カッパ橋の河太郎

出版関係の仕事やブログ用に料理写真をたくさん撮りますが、年に数回、機材の点検整備を受けるために東京のサービスセンターに行きます。


東京まで車で3時間くらいかかるため、何か東京に用事があるついでに点検を受けるのですが、今回は常用レンズが故障してしまったため主目的として行ってきました。

いつもお世話になっているニコン銀座のサービスセンター。
土地柄、周辺の有料駐車場は少し停めただけでビックリ価格になってしまうため、道路脇に白線で設置されている1時間300円のパーキングメーターを狙います。結構な数が設置されているのですが、やはり皆考えることは同じなのでいつも争奪戦です。サービスセンター正面の一番便利な場所はいつもなかなかゲットできません。

一眼レフカメラは、一体式のカメラと違って、用途に応じてレンズを交換できるのがメリットです。
目的に応じていろいろなレンズを揃えてあるのですが、どうしても料理写真の場合、使うレンズが固定されがちです。特に単品の料理を撮るためのレンズは最も頻繁に使うため酷使してしまいがちで、ここのところどうも調子が悪いなあと感じていました。
酷使に耐えられずとうとう内蔵モーターが寿命を迎えたようです。
このレンズを購入して4年、正確な枚数はもうわかりませんが、少なくても10万枚以上の料理写真を撮影してきました。私などは料理を作るのがメインなのでそれでも使用頻度は少ない方で、有名プロはもっと早く寿命がくるそうです。
そうした際に迅速な対応をしてくれるサービスセンターは本当にありがたいものです。

ついでに新発売されるカメラを予約してきました。発表されたのは2月上旬、私が行ったのは2月中旬で、4月の発売日には入荷するだろうと甘い予測をしていましたが、発売日を過ぎた今でも、私の予約分はまだ入荷していません。仙台の工場が大震災で被災し、また昨年夏にタイの大洪水で海外部品工業が大被害を受けたため、生産量が安定せず、また予想を上回る予約注文で供給が間に合わないようです。
素人の私などは、予約を遥かに上回るほどの注文が入るだなんて、日本経済も少しは良くなってきたのかな、などと思ってしまいますが、そうではなく今は昔と違い、とにかくたくさん作って店頭に並べるやり方では在庫管理や保管場所、売れ残りなどさまざまなコストが無駄にかかってしまうので、売れ行きを推測してなるべく余らないように生産調整するのだとか。そのため予想を遥かに超える注文には対応が難しいようです。まあ確かにカメラも数年でモデルチェンジですから売れ残ったら困りますね。今年の桜には新カメラは間に合わなそうです。

はじめて現物を見ましたが、レンズ内部にはこんな感じのモーターが入っていました。
筒型のレンズのどこにモーターが入っているんだろう、と不思議でしたが、こんな形のモーターとは、技術力にちょっと感心しました。

サービスセンターを後にし、少々時間があったのでついでにカッパ橋道具街で食器を物色。
東京別院典座時代は良く来ていましたが、今は1年に一度くらい。まあそれくらい間を空けた方が新作のうつわも入荷するのでちょうど良いのです。

精進料理に合いそうなうつわをあれこれ選ぶ時間はとても楽しいものです。もちろん予算に限りがありますので安くて良いうつわを厳選します。お店の中はどの店も通路が狭いので、うつわにカバンをぶつけて落としたりしないよう充分注意します。
うつわを見ていて、「ああこのうつわにはこんな料理があうかもなあ」と創作料理のイメージが湧いてくることもよくあります。

それにしても、カッパ橋にはいつ行っても海外からの観光者をたくさん見かけます。繊細でわびさびを感じさせる和食器は日本のお土産としては最高だと思いますが、割れやすいものなので帰国時の飛行機預け荷物に入れて大丈夫なんだろうか、と他人事ながら心配になります。

まとめて買ったうつわはぬるま湯に半日ほど漬けて値段シールやラベルをはがし、陳列中についたホコリや汚れをよく落とします。
「うつわは料理の着物」とよく言います。同じ料理でも、盛り付けるうつわによって印象が驚くほど変わります。そのあたりを考えてうつわを選ぶのも料理の技術のうちです。

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