◇「芋ようかん_精進スイーツ」の概要とポイント
芋ようかんといえば某寺院の門前で売られているあの品が有名ですね。ズシリと重い包みはお参り帰りのお土産として重宝されていますが、昔ながらの美味しい品は賞味期限が短いのが難点です。
いや、逆にいえば賞味期限が短いからこそ美味しい、ともいえます。余計な保存のための対策がとられていないからこそ、純粋な美味しさを保つことができるのです。せっかくなので、食べたい時に作りたての芋ようかんを召し上がってはいかがでしょうか。作りたての美味しさは、老舗の銘店にも負けないと思います。
加えるダシの量を減らすか、サツマイモの量を増やすかすれば風味を濃くすることが容易にできますし、砂糖の分量を変えれば甘みも好みや体調に合わせて調整できます。また粉寒天の量は、今回は少し硬めの仕上げにしましたが、減らせばもっとプルプルの柔らかな食感にすることができます。
砂糖は、できればザラメ砂糖を使うとサツマイモの風味によく合います。
精進料理スイーツとして、また先付けや八寸の一品としても適したレシピです。
◇「芋ようかん_精進スイーツ」のレシピと調理手順
1 さつまいも250gの皮をむきます。
この皮は捨てないで取っておくと良いですよ。
2 火が早く通りやすいように、適当に小さく切り分けます。
3 多めの水で加熱し、煮崩れる直前まで柔らかくゆでます。
4 ザルにあげて煮汁をしっかり切り、熱いうちに裏ごしします。自然にゆで汁が切れるのを待つと冷めてしまうため、ザルを上下に何度か揺すって素早く水気を切るようにします。
しっかり火が通っていれば、簡単に裏ごしすることができます。
5 うらごししたサツマイモを鍋に移します。
6 裏ごししたサツマイモを鍋に移し、昆布だし400ml、酒大さじ3、みりん大さじ2、砂糖小さじ2~大さじ1、しょうゆ小さじ2を加えて加熱し、沸騰したら弱火に落として2分ほど木へらでよく混ぜます。
7 沸騰した状態で粉寒天3g程度をよく混ぜながら少しずつ加え、さらに2分ほどかき混ぜます。(粉寒天によって、加え方が異なるため製品の指示にしたがいます)
8 型枠に注ぎ、自然に冷めて固まるまで3~5時間程待ちます。時間が無い場合は湯気がおさまったら、そっと動かして冷蔵庫に入れると早く固まります。この分量で約12㎝×8㎝×4㎝のパットにちょうど良いくらいです。このとき仕上げイメージによって流し缶でなく個別の湯飲み型の容器に小分けして移してもかまいません。
流し込んだ当初は上の写真のように鮮やかなツルツル状ですが、冷めて固まると下の写真のように表面はザラザラで少しくすんだ色合いになります。
しかし型枠の側面を少しずつ広げて、ひっくり返してそっとトントンして裏返すように取り出すと、型枠に触れていた面はこのようなツルツルの光沢で、色よい仕上がりになっています。
どちらの面を上側にしてもりつけるかによって、見栄えが大きく変わります。食べやすい大きさに切って盛り付けます。
9 黒胡麻適量をアクセントとして載せて盛り付けたり、あるいはそのまま何も添えなくても美味しく頂くことができますが、あんをからめるのも一案です。
小鍋に昆布ダシ大さじ3、酒大さじ2、砂糖小さじ1、しょうゆ大さじ1を沸騰させ、片栗粉小さじ1/2を水小さじ1でよく溶いて少しずつ混ぜながら加え、とろみをつけてあんをつくります。この分量で上記の型枠1個分です。
特に疲れた日には、小豆のあんこをからめて甘~~い特製スイーツに仕上げても良いでしょう。