ぬか漬けのススメ 2

さっき、嫁姑の同居を題材にしたテレビドラマを見てました。そしたら、ぬか漬け!出てきましたよ、姑が、嫁に向かって「どうしてぬか漬け作らないの?買ってきた漬け物は高いでしょ、家で手作りした方が良いのよ」「でもお義母さん、ぬか漬けは臭いもするし子供たちは食べないし・・」なーんてやりとりをしてました。やっぱり、若い世代にはぬか漬けは敬遠されているんだと思います。しかし、前回も言いましたが、だまされたと思って一度作ってみて下さい。とっても簡単ですし、なによりおいしい、そしてドラマで姑さんが言っていたとおり経済的です。

さて、では具体的にぬか漬けの作り方をご紹介します。

まず必要なのは「煎りぬか1kg」「塩」「くず野菜」「ふた付きの桶(プラスチック製でも可)」です。

米を精米する際に米を削ったカスが「米ぬか」です。昔は、ひいきのお米屋さんにいえば無料でいただけたのですが、今は肥料などいろいろの用途に使えるため、よほど親しい関係でないと、お米屋さんもタダではくれないと思います。

○1 米ぬかが入手できた場合は、加熱したフライパンに油を引かないで米ぬかを入れ、木へらでから煎りします。このとき、焦げないように注意して混ぜて下さい。全体的に色がうっすらついたら火を止めます。これで「煎りぬか」ができます。煎るのは、殺菌効果と香りをよくするためです。

この手間を省くために、写真のような市販の「煎りぬか」を買うと良いでしょう。1kgで2~300円程度です。これなら、もう煎ってあるのではじめての方でも安心です。
市販の煎りぬか
なお、購入する際に気をつけてほしいのは、できれば何も混ぜていない煎りぬかを選んで欲しいのです。中には、昆布や唐辛子などが混ぜてあるものもありますが、それは中級者以上にお薦めします。はじめての方は、何も混ぜていない、ぬかだけのものを選んで下さい。(いろいろ混ぜてあるものは味も良いかわりに扱いが難しく、失敗する可能性があります。それに値段も高くなりますので)

また、写真ではホーロー製の桶を使っています。ホーローは衛生的で臭いも付かないのでお薦めです。この大きさで1200円くらいで買いました。しかし、初めての方は、無理に新しく買わなくても、プラスチック製の物でも良いし、家にある桶状のものなら100円ショップで買ったバケツとか、野沢菜漬けを買ったときに入っていた桶とかでも良いです。
漬けてみて、長く続けられるようなら、ホーロー製を買えば良いのです。飽きてしまう可能性もあるので、はじめは手元にあるものを利用しましょう。

○2 桶の内側に沸騰したお湯をかけて殺菌し、キレイなタオルで水気をふきます。木へらも同様にお湯をかけておきます。

○3 次に、鍋に水1リットル(1000ml、5カップ)を入れて沸騰させ、そこに塩170gを加えて溶かします。溶けたら火を止めて、自然に冷まします。塩は、精製塩ではなく天然のあら塩を使って下さい。
これ、一度沸騰させないといけません。これも殺菌のためです。ぬか漬けの最大の注意点は、殺菌、これにつきます。

ぬかを混ぜる

○4 さきほどの煎りぬかを桶に入れ、そこに3のさめた塩水を少しづつ入れ、木へらでよくかき混ぜます。水気が全体にいきわたるように、かき混ぜます。だいたい味噌くらいの柔らかさになるはずです。

くず野菜

○5 はじめの3日間は、漬けた野菜は食べることができません。(無理すれば食べれるかも・・)なので、くず野菜を用意します。大根やナス、ニンジンなどのヘタの部分、あるいはキャベツの外側の固い葉などがお薦めです。大根の葉のように、中でバラバラになりやすいものは避けます。
くず野菜は良く洗い、水気を拭き取っておきます。

野菜を埋める

○6 木へらでぬかを端に寄せ、空いた空間にくず野菜を入れ、木へらを使ってぬかを埋めます。

出演者討論

○7 フチについたぬかのカスをクッキングペーパーで拭き取り、フタをします。ハイ、今日はこれだけです。

○8 翌日、くず野菜を取り出し、ぬかを木へらでよーくかき混ぜて、再び別のくず野菜を入れ、7と同様にキレイにしてまたフタをしておきます。野菜を取り出すときは、ヘラでぬかを落とすようにします。野菜の水気は絞らないで下さい。フタをし忘れると、ハエが入ったりして不衛生ですし、カビの原因にもなりますので、必ずフタをしてください。フタがない容器の場合は、サランラップや新聞紙を輪ゴムでとめたりします。
この作業を3~4日繰り返します。はじめの3~4日は、忘れずに1日一度、ちゃんと野菜を交換してぬかを混ぜてください。この手順を守れば、初期段階にはカビは生えないはずです。

また、桶はあまり暑い場所に置かないでください。涼しい場所がない場合は、冷蔵庫の野菜室に入れるしかないですが、あまり涼しすぎると発酵しないので、ほどよい気温が必要です。
この後、ぬかが発酵しはじめます。その際、はじめの3日間くらいは変な臭いやクサイ臭いが目立ちますが、これは乳酸菌が育っている証拠。我慢してください。

どうしてはじめに入れたくず野菜は食べることができないかといいますと、はじめはかなりしょっぱく浸かるからです。塩を多めに入れることで、ぬかの中の雑菌を殺すのです。だから、塩を少なくしてはダメです。塩けは、くず野菜に染みこんで、だんだん良い感じになってきますので、はじめは殺菌の意味でこの塩の分量で良いのです。
それに、まだはじめはぬかが発酵していないので、野菜の味もおいしくありません。だんだん、乳酸菌が育ってくると、おいしくなるのです。
ですから、はじめは食べることができないので、くず野菜でよいのです。試しに食べてみても、あまり美味しくないと思います。

また、木へらでなく、手で混ぜても良いのですが、その場合よーく手を洗ってください。小さい桶の場合は、手で混ぜるより、木へらの方がたぶんうまく混ぜることができると思います。それに、手だとぬかが手についてどんどん減ってしまうので、木へらがいいと思います。

では、この状態で3~4日間経ったら、いよいよ本漬けに入ります。次回乞うご期待。

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