ほうれん草のおかゆ_大衆一如_臘八攝心七日目

ほうれん草のおかゆ_精進料理レシピ

○大衆一如のありがたさを知った攝心

「鐘鳴れば法堂、魚鼓(ほう)響けば僧堂」という言葉があります。
法要が始まる前に、5~10分ほど鐘が等間隔で鳴らされ、その音を聞いて修行僧達は法堂(本堂)に集まってきます。
ご飯の用意ができると、僧堂(坐禅堂)の天井に吊された、魚の形をした木製の鳴らし物(魚鼓)が叩かれ、皆が食器をもって僧堂に集まってきます。

これはつまり、合図が鳴ったらみんなが一箇所に集まって、同じことをするのが修行では大切ですよ、ということを表した言葉です。
俺は今やりたいことがあるからもうちょっと後で食べるわ。残しといて。とか、法要開始の鐘は鳴ってるけど切りの良いところまで草むしりやりたいからパスするわ。
というような自分の都合は修行道場では厳禁で、合図に従って全員がきちんと一つの事を行います。
これを「大衆一如(だいしゅいちにょ)」と言います。

単に、自分の都合や事情を言わないのが団体生活の基本、という基礎的な約束事のように思うかもしれませんが、もうちょっと奥深い意味合いも含んでいます。

辛く厳しい修行は、なかなか一人では乗り越えることができません。みんなで力を合わせて一緒に取り組むことで大きな力が湧いて、より良い修行ができるのです。個人ではあきらめてしまいそうな困難でも、全体の大きな力があってこそ、乗り越えることができます。

全く同じではないですが、皆さんが共感しやすい、世間での似た例をあげると、たとえばサッカーや野球などの団体競技では、仲間を助け合い、カバーし合うことで個人プレー以上の成果が出ますよね。まあ逆にバラバラのチームではかえってマイナスです。
よくまとまった吹奏楽や合唱団でも、一人だけでは練習を休みたくなる日があっても、みんなと一緒だから今日も頑張るか、という気持ちになることがあるでしょう、
受験勉強も、一人きりでできる人は良いですが、塾などでライバルと張り合うことで触発されて負けないぞ、と切磋琢磨する力が出ることがありますね。

私の攝心おかゆ特集も、毎日いろいろと忙しく、7日間続けるのはかなり大変でした。ある日は急用がたくさん入ってしまい時間的にも更新できそうにないピンチの日がありました。もし誰にも公開していなかったら、もう仕方がない、明日の分は公開をやめて延期しようと諦めたと思います。
しかし毎日楽しみに読んで下さる方がおり、ブログに感想を送ってくれたり、Facebookコメントをたくさん頂いたりと、そうしたみなさんのことを考えれば、なんとかして今日も間に合わせねば、と頑張りにつながり、その結果なんとか7日間連続して更新することができました。

この攝心も今日で最終日。
七日目は、いつもの就寝時間を越えても坐り続け、夜中の12時を越えて日が変わっても坐ります。
7日間の疲れが溜まり、修行僧達の肉体的な限界はとっくに超えていて、もし一人だったらやめてしまいたい、眠りたい、膝が痛いから休憩したい、という自分の弱い心が悪魔の誘惑をしてきます。でも、隣で坐っている修行仲間も、同じように眠くても、苦しくても頑張っているんだと思うと、よし私ももうちょっとやってみよう!とお互いに無言で励まし合うことで、なんとかこの厳しい修行を乗り越えることができるのです。

臘八攝心が終わると、修行仲間との絆がとても深まります。一度攝心を乗り越えたからといって、お釈迦さまのように究極の覚りまで至るということはなかなかできません。欲張らず、一つ一つ成長していくことができればそれで良いと思います。私は修行時代の攝心で、大衆一如の尊さに気づくことができて、とてもありがたかったです。

