寒い冬のトンネルもようやく出口が見え、地域によってはそろそろ桜のたよりも届いているようです。
暖かくなってくると菜の花が旬を迎え、値段がお手頃になり、反対に栄養価は高くなっていきます。里や原っぱに一面自生し、ちょうちょを招く風景が春を感じさせますね。そうした春の訪れを亡き方々にもお供えしてお伝えし、共有したいと思いませんか。
平成二十九年春彼岸のお供え精進料理膳、一品目の紹介は「菜の花の辛子酢味噌かけ」です。
それほど難しくありませんので、ぜひこのお彼岸中にお試し下さい。
1 菜の花150gを3~5㎝くらいに切ります。根元の堅い部分は別にして、斜めに薄く切ります。
2 沸騰したお湯に塩を少し加え、ゆでます。
3 ほぐしたしめじ30~50gも加えていっしょにゆでます。
4 ザルにあげてゆで汁を切ります。このゆで汁はしめじのダシが出ていて美味しいので味噌汁などに使うと良いでしょう。その場合ザルの下にボウルや鍋などを用意します。
5 別の小鍋で白みそ大さじ1強、みりん大さじ1、砂糖小さじ1/2、練りからし小さじ1~2を弱火で加熱し、よく溶き混ぜます。
鍋が大きすぎて少量だと混ぜにくい場合は傾けてガスがあたる部分を狭めると良いでしょう。(IHコンロの場合はそうはいかないですが)
みりんのアルコール分が蒸発するくらい加熱し、ほどよく混ざったら火を止めます。
6 火を止めたら米酢大さじ1を加えます。米酢は加熱するとせっかくの酸っぱさがとんでしまうので、火を止めてから混ぜるのです。なお今回は「辛子酢味噌」ですが、酢を加えなければ「辛子味噌」になります。酢を加えない場合はダシや酒などの水分を大さじ1ほど加えてあえしろの粘度を薄めます。
また普通の酢でも良いのですが、米酢の方がまろやかなので今回は米酢を使います。お好みで、辛子や酢、砂糖を増やすと良いでしょう。
すぐに食べない場合は辛子の辛さが時間と共に薄まってしまうため、その分増やすなどの工夫も自分次第です。
7 焼薄揚を用意します。薄揚1/2枚を熱したフライパンに乗せ、フライ返しで押しつけて焼き目を付けます。
裏側も同様に熱します。初めての方は、少し早めにめくって確認します。早ければ再度押し当てれば良いので心配なら何度か確認して下さい。裏側の方がすでに暖まっている分早く焦げ目がつくので焦がしすぎにご注意下さい。
8 焼いた薄揚を縦に半分に切ってさらに細く刻みます。
薄揚を焼くことで、パリッとした食感と香ばしい風味が加わります。
8 6のあえしろのうち半分程度で水気を切った具をよくあえ、盛り付けたら残りのあえしろを上にかけます。