朝日新聞土曜版be七月精進料理レシピ連載中

七月に入ってから、各地で豪雨による災害が起きております。
当地でも連日のように「大雨・雷警報(注意報)」が発令され、毎日雨が続いており、特に夜になると激しくなり、うっかり網戸にしておくと横なぐりの雨が入り込んで床がビショビショになるほどです。


今晩は雷がかなり激しく鳴っていました。もしかしたら停電するかもな・・と思いつつ、本当はこういうときはパソコンを使うべきではないのは重々承知していながら、締め切りが迫った原稿をなんとかせねばならないので机に向かっていると、やはりキてしまいました停電・・。
10分おきくらいにデータは保存していたのでそれほどひどい被害ではありませんでしたが、突然電源が落ちたパソコンを再起動するのがなかなかうまくいかず、結局一時間くらい無駄にしてしまいました。ああ、締め切りが・・。

さて、そんな感じで日々締め切りのストレスと闘いながら最近刊行された掲載物などをまとめてご紹介します。

○『曹洞宗 日常勤行 1分3分5分法話集成』(四季社)

これは一般書店には並ばないため、ほとんどの方が目にすることはない、いわば僧侶向けの専門書籍です。
曹洞宗で良く読まれるお経を一つ一つ取り上げ、「このお経を読んだ後はこんな説法をしてみてはどうでしょうか」というような感じで、いわゆる説法のモデル例を提示する書籍です。
もちろんこうした本を読まなくても、世の中の和尚さん方は自分なりの法話を日々なさっているのですが、やはり誰もがはじめからうまく話せるわけではありません。たとえば修行を終えて寺に帰り、はじめてお檀家さんに説法をする若い和尚さんたちは、こうした参考書に目を通して勉強することも必要だと思います。
シュチュエーションに合わせて、1分法話、3分法話、5分法話と長さが設定されており、時間がない場面でもちょっと1分法話を、というときにも役立ちます。実際には会場や火葬時間の関係などで時間が制限される場面も多いわけですが、ただお経を読んでおしまい、というのではなくわずか1分でも良いから心に響く和尚のことばがあると、読経・法要の意義がより深く重く参列者の心に届くと思います。

今回の書籍は、全国から選ばれた25人ほどの説法の精鋭!が各々数編の法話を寄稿する形で構成されております。私は9編担当しました。執筆するのも大変良い勉強になりましたが、他の方の法話例を拝読するのもこれまた最高の勉強になりました。

「おたくは精進料理やってる人だろ?」というような感じで初対面の方によく言われるのですが、まあもちろん精進料理が専門ですけども、あくまでも基本は和尚です。精進料理だけでなく、和尚としての本道である正統派説法の分野でも日々研究しております。高名な25人の中に(なぜか私が)選ばれただけで大変良いご縁を頂いたと思って感謝しています。

「こんな本は、和尚が陰で読むもので、一般には公開すべきでないのが暗黙の了解だろ、ブログで紹介するなんてけしからん」という考えの僧侶もいるでしょうね。しかしそうはいっても今の時代、この本も出版社の直販やアマゾンなどのネットで一般向けに売られているわけです。
隠しても意味はほとんどありません。
むしろ、「説法を聞きたいけど機会がない、なんとかして聞いてみたい」という、いわば心の救いを求めている方がいるならば、自分で買って読んでみるのも一つの方法だと思うのです。そりゃあ和尚が実際に話しているのを聞く方がはるかに良いですけどね、それが時間的・地理的等の理由で無理なら、和尚が勉強の意味で買うだけでなく、一般の方が買っても問題ないのではないか、と思います。
それに読まれて困るようなことを書いてあるわけではないですし。
そういう考えで、この本に執筆したこともあえて公開しました。
まあ価格が高額なのはほとんど数が出ないため仕方ありません。

○『くらべて分かる 違いと特徴でみる仏教」(大法輪閣)

これは以前月刊誌大法輪に掲載されたものを集成して1冊の本にまとめたものです。
原始仏教、大乗仏教、中国仏教、韓国仏教、平安仏教、鎌倉仏教、天台宗、真言宗、浄土宗、浄土真宗、曹洞宗・・などなど、幅広い仏教の世界を比較することでそれぞれの特徴をはっきりさせ、、どこがどう違うのかがよくわかり、より深く仏教を理解することができる良本です。

第一部「さまざまな仏教~どこが違うか」
第二部「日本仏教~お寺と宗派の見分け方」

にわかれ、仏教の歴史や各宗派の教義というような基本的なことから、たとえばどの宗派ではどんな法衣を着てどんなお経を読むか、というような具体的なことまで書かれています。
なお私は曹洞宗の項の一部を担当しております。

この本はもちろん一般の方向けの本なのですが、これは逆に各宗派の僧侶も勉強のために一読をお奨めします。なかなか他宗派のことってよくわかりませんので・・・。

○朝日新聞土曜版 be やさい流 夏の精進料理 連載中

数年前から不定期連載中の人気企画、七月に登場しております。
すでに2回分掲載され、あと七月十七日と二十四日に掲載される予定です。
今回は今までと違って初回に顔写真が載りました。さすがプロカメラマンの撮影、なんだか精進料理らしく、ほっそりして見えます。
けっこう多くの方から「新聞みたよ!ちょっと痩せたんじゃない?」と言われました。
残念ながら以前同様の体型です。いわゆる「奇跡の写真写り」という奴ですのでご心配なくどうぞ。

今回はナスや胡瓜、トマトなど、今~今後バッチリ旬を迎える野菜を使ったレシピです。
ぜひご一読ください。

なお、この連載がどれだけ続くか、またどの程度の頻度で掲載されるかはひとえに読者の方の反響次第です。今後も精進料理レシピをぜひ読んでみたい、と思うかたはどうぞ暖かい応援の御意見・ご感想を編集部にお寄せいただければ幸いです。

○群馬県前橋市倫理法人会モーニングセミナー講演「喜心~永平寺の精進料理に学ぶ」

先日、依頼を受けた説法をしてきました。
なんと朝5時30分集合、6時開始という今までで一番早い時間の説法です。
依頼を受けた際は、「え?夕方の6時ではなく朝の6時ですか?ホントに?」とつい聞き返してしまいました。

しかしよく考えてみれば、永平寺でも、宿泊してお参りする参籠者は朝3時頃起床し、5時頃から老師の法話を拝聴するわけですから、特段おかしなことでもありません。永平寺で朝5時に説法をする老師の役はたとえやってみたくてもできませんから、少しでもその境地を学べればと思いお引き受けしました。

参加者はみなさん会社の経営者さんや従業員の方々で、働くにあたっての心のよりどころを求めて研修を続けておられるとのことでした。そのため一週間に一度、出社前に集まって研修を積み、その足で出社するためにこの時間設定なのだと。
禅寺の料理係の心得が記された、道元禅師の『典座教訓』から「喜心」(ものごとをするにはまず
喜んでとりくむという姿勢が大切です。いやいややっては良い結果は出ません。自主的に、前向きにとりくむためには、ものごとを好きになり、それに関わることができた幸せを感じることが大切だ、そのためには指導者は折を見て「褒めてあげる」ことが欠かせない、というお話しをいたしました。
やはり志がある方々は違います、逆に参加者から元気をいただいてきました。

さて、そんなこんなで執筆物やら講演・法話やらで締め切りに追われる日々を送っています。
かんじんの料理レシピがなかなかブログに出ず申し訳ありませんが、朝日新聞beのレシピをご覧になってどうぞ気長にお待ち下さいませ。

  

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