お盆のお供え膳・白玉ずんだ餅

白玉ずんだもち

今年のお盆お供え膳の最後は、「白玉ずんだ餅」です。


20年前には、「ずんだ」って何?とそこから解説する必要がありましたが、今では「ずんだスイーツ」とかいう洋風菓子のジャンルがあるくらいメジャーになっており、多くの方に認知されるようになっています。

「ずんだ」は枝豆を細かくつぶして作るあえしろのことです。

その由来はいろいろあるようですが、
1 伊達政宗が戦の時に陣太刀で枝豆を真っ二つにした故事があり、
→陣太刀→じんだち→ずんだ と変化した

2 仁太(じんた)という名の村人が伊達政宗に献上したから

3 包丁で食材を叩いて切ることを「打つ」と表現しますが、
「豆を打つ」→「豆打」(ずだ)→ずんだ と変化した

この3つが有名な説です。

1と2で伊達政宗公が登場することからもわかるとおり、東北地方の中央から南あたりにかけてとても古くから伝わる郷土料理で、かつての仙台藩のあたりでは特に現在でも大切にされています。

おそらく昔一般民衆が、酒でも飲みながらどうしてずんだというのかについてあれこれ語った中で、誰でも知っている郷土のヒーロー、伊達政宗公を引き合いに出して1と2のような由来が作られたのではないかと思いますが、個人的にはいくらなんでも陣太刀で豆を切るとか?どうして豆なのでしょうか・・・豆のようなちっさい粒でも寸止めでバッチリ切れるという刀の腕を見せるためなのでしょうか、気合いを入れるためならもっとでかいものをバッサリ切った方が良いような気がします。
小さい豆を寸分違わず太刀で両断するのはマンガやアニメではカッコイイシーンができると思いますが、それと料理が結びつくかなあ?
2については一農民が伊達公に献上するなどちょっと時代背景的にあり得ないと思います。

なお 享保18年に橘川房常氏が記した、伊達家の料理などをまとめた書物には枝豆をつぶした料理が載っており、これがずんだの原型とする説もあるため伊達家の名前が出るのもあながち遠くはないのかもしれません。

まあ3が妥当なのかもしれませんが、1と2も夢があるので無理にどれにするか決めない方が歴史浪漫があっていいのかもしれません。

いずれにせよ枝豆は夏のちょうどお盆の頃に旬を迎えるため、古来東北・関東北部ではお盆のお供え料理として好まれてきました。
今回は全国的に仏事でお供えされるお団子にずんだをあえた料理を紹介します。

観察力が鋭い方はすでにお気づきだと思いますが、今年のお供え膳の写真に使われている漆器は東北地方、特にかつての仙台藩のあたりの伝統漆器、「秀衡塗」のうつわです。

その地域で昔から食されてきた料理を、地元ではぐくまれてきた伝統のうつわに盛ってご先祖さまに供する。こうした郷土を大切にする趣向もまたお盆の時期にふさわしいと思いますがいかがでしょうか。

0811-02

1 小鍋で昆布だし大さじ5、みりん大さじ3、砂糖小さじ2~大さじ1をひと煮立ちさせる。
2 さやから取り出した枝豆120~150gと1をフードプロセッサーで撹拌する。
3 味を見て、塩を加える。
4 白玉粉150gに水130mlほどを加えてよくまぜ、こねて丸める。
5 沸騰させたお湯に4を入れて加熱し、浮いてきたら少しかき混ぜてザルにあげ、
冷水で冷やす。
6 水気を拭き取った5を3であえる。

フードプロセッサーがなければ、まず包丁で枝豆をなるべく細かく刻み、それをすりばちに入れてゴリゴリとすりあげます。その方が枝豆の小さい粒が残って、それはそれでまた懐かしい仕上がりになります。
加える砂糖はお好みで増やして下さい。おかずとしてというよりも献立の中でデザート的に位置づけたい方や、甘いのが好きな方はもちろん、少し長めに日持ちさせたい場合も砂糖を増やすと良いでしょう。
白玉を串に刺して団子風にアレンジしてもおもしろいでしょう。

白玉ずんだ餅

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コメント

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