まずはうどを料理する際の基本を説明します。これは精進料理に限らず、ふつうの料理にも通じる大切な基本知識です。
旬のウドは「アク」をたくさん含んでいます。アクの強さは濃厚な風味の裏返しなので、アクが多いということはその分栄養豊富で美味しいということですね。
しかしこのアクをそのまま食べると口の中がいがらっぽくなりますので、ほどよくアク抜き処理をしなくてはいけません。煮物や炒めものなど、加熱する料理の場合はそれほどアク抜きの必要はないのですが、特に生で食べる場合は必須です。
方法は簡単で、切ったうどを多めの水にひたすだけです。食べる形状に切ると、表面積が増え、また切断面の細胞が表れるためにアクが水に染み出て減少するというわけです。
なお、この際に酢を少し入れる方法がありますが、酢の物に使うなら良いのですがそうでないと酢の味がしてしまいます。そこで私がお薦めするのは「片栗粉」を少し入れた水にひたすことです。片栗粉が、アクの成分を吸着してくれるのだそうで、酢のように別の味もつきませんし、強力にアク抜きができます。また、片栗粉を使うとウドの白さがものすごく引き立ちますので白色を強調する料理には最適です。
片栗粉は水に沈んでしまうのでよくかき混ぜます。
また、量が多い場合やアクが強い場合は3~5分浸けたら一度水を替えて再度浸け直します。片栗粉を使った場合は、軽く水ですすぎます。
下のボウルはうど3本分の大量なアク抜きですが、片栗粉入りの水にひたして3分後
水の色が薄茶色になったのがわかりますか?これが全てアクなのです。
少量のウドの場合はここまで変色するほどは出ませんが、量が多いと目視でわかるほどになります。ただ、このアクをすべて一切取り除いてしまうというのは逆に風味なども無くなってしまうので、適当に抜くところが大切です。
そのウドの状態にもよりますが、少量なら多めの水に片栗粉を少し加えて3分つけ、うど1本くらいの量からはそれを水を替えてもう一度行う程度で良いと思います。
次にウドの皮の処理です。
加熱料理の場合はあえて皮を残す場合もありますが、生の場合は皮をむいた方が無難です。特に山うどの場合は、皮をむかないと歯に挟まって食べにくい場合が多いです。
簡単なのは、ピーラーでシャーッシャーッと引いてむくことです。これなら薄く皮だけをむくことができるので、特に細いうどに向いています。
しかしこのやり方だと、むいた皮が再利用しにくいのです。薄すぎて切りにくいし、歯に挟まります。
そこで、かつらむきをします。うどを3~5㎝くらいに切り、皮の部分だけをぐるっとむきとります。ちゃんと研いだ包丁を使えば、うどは柔らかいので難しくはありません。
かつらむきにすると、シート状に広げることができるので、何枚か重ねて細切りにでき、皮も利用しやすくなります。この皮の部分が美味しくて食感もよく、また栄養も豊富なので上手に利用しなくてはいけません。
なおむいた皮、むいた身も再度水に浸けておきます。
コメント
とても繊細でステキな料理ですね!
夕食に是非作ります
ありがとう御座います