春のお彼岸お供え精進料理_桜まんじゅう

本日はお彼岸中日あけの連休ですので、遠方にお墓参りする方もおられるのではないでしょうか。お彼岸の中日はいつもお墓への道は混雑しますので、移動をあきらめてやむなくご自宅の仏壇でお参りを、という方も少なく無いと思います。

そんなときはせめて手作りの精進料理を仏前にお供えしてお彼岸の供養をなさってはいかがでしょうか。連休で時間がある方向けに、少し手間がかかる料理をご紹介します。

お彼岸のお供え精進料理_桜まんじゅう

お彼岸のお供え精進料理_桜まんじゅう

「タンサンまんじゅう」は「田舎まんじゅう」とも呼ばれ、特に農家では昔からよく作られてきた素朴で簡単な料理です。文字通り、「タンサン」をふくらし粉として加えて蒸したまんじゅうで、特別な材料や道具が不要なことから、田舎の庶民の楽しみとして長い間伝えられてきました。こうしたおまんじゅうをお店で買うのが当たり前になった現代、なつかしい味を手作りで再現し、ご先祖様にお供えすることが良い供養になります。

タンサンは1箱100円以下で、どこでも入手できます。あまり入れすぎると苦みが強くなってしまうのでご注意を。でもあの独特の苦みが、タンサンまんじゅうの魅力なんですよねえー。

今回は旬の「ふきのとう味噌」を具にしましたが、甘いのが好きな方はあんこを使っても良いでしょう。

作業工程はわかりやすいようにたくさん写真を使いましたが、実際には1時間ちょっとあればできあがります。そろそろ東京でも桜が開花するとか。午前中に作って、午後はこのおまんじゅうを持ってお散歩先でおやつとして食べ、近づきつつある春の風情を肌で感じるのも良いですね。もちろんお墓が近くにある方はお墓参りに持参してお供えすれば最高ですよ。

1 まずは中に入れる「ふきみそ」を作ります。

ふきのとう30gをざく切りにし、胡麻油小さじ2をフライパンに敷いて炒めます。

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2 油が回ったら、みりんおおさじ3、砂糖小さじ1を加えて弱火に落とし、混ぜたら味噌大さじ4を加えてこねます。

お彼岸のお供え精進料理_桜まんじゅう

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味噌大さじ4のうち、できれば半分は別の種類の味噌を加えると味に深みが出ます。今回は白みそ系大さじ2、信州味噌系大さじ2を使いました。お好みによりますが、あまりしょっぱい味噌は避けた方がバランス良く仕上がります。また砂糖の量は甘いのがお好みの方は増量してください。

お彼岸のお供え精進料理_桜まんじゅう

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このくらいトロトロになったら火を止めて自然に冷まします。熱いうちはトロトロで流動的ですが、冷めるとボッタリした感じでほどよく堅くなってまんじゅうの具として扱いやすい状態になります。

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3 小麦粉を計量します。120gで約4個分です。こうしたまんじゅう系粉もの料理の場合は正確に計ることがポイントです。

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4 小麦粉をふるいにかけます。小麦粉は保管している状態では思っているよりもダマだらけです。フルイにかけることでサラサラにします。

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左側のフルイの中の小麦粉(袋から出したままの状態)と、右側のフルイに欠けた後の状態をみればダマとサラサラ具合は一目瞭然です。

5 小麦粉大さじ2を別の容器などに移します。

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6 移した方ではない小麦粉に砂糖20g、重曹3gを加えてよく混ぜます。

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7 色粉をほんの少し、水50mlに溶かして小麦粉のボウルに加えます。

水で溶かしてから加えると赤色が均等に行き渡り、きれいなピンク色の品が良い仕上がりになります。逆に色粉を直接加えると、少しまばらな色付きに仕上がり、それもまた田舎風で良い感じです。どちらにするかはお好みで。色粉を入れすぎるとドギツイ赤になってしまうので、桜をイメージしたうっすらピンクに仕上げるには、割り箸の先にちょっと付着させる程度の少なすぎるのではと感じるくらいの方が良いです。

