金時豆の炊き込みご飯

金時豆の炊き込みご飯レシピ

お彼岸お供え膳2品目は「金時豆の炊き込みご飯」です。

金時豆はいんげん豆の一種で、大粒で赤紫の美しくツルッとした光沢が魅力的です。平安時代に酒呑童子を倒したことでしられる坂田金時(金太郎)の肌が赤かったことから(あるいは褌や前掛けが赤かった)ことから、赤い豆にちなんでこう呼ぶそうです。

今回は北海道産の大正金時豆を使いました。

古来お彼岸などの仏事では小豆や金時豆などの赤い豆を用いた料理を神仏にお供えし、お裾分けをいただく習慣がありました。これは赤色が魔を払い福を招くと信じられてきたからです。お彼岸におはぎやぼたもちを頂くようになったのもそうした考え方によるものです。同時に、こうした節目に保存が効いて栄養価が高い貴重な豆を頂くことで、栄養不足にならないよう配慮した古人の工夫だったのではないかと私は思います。

今回のレシピでは圧力鍋を使って豆を短時間で柔らかくしますが、圧力鍋が苦手な方は昔通りに時間をかけてコトコト豆を煮ても良いですし、また煮上がった状態で売られている市販の煮豆を利用しても良いでしょう。鍋で豆を煮るとなれば二日がかりの大仕事です。これが圧力鍋を利用することで大幅に短縮され、また簡単に仕上げることができます。前晩に加熱して、朝まで自然に冷ましておくと良いでしょう。なお豆を柔らかくしたいならば圧力鍋に入れる前に半日ほど多めの水に浸けてふやかしておくとなお柔らかく仕上がります。

1 金時豆1/2カップを堅いまま圧力鍋に入れ、水5カップを入れてきっちり鍋のフタを閉めます。

金時豆の炊き込みご飯レシピ

金時豆の炊き込みご飯レシピ

2 強火にかけ、蒸気圧力逃げ口から湯気が出てきたら弱火に落とします。この際、火加減が強いと鍋内の水が全て蒸発してしまい焦げて空だき状態になり危険です。かといって弱すぎては煮えないため、逃げ口から少しだけ湯気が出続ける程度のほどよい弱火にします。

金時豆の炊き込みご飯レシピ

上の写真は強火の際、下が弱火に落とした状態です。

金時豆の炊き込みご飯レシピ

金時豆の炊き込みご飯レシピ

蒸気が圧力逃げ口から吹き出てきたら弱火にします。

金時豆の炊き込みご飯レシピ

3 そのまま30分ほど加熱して火を止めます。柔らかめに仕上げたい場合や、豆の皮が堅かったり、古かったりする場合は少し長めに加熱します。今回は他のお供え料理にも流用するため少し堅めに仕上げたいので25分で火を止めました。その後さらに炊飯器の中で加熱されるので、炊飯前の豆の状態は少し柔らかいくらいがちょうど良いのです。

金時豆の炊き込みご飯レシピ

4 火を止めた直後は、圧力が高くてフタを開けることができません。できれば半日~3時間程度、早くても1時間以上おいて自然に冷まし、圧力が抜けてからフタをあけます。

圧力鍋を利用すると、豆の皮が破けたり崩れたりしにくいのでキレイに煮上がります。

金時豆の炊き込みご飯レシピ

5 お米1合半を研いでザルに20分ほどあげてから炊飯器の釜に移し、水を1合半の目盛まで入れ、酒大さじ2、しょうゆ小さじ2、塩少々を加えてから4の豆と細切りにした薄揚1枚、昆布3~5gを載せて炊飯します。

金時豆の炊き込みご飯レシピ

金時豆の炊き込みご飯レシピ

金時豆の炊き込みご飯レシピ

6 炊きあがったら長めに蒸らし、昆布を取り除いて具を混ぜてできあがりです。盛り付けたら好みで黒胡麻をまぶしてもよいでしょう。

金時豆の炊き込みご飯レシピ

金時豆の炊き込みご飯レシピ

豆から染み出た色がうっすらと桜色に染め、春らしいお供えのご飯ができあがりました。一応仏事なので赤飯ほどはっきりとした色をつけず、あくまでも豆から出た風味がつく程度に抑えます。

ホクホクと口中でほぐれる金時豆のおいしさがご飯とよく合います。豆の量や塩加減は好みで調整して下さい。

金時豆の炊き込みご飯レシピ

金時豆の炊き込みご飯レシピ

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