大根、白菜に続いて野菜各種廃棄処分

 先日お伝えした大根と白菜の廃棄の件ですが、一昨日のニュースで、今度はピーマン、キャベツ、タマネギが豊作すぎ、市場価格調整のため廃棄処分が決定されたと報じられました。

 せっかくの野菜を廃棄するのは確かにもったいないことなのですが、当サイトでも述べたように、他にとるべき手段がなくやむをえず行う廃棄処分なのです。
 苦労して作った生産者が一番悲しい思いをしているのです。
 
 以前当ブログでも解説しましたが、豊作で値段が下がり、出荷すればするほど赤字が増すためにしかたなく廃棄=収穫しないまま畑をトラクターで踏みつけ、野菜を土に混ぜ込んで肥料とするのです。したがって、市場価格をこれ以上下げないための処置であり、大勢の希望者にタダであげたのではさらに市場で売れなくなってしまい、意味がないのです。

 しかも、廃棄した場合生産者には補助金が出る、というニュースを勘違いして、捨てればもうかるというような間違った理解をする方がおられるようですが、実際はもうかるどころではなく、倒産寸前の大赤字のところを、なんとか倒産せずに住む赤字程度ですむ程度のわずかな額なのです。とてももうかるような額ではありません。しかもそのもらえる補助金のうち何割かは生産者がそういうときのために積み立てたお金の中から支出されるのだそうです。

 つまり、廃棄する生産者を非難するのは筋違いということなのです。どの職業にも苦労がつきものですが、とりわけたいへんな労力とリスクを必要とする農業では、自然を相手にする以上、人間の都合通りにはいきません。農家の方にも生活がかかっています。トラクターなどの農具を購入するための資金も稼ぎ出さなくては経営がなりたちません。
 もったいないのは確かですが、だからといって私たちが口にする野菜を汗を流して作って下さる生産者を非難するのはいかがでしょうか。
 
 ある解説者がこのように言っていました。
 「昔は店頭に並ぶ野菜の値段を見て、今日はこの野菜が安いから夕食のおかずは○○にしよう」という方が多く、そのため市場価格が下がるとその野菜に対する需要が増えてその結果価格も上昇するという具合に、微妙な調整が自動的に行われていたため大幅な値下がりが起きにくかったようです。ところが最近は手作りをする方が減ったために、その日の夕食のおかずを店頭の野菜価格を見てから決めるということが少なくなり、自動調整機能が失われてきた」とその原因を分析していました。
 たしかにそれも一因でしょう。忙しい現代ではありますが、もういちど手作りの夕食を見直す必要があると思います。

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