上毛新聞読者欄ひろばに掲載

平成27年6月18日、誇り高き群馬県の地元紙、上毛新聞の読者欄、「ひろば」に投稿した記事が掲載されました。

上毛新聞ひろば

新聞の著作権的な意味合いもありますので、できれば直接誌面を読んで欲しいことから全文掲載はしませんが、ウオーキング中に出会ったご近所の小林さんが完全ボランティアで遊歩道の草刈り作業を何年も続けていることを知り、小林さんの善行を讃えるとともにぜひ多くの方にその奉仕の心に触れてもらいたいとの思いから投稿致しました。

遊歩道

この道は河原と水田に沿って続く道で、農作業のためのトラックやまれに釣り人の車が進入してくることもありますが原則として車は通らないことになっており、安心してウオーキングに集中することができる素晴らしい道です。自転車通学の中学生も朝晩には通り、小学校や中学校のマラソン大会のコースにも指定されています。老神温泉から吹割の滝へも続いており、温泉に宿泊した観光客が歩いているのもよく見かけます。
上の写真の左はじあたりが私が手伝った部分で、端に見えるつつじの先は崖になっています。

遊歩道自体はオールアスファルトですが、田舎のため沿道は土で、この時期ほっておくと身長と同じくらいまで草が伸びてきますし、やっかいなツルがからまると面倒なことになります。伸びた草が風で倒れたり道の側に伸びてくれば歩くのにも支障が出ます。
地元の自治体が村だった頃は維持するための予算もあったようですが、市と合併してからは予算が厳しくて遊歩道もほとんど整備できない時期があったようです。どんな良い道でも手入れしなければすぐに荒れてしまうため、みかねた小林さんはもう何年も誰からも誉められること無く黙々と整備作業を続けておられます。5キロほどの遊歩道の両側を草刈りするのは簡単なことではありません。重いエンジン草刈り機を肩にかけ、一日数時間の作業を何日も続ける必要があります。労力もさることながら、ガソリンも自前で、草刈り機の刃は消耗品なので年間に軽く数万円はかかっていると思います。
投稿には書けませんでしたが小林さん以外にも作業をなさっておられる方がいるようで、地元愛と奉仕の精神に対し本当に頭が下がります。

投稿には、『仏教では「利行(りぎょう)」という』と書きました。
さまざまな宗教の方がご覧になる新聞紙面ですのであまり深くは書きませんでしたが、一般的には「利他行(りたぎょう)」という仏教語が知られていると思います。もちろん「利他行」でも良いのですが、今回はあえて「利行」を用いました。
利他行というと「他人や他者を利する」「他の人の利益になる」というとらえ方もできてしまいますが、曹洞宗の経典、「修証義(しゅしょうぎ)」には「愚人おもわくは利他を先とせば自らが利省かれぬべしと。しかにはあらざるなり。利行は一法なり。あまねく自他を利するなり」と説かれています。
つまり「仏教の理屈がよくわかっていない愚か者は、他人のためになどしていたら自分が損してしまう、と考えるがそれは違う。他人のために尽くすことは自分のためでもあるんですよ」ということです。あえて「他」にこだわる必要がないのです。そうした意味から、利他行をさらに深くすすめてとらえた利行という言葉を今回は使いました。

ちなみに善意の奉仕をなさる方が多い中で、逆に遊歩道にゴミを捨てる人、ペットの糞を放置する不届き者もいます。意外と農家の肥料袋や畑にかぶせる保温ビニールが風で飛んだまま捨てられています。
税金で維持されているなら雑に扱って良いとか、ボランティアだから気を使って通るべきとかそういう次元では無く、公共の道を利用する以上はそうした最低限の非人道的行為はやめていただきたいものです。

マイナスイオンたっぷりの遊歩道
この人口滝部分が最も気持ちいいスポットで、水量が多い日はしぶきの混ざったマイナスイオンたっぷりのひんやりした空気が流した汗に心地よく感じます。
河原から吹く風のおかげで、全コースともに夏でも涼しく歩くことができます。大自然あふれる緑の中を通る道のため目の保養にもなりますね。
ただしそのかわり冬は充分な防寒が必要ですが。

なおウオーキングを続けると、腸内の善玉菌が増えて体調がよくなるそうです。
最近「腸内フローラ」という言葉をよく聞きますが、人体の中でも腸内細菌についてはまだまだよくわかっていないことが多いようで、これから研究が進んでいく分野だとのこと。ある研究者がいうには、人の腸内にはまったく別の細菌の世界が形成されていて、細菌たちがどんな暮らしをしているかで宿主である人間の体調も大きく変わるという見方もできるのだそうです。つまり宿主である人間が、腸内細菌がよろこぶようなエサ(=人間の食事)を摂ってやれば細菌の世界は繁栄するし、逆に腸内細菌にとって毒となる食事を続けていると細菌の世界が滅亡しかねないのです。ヨーグルトや乳酸菌飲料など生きたまま腸に届く菌が入った食品も注目されていますが、中には人間がうまいと感じる食べ物の中には細菌にとって良くないものもあるのだそうで注意が必要ですね。

ウオーキングなどの有酸素運動をすると腸内細菌が喜ぶのだそうです。「腸は第2の脳」ともいい、腸内細菌が喜ぶような行動をすると宿主である人間本体も幸せを感じるのだとか。
確かに、私の場合歩きはじめて30分くらいするとすごく良い気分が10分ほどやってきますね。50分を超えるとつらさが勝ってきますが。
はじめはクライマーズハイのような、運動中に脳が錯覚して起こる高揚感なのかなと思っていましたが、腸内細菌の話を本で読んでからは納得です。

ウオーキングをしていると、たくさんの人とすれ違います。
「がんばってるねー、和尚さん」と声をかけてくれるのですが、まあ「頑張る」だと続かないような気がします。「楽しむ」が良いですね。
実際、ウオーキングは楽しいですよ。その上健康的だなんてなんとありがたい。なにごとも習慣にすることが大事ですね。
ここのところ梅雨でなかなかカラッとしたウオーキング向きの日がありませんが、レインウエアを着て今日もウオーキングを楽しみます。

   

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