新年の大掃除

年末にできなかった大掃除がようやく終わりました。

最も手間がかかるのが調理場です。平常時にもこまめに掃除をしていますが、年末には特に大がかりな清掃をします。ガスレンジ本体も全てどかして壁面からすべてのステンレス部分を磨きます。ガス台の下は気が付かないうちに意外と汚れているものですが、今回は10月にキレイにしたばかりなのでそれほど汚れていませんでした。

調理場の大掃除

最も手間がかかるのが換気扇の清掃で、最低でも年に二回は行います。

家庭用の換気扇だとフィルターを交換すれば良いものが多いのですが、業務用の換気扇はフィルターにあたる部分を取り外して清掃するようにできています。

業務用換気扇

ガスレンジを置く台の幅に応じてフードの大きさが決まりますが、うちの調理場は三枚式で、真ん中に大きな換気扇がついています。この換気扇が回ると油分を含んだ湯気が吸い込まれ、フィルター部分の細い隙間を空気が通る際に油分だけが付着する構造です。そのため、定期的にフィルター部を取り外して油分を清掃する必要があります。

ほっておくと油分が固着して清掃がとても大変になってしまいます。今年はお盆明けの後10月に掃除したことと、天麩羅仕事が少なかったのでそれほど汚れておらずこんな感じです。

台所大掃除

フィルター部分は二枚のステンレスが向かい合わせに組まれています。縦の格子状で、片方の空いた隙間の部分にもう片方がかぶさるようになっていて、かぶさった重なりの部分は薄いステンレスのために空気だけがうまく通り油分は格子に付着するようになっています。そのため外側だけでなくはがして油がたまった内部を掃除します。

業務用フィルターの清掃

クリーナーをスプレーして汚れを浮かし、スポンジで油分をこすり落とします。

業務用換気扇の掃除

細かい部分に油が固着しているため、ブラシなどでこすって磨きます。

 

 

業務用換気扇の清掃

熱湯でよくすすぎ、拭いて乾燥させて元に戻します。もちろんその間にフード本体の壁面も磨いておきます。

業務用換気扇の清掃

おわりました。まあ普通なら無理に正月早々掃除しなくても良いくらいにはきれいな台所ですが、まあ自分の気持ちの問題ですね。

普通なら年末にこのフィルター掃除を済ましてスッキリした気持ちで新年を迎えるわけですが、今回はじめてお正月にこの作業を行ったところ、意外と良い気分でした。どうしてだろうと考えてみたところ、この感覚は修行時代の掃除(作務)に似ていることに気付きました。

修行道場では、汚れているから掃除をするのではなく、たとえ全く汚れていなくても修行として掃除をします。たとえば禅師様の身の回りのお世話をしていた時などは、禅師様専用のお手洗い(トイレ)があるのですが、禅師様が公用で遠い寺に何泊も外出をしていて留守の場合、トイレを使うはずがないのだから汚れなんか全くないことはわかっていても、キッチリと入念に掃除をします。アホくさ、などと思う者はだれもおりません。禅の教えでは、掃除はいわゆる目の前のモノの汚れを落とすためにするのではないのです。また逆に言えば、世俗的にみたら汚れていても、禅の縁起の目で大きくみれば汚れというのはありません。そうした浄不浄を超えたところに修行としての掃除があるのです。まあちょっと難しいですかねー。

ところが一地方の寺で忙しい日々を送っていると、やはりどうしても汚れたからキレイにしなければ、という世俗の思考法に染まってしまいます。今度お客さんが来るから掃除しなければ、取材があるからきれいにしておこう、ここはまだ汚れてないから今度にしよう、と世俗ではごく当たり前のロジックに支配されます。汚れてないのに掃除してるような時間的余裕は住職一人の寺にはありませんから当然なのですが、年末の大掃除も、ともすれば同様で、年末だからお正月までに掃除しなければ、という義務感で掃除をするような一面がないでしょうか。

そこから解放されて、普通なら掃除しないような正月早々に、締め切りも義務感もなく没頭したことで、久しぶりに修行時代の掃除の空気を満喫することができました。

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