最終日。夜中まで坐っている修行僧のみなさん、普段の限界を超えたところに、自分なりのなんらかの気づきが得られることを祈っております。

しらたき炒め_精進料理レシピ

ほうれん草のおかゆ_精進料理レシピ

今回は栄養豊富なほうれんそうのお粥と、低カロリーで腹持ちのいいしらたき胡椒炒めの組み合わせです。
前回のとうもろこし粥は、お粥ができた後にドロドロのとうもろこしを加える手順でしたが、今回は炊く前に加える方式です。こちらは、よりお米に具材の味が染みます。ほうれん草のように少しだけアクがあるような素材は、先に加えて加熱した方が味がなじみやすいのでこの方法を取ります。

○ほうれん草のお粥の調理手順とレシピ

1 お米60mlを研いで30分ほど水に浸けます。

2 ほうれん草100g(4本くらい)を沸騰したお湯でゆでて水にさらし、水気を絞って食べやすい長さに切ります。ゆで方の注意は昨日の焼き豆腐の味噌煮のレシピをご参照下さい。焼豆腐の味噌煮_精進料理レシピ調理手順

焼豆腐の味噌煮_精進料理レシピ調理手順

焼豆腐の味噌煮_精進料理レシピ調理手順

3 2のほうれん草の半分ほど、できるだけ根の方をフードプロセッサーに入れ、水200mlを加えて撹拌し、スープ状態にします。

ほうれん草のおかゆ_精進料理レシピ

ほうれん草のおかゆ_精進料理レシピ

4 1のお米を鍋に移し、そこに3のほうれん草汁を全て入れます。

ほうれん草のおかゆ_精進料理レシピ

5 水を160~200ml加えて鍋の中で軽くかき混ぜます。

ほうれん草のおかゆ_精進料理レシピ

6 塩小さじ1/4を加えます。

ほうれん草のおかゆ_精進料理レシピ

7 強火で加熱します。

ほうれん草のおかゆ_精進料理レシピ

8 沸騰しはじめたらすぐにごく弱火に落とし、一度だけお玉で底の方からお米をほぐすようにかき混ぜてフタをし、25分コトコト炊いて、火を止め、5分蒸らします。
ほうれん草汁を加えると吹きこぼれやすいので沸騰するまでは目を離さないようにしてください。
アクのような感じのものが浮いてきますが特に気にする必要はありません。

ほうれん草のおかゆ_精進料理レシピ

9 火を止めたら、蒸らす前に3でとっておいたほうれん草をばらけさせながら加え、軽くひと混ぜして再度フタをして5分以上蒸らしてできあがりです。

こうした鮮やかな色のお粥は鉄鍋よりもアルミ鍋の方をお薦めします。

ほうれん草のおかゆ_精進料理レシピ

ほうれん草のおかゆ_精進料理レシピ

○しらたきの胡椒炒めの調理手順とレシピ

1 ピーマン2個のヘタを取り、半分に割って種を取り、細切りにします。

しらたき炒め_精進料理レシピ

2 人参30gを細切りにします。

しらたき炒め_精進料理レシピ

3 しらたき300gをまな板の上に並べて3~5㎝くらいになるようにざっと切ります。あまり長いままだと食べにくいからです。しらたき炒め_精進料理レシピ

4 フライパンに油小さじ2を敷いて加熱し、暖まったらよく水を切った3のしらたきを加えて油を全体に行き渡らせるように強火で炒めます。

しらたき炒め_精進料理レシピ

5 火を弱火に落とし、酒大さじ1としょうゆ大さじ1弱を加えて、酒が蒸発しないうちにすぐ混ぜ炒めます。

しらたき炒め_精進料理レシピ

しらたき炒め_精進料理レシピ

6 しらたきにしょうゆの色が着いてきたらピーマンと人参を加え、強火にして混ぜ込み、最後に黒胡椒をまぶして混ぜ、酒の水分がほぼなくなったら火を止めます。

しらたき炒め_精進料理レシピ

しらたき炒め_精進料理レシピ

記事が気に入ったら是非SNSでアクションをお願いします☆