しあわせを願う春の「七草がゆ」

明日は1月7日、七草粥をいただく日です。

七草粥の由来や意味は2007年の1月7日、当ブログの記事に書いたので詳しくは書きませんが、簡単に言えば、邪気を払い、万病を除く縁起ものの春の七草を刻んで入れたおかゆを1月7日に食べるということです。
かつては野菜不足になりがちな冬場の栄養を補う意味もあったと思われますし、また現代ではおせち料理で疲れた胃を休める意味もあるでしょう。

今回はふだん料理をあまりしない人でも作ることができるように、調理手順を詳しく紹介したいと思います。

まず春の七草を用意します。
「セリ、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」の7種なのですが、身近なところでいうと「なずな」はペンペン草、「すずな」はカブ、「すずしろ」は大根のことです。
この7種を全て野で手に入れるのは難しいと思います。実際、当地では現在雪で埋まっていますからペンペン草を採取することはできません。また、都会では仮に道ばたにペンペン草が生えていたとしても、ちょっと口にするのはためらってしまうような状況もあるでしょう。

そこで私が提案するのは、無理に7種を集めるのではなく、この中で比較的スーパーなどでこの時期入手しやすい、「セリ」だけをいれたおかゆです。

もし冷蔵庫に大根やカブの残りがあれば、それを加えても良いでしょう。
セリも売っていなければ、水菜や三つ葉など、青い葉もので代用でも良いじゃないですか。
春の七草が定められたころと今とでは、暦も気候も農業形態も大きく変わっているわけですから、七草を集めるのが難しいのも仕方ないのです。ですから、無理に全て揃えず、入手できる材料で代用し、その心だけを味わえばよいと思います。

そうはいっても、どうしても七草を使いたい、という方には、大きめのスーパーに行くとこうしたなまの七草のセットが売られていますから利用すると良いでしょう。

さて、いよいよ作り方ですが、まず「すずな」(カブ)と「すずしろ」(大根)を食べやすい大きさに切ります。良く洗えば、皮がついたままで大丈夫です。
今回はカブはくし形に、大根はハス切りにしました。※分量は2人分です

次にお米1/2合(90cc)を研ぎ、鍋に入れて水600cc、塩少々、先ほど切ったカブとダイコンを加えて火を全開にして点火します。

その間にセリなどの葉ものを3~5センチサイズにザクザクと切り、ザルに入れてよくすすぎます。新鮮で香りが濃いものを使う場合は、アクも強いのでしばらく水につけておきます。
5~7分前後で鍋が沸騰したら、表面がコトコトするくらいのごく弱火にします。

そのまま15~20分ほど煮て、下の写真のようにお米が柔らかくなってとろみがついてきたら葉を入れ、まぜないでそのままフタをして火を止め、5分ほどそのままおいて蒸らし、盛りつけます。

できあがったら煎った白ごまなどをまぶして食べると良いでしょう。

炊飯器などで作る場合は、スイッチを入れる前にカブとダイコンと塩を入れて炊飯し、炊きあがって保温に切り替わったら一度フタをあけてすぐに葉を入れ、すぐにフタをしめて5分蒸らせば同様にできあがります。
水ではなく昆布ダシでもよいのですが、七草の風味を感じるためには、ダシを使って濃厚な味に仕上げるよりも水であっさり作った方が良いでしょう。

大地から燃え出でた力強い春の恵みを口にすることで、自然のパワーをわけてもらえるような気になります。そして真っ白なおかゆに鮮やかな緑が映え、邪気を払うような清涼さも感じます。
口当たり良いトロトロのお米を口に含んだ瞬間、春の香りが広がります。
おなかにやさしい七草のおかゆ、ぜひ作ってみてください。

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