曹洞宗群馬県檀信徒大会

平成26年6月19日、曹洞宗群馬県檀信徒大会が宗務所護持会主催で盛会裡に行われました。

まあひらたくいえば曹洞宗の檀家さんが大きな会場に集まり、さまざまな法要や研修を行って信仰を深める大会が行われたのです。

群馬県には曹洞宗のお寺は約350ヶ寺ありますが、それほど多くの和尚さんと檀家さんが一同に集まるというのはとんでもなく大変なことです。同会場で前回行われてから十数年前ぶりの開催で、数年前から構想をまとめてとりまとめた宗務所の皆様のご労苦に頭が下がります。

大会の内容はこのブログで伝える必要はないと思われるので略しますが、少し裏方の仕事についてお伝えします。

前日には宗務所布教部の一員として設営準備をお手伝い致しました。最も大変だったのは当日受付で配布する記念品や資料、パンフレットなどをまとめてエコバッグに詰め込み、それを各お寺ごとに分別し、さらに地区ごとにまとめておく作業です。

当日の来館者は2000人以上。各地区の護持会長さん(お檀家さんの代表)にもお手伝いいただき、50人がかりで作業しましたが3時間近くかかりました。
エコバッグ自体も当日の記念品になっており、そのまま持ち帰れるよう工夫したのでしょうがものすごい量に驚きました。


布教部員は受付係をつとめました。地元の利根、沼田、片品、川場、昭和、白沢地域の受付を担当し、地区の護持会長さんの補佐をしました。
当日は快晴に恵まれ、開場と同時に参加者が押し寄せ、受付開始時間を30分早めて対応しましたがロビーはものすごい人の量で大混雑。
会場駐車場が開く時間の関係で集合時間を早めることができず、開場前のミーティング中にすでに早く到着した参加者が受付に殺到する始末。まあこれは仕方ないことですが、メガホンがないのでリーダーの声も良く聞き取れず困りました。またロビー内の人に大きな声でもろもろ伝える例もあったので、こういうときには簡易マイク設備が必要ですね。反省点として、同様の行事で主催者側にいることがあれば持参しようと思います。

受付が一段落すると、すぐにお弁当の段取りです。2000個以上の弁当をいかにスムーズに配るか、リーダーの指示でいろいろ手はずを整えます。場数を踏んだ和尚さんが多いので、ナイスなアイディアがたくさん出て大変勉強になりました。
お弁当を傾けるとせっかくの料理の盛り付けが崩れてしまいます。会場内の座席の間を縫って、お弁当を2000人に配るのは非常に厳しいものがありましたが布教部員の仲間と協力してなんとか無事に配ることができました。

私のあまりの大汗にみかねた庶務主事さんが、おそらく自分用に買ったばかりの?冷えた塩分補給ドリンクを下さったので、ありがたく頂戴してロビーに座って額の汗を拭きつつ小休止していると、来賓の一人である某会会長の大先輩が「おっと暇そうな人発見。ちょっとあっち手伝ってきて」との指示で来賓の高僧方の部屋で付き人をするようにと指示され、偉い和尚さんの着替えた法衣をたたんだりあれこれお手伝いする係を臨時でつとめました。

これ、「暇そうだから」というのは一種の枕詞で、大先輩のありがたいお気遣いなのです。
偉い和尚さんが集まる部屋で、付き人ができる機会は滅多にありません。着ているお召し物や履き物の様子、持ち物、控え室での高僧同士のの何気ない中にも禅機あふれる会話や立ち居ぶるまいなど、ふつうでは見聞きできないものに接することができていろいろと良い勉強になるのです。だからといって勝手に高僧控室に入ることはできません。お前せっかくだから言ってこい、と命じてくださった大先輩の慈悲心に深く感謝いたします。もちろん、高僧方のにじみ出る風格を充分に堪能させていただきました。

受付、弁当係だけでなく、法要の準備や進行の係、梅花講員の誘導や奉詠をアシスタントする係、ボランティアで募金勧募や被災地支援グッズを販売する係、具合が悪くなった方を救護する係、ゴミをとりまとめる係、駐車場で車を誘導する係などなど。どの係の方も、みんな誰一人文句をいわず責任を果たし輝いていました。

満席の大会場で無事一日の大会がおわりました。
私はこういう席で裏方を務めるのが好きです。やはり表舞台を支えるのは裏で汗をかくスタッフです。そして、表舞台に立つ和尚はそのスタッフの苦労を知っているべきだと思います。
今回忙しくてほとんどステージを見ることはできませんでしたが、後で録音を聴いたところ来賓挨拶に立った高僧方が、これだけの大会ができたのは関係諸氏の努力の賜、と裏方を慰労するお言葉がありました。そうした裏方の苦労をよくわかった上で発してくれる気遣いの一言で、疲れも吹き飛びます。

スポットライトがあたる人がいれば、必ず陰で誰かの支えがある。お互い自分で選んだ立場に喜びを感じ、守備範囲を精一杯つとめることが大切だとあらためて感じました。

いずれにせよ参加者の皆様、また主催者側の皆様、ほんとうにお疲れ様でした。良い研修の場をいただき、ありがとうございました。

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