この秋行われた精進料理教室御報告~2

私が精進料理教室を引き受けた場合は、まず主催者と献立を相談して決定した後、原則として事前に一度食材を全て揃え、一旦自分で作って食材や調味料の分量を量り、できあがりの写真を撮影してレシピのプリントを作ります。よほど予算がない場合以外は、事前に作ったレシピを当日配布します。

料理教室はけっこうドタバタしますので、参加者がすべての手順を認識することは難しく、「こっちの皮をむいている間にあっちの料理の味付けが終わっていた」とか「私、あの料理のポイント見逃したわ」というような場面が多いので、レシピを配布して、あとで確認してもらうことが大切です。 また、レシピがあれば自宅でもう一度作るのも簡単ですから。繰り返しつくることが上達への近道です。
このレシピ作成がまた手間がかかるのですよ・・・。

↑ 精進料理教室配布レシピの一例です。

さて、この秋、群馬県第十六教区寺族会からの依頼を受けて精進料理実習と仏さまにお供えするお膳の作法についてお話しをさせていただきました。ひらたくいえばお寺のおかみさんたちが参加者です。仏さまにお供えのお膳を作るのは、今では多くの寺でおかみさん方が担当しています。しかし専門的な知識を勉強する場はなかなか少ないのが現状だと思います。そこで今回、寺族会の研修ということで仏さまへのお供えの作法を皆で勉強しました。お椀の名称からはじまり、お膳の並べ方の基本、そして法要の種類によってどうお膳の内容が変わるか、といった僧侶でもなかなか難しいような?内容となりました。

会場となったお寺は有名な古刹で、台所もとても広くてきれいで、使いやすく整頓されていました。掃除が行き届いた台所を見て、ひごろの奥さんの気遣いや人柄がよく伝わってきました。

↑胡麻豆腐を交替で練る参加者。大きな銅鍋は私が持参したものです。慣れない方対象で胡麻豆腐を作る場合、深い銅鍋を使うことが大切です。みなさん大きなヘラをかき回すのに苦労されたようで、「こんなに胡麻豆腐って大変なんだ・・・」と驚いていました。ある奥さんは「和尚さん方の台所修行の大変さがちょっとだけわかりました」と言っておられました。
永平寺門前街などのおみやげで有名な胡麻豆腐、自分で作ってみるとまた味も格別です。
みなさんできたての胡麻豆腐を喜んで試食していました。

さすが皆さんお寺のおかみさんだけあって、手際よく料理もすすみ、予定よりだいぶ早く仕上がりました。主食はちょうど秋にぴったりのキノコご飯です。副住職さんが苦労してむいてくれた、寺の境内で採れたおいしいぎんなんを最後に加えて舌鼓を打ちました。

まずはご本尊様にお膳をお供えする儀式を行い、その後お寺自慢の茶室にうるしのお膳をならべて会食です。まずは自分たちが力を合わせて作った料理をうやうやしく仏前にお供えし、そのお裾分けを自分たちもいただくという謙虚な姿勢が大切です。
参加者一同、美味しい料理をいただき、懇親を深めることができ、良い研修になったと思います。

そんなこんなで、ブログ更新の時間がなかったことをお詫び申し上げます。
12月も精進料理教室が数回、また料理撮影など忙しいスケジュールが続きます。
その他住職としてのつとめもありますので、なかなか更新できず申し訳ありません。秋に書いたシイタケのレシピも、写真は撮ってあるのですがもう季節外れになってしまいましたね・・・。
どうぞご勘弁下さい。

次回、もう一つだけ、非常にためになった講演がありましたので、ご紹介したいと思います。

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