沼田名物~うどとイチゴのぬた

沼田名物~うどとイチゴのぬた

火を通さない生のウドを用いた春のぬたです。

ヌタというのは主に白系の味噌を甘めに溶いた味噌和合のことで、酢や辛子を加えた酢味噌・辛子味噌など各地で郷土料理としてのバリエーションがみられます。ネギやわけぎ、あさつき、ニラ、のびるなどと海産物を合わせる場合が多いのですが、魚介類等の海産物は当然としても、精進料理ではネギやニラなども御法度、つまり使ってはいけない食材で、「五葷」(ごくん)と呼ばれます。つまり臭いが強く、清らかな修行道場にふさわしくない口臭を招くことと、無用な精がつくことを避けるためのルールです。そのため本山の精進料理で「ぬた」と呼ぶ伝統献立はまずないのですが、地方寺院の恒例法要などの定番料理として伝えられている料理の中には、魚介類や五葷抜きの「ぬた」をみかけることがよくあります。

ドロドロの酢味噌が、沼や田んぼの泥地に似ていることから味噌和合のあえしろを沼田=ヌタ、と呼ぶようになったのですね。そう、語源であるヌタ=沼田は当地の地名でもあるのです!もちろん当地名の沼田を指しているわけではなく、全国どこにでもある沼・田んぼ=沼田のことなのですが、まさしく地名となっている沼田ですから、ヌタ料理が作られなかったはずはありません。そうして地元に愛されてきた郷土料理、沼田名物ヌタなのに、残念ながら現在は酢味噌あえや辛子味噌あえをヌタと呼ぶ人が減ってしまっています。

こうした料理名の由来や知識も大切です。そのため今回はあえて「辛子味噌あえ」とせずに「ぬた」と称しました。

1 うど100gの皮をむき、斜めハス切りにしてアク抜きします。

2 イチゴ50gのヘタを取り、半分に切ります。(大きければ1/4など)

沼田名物~うどとイチゴのぬた

3 生椎茸30gの石突きの先端を取り除き、縦に1/4ほどに切ってゆでます。

沼田名物~うどとイチゴのぬた

4 白みそ大さじ1と1/2を入れ、3のゆで汁大さじ1、みりん小さじ1、米酢小さじ2、砂糖小さじ1、練り辛子小さじ1~3をすり鉢でよく混ぜ、あえしろを作ります。辛子も酢も入れなければ「味噌あえ」酢を入れなければ「辛子味噌あえ」、酢を入れれば「辛子酢味噌あえ」ですが、まあそれらを総じて「ぬた」と呼ぶのですね。なるべく甘めの味噌を使います。酢や辛子の量はお好みで調整します。昆布ダシがあれば、ゆで汁の代わりに使うとなお味に深みが出ます。

沼田名物~うどとイチゴのぬた

沼田名物~うどとイチゴのぬた

沼田名物~うどとイチゴのぬた

5 1~3を4であえます。すぐに食べない場合はからめずに具だけうつわに盛り、食べる時にあえしろをかけると良いでしょう。

沼田名物~うどとイチゴのぬた

イチゴの甘みと彩りがウドの苦みとよくあいます。地方寺院の法要のあとに出されることが多いのは、日本酒とよく合うからかもしれませんね・・生わかめを加えればさらにキレイに仕上がりますよ。

沼田名物~うどとイチゴのぬた

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