布ダシ150ml、酒大さじ1、みりん小さじ2,砂糖小さじ1、しょうゆ小さじ2~大さじ1を沸騰させ、片栗粉大さじ1を水大さじ1強で溶いて沸騰した鍋を混ぜながら少しずつ加え、強めのとろみをつけます。

今回は揚げたての飛竜頭のサクッとした食感を活かすためにとろみあんをかける調理法を紹介しましたが、好みで煮汁で煮て煮物として仕上げても美味しく仕上がります。

飛竜頭

8 盛り付けた飛竜頭に7をかけ、細切りの柚子皮を散らします。

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