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8 色粉入りの水を加えたら、ボウルをゆするようにして水と粉を混ぜます。

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はじめから手やヘラなどで混ぜないで、まずボウルをゆすってある程度全体に水をからませるような感じで混ぜていき、これ以上ゆすってでは混ざらないほどになったら手でこねるとうまく混ざります。はじめからあまりコネコネしすぎるとグルテン化が進みネバネバになりすぎてまんじゅう型にしにくくなってしまいます。

また水の量が微妙な仕上がりに影響するので、少なすぎてもダメですが多すぎてもいけません。粉の状態によっては、どうしてもうまくまとまらないこともあるので、その場合小さじ1程度までは水を増量してもよいでしょう。

9 少しベトッとするような粘り具合にし、ラップを軽くかけて10分ほど寝かせます。

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10 生地とふき味噌をおおまかに4等分し、生地を薄くのばして、ふきみそを中にくるむようにしてまんじゅう型にします。

このとき、先ほど別に分けておいた小麦粉を打ち粉として使い、手にうすくまぶしてから生地を扱うと無駄に張り付くことがなく上手に作業ができます。

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のし棒やすりこぎ棒でうすく伸ばしても良いのですが、あまり薄くしすぎると皮の厚みが薄くなり、蒸す時にヒビが入ることがあります。生地を薄くするのと、厚くするのは食べた時の食感がかなり変わりますがどちらが良いというわけでは無くお好みの問題です。厚く作れば、生地と中のふき味噌のグッドバランスの調和を楽しむことができますが、大口でバクっと食べることになり、いわゆる田舎風の仕上がりです。薄く作ると和菓子屋さんのおまんじゅうのような上品な食感で、ふきみそがより強調される仕上がりになります。

まあ田舎風の炭酸まんじゅうの魅力を味わうため、また表面が割れにくいように、今回は無難に厚めの皮で作ってみて下さい。

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裏側はひねるようにして生地をまとめ、ギュッと押してくっつけます。

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表側を手のひらで丸めてまんじゅう型に調えます。

11 蒸し器の底に、はりつかないクッキングシートを敷き、蒸気が抜けるように適宜穴を開けておきます。これを敷かないとできあがった時に底がはりついてはがれてしまいます。

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12 蒸し器で10~13分ほど蒸します。はじめは強火で、蒸気が回ったら弱火にします。あまり強い蒸気で蒸すと急激に膨らみ、表面が割れる原因になります。またタンサン効果でふくらむため、隣との間隔をある程度あけて配置します。

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蒸し終わったら底がはがれないようにそっと蒸し器から出し、ある程度湯気がとぶまで待ちます。ワンポイントとして桜の葉の塩漬けを載せました。なければ無理に載せなくても良いです。

ふかしたての柔らかさは最高です。なるべく冷蔵庫に入れず、その日のうちに食べると柔らかくておいしいのですが、保存する場合はラップして冷蔵庫に入れれば4日ほどは大丈夫です。食べる際は再び蒸すのが良いですが、時間が無ければレンジでチンでも良いでしょう。

お彼岸の供養に、昔なつかしい優しい味のさくらまんじゅう、是非お供えして下さい。

お彼岸のお供え精進料理_桜まんじゅう

みてください、このふわふわの生地アップ。ほんのりピンク色が春を感じさせます。

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断面をみると、中央底部には生地の皮を集めてフタをした部分が厚くふくらむため具のふきみそがU字型になっています。あまりこうならないようにする方法もあるのですが、販売するわけでは無いですし、こうしたざっくりした仕上がりもまた田舎風の良さです。むしろこの底部の膨らみ部分がしっとりふわふわの蒸しパンのようで美味しいのです。

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こちらは色粉を水に溶かずに粉に直接混ぜた場合の仕上がり。すこしまだらな色づきが、田舎のざっくりした風情を感じさせます。